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今週の相場見通し(11 November 2019)

11 November 2019

<主なイベント>

11/11(月)英Q3GDP、米ベテランズ・デー祝日(債券市場は休場)
12(火)10月NAB企業信頼感・景況感、独11月ZEW景況感指数
13(水)NZ準備銀行理事会、11月WESTPAC消費者信頼感、英10月CPI、ロシア中銀理事会、パウエル議長上下両院合同経済委員会議会証言、米10月財政収支、トランプ大統領―トルコ・エルドアン大統領会談、下院情報特別委員会ウクライナ疑惑巡る公聴会開始
14(木)豪州10月雇用統計、中国10月小売売上高・鉱工業生産、日本Q3GDP(速報値)、独Q3GDP(速報値)、パウエル議長下院予算委員会議会証言
15(金)財務相理事会、米10月小売売上高・鉱工業生産・輸入物価、米11月NY連銀景況指数

<マーケットの焦点>

先週は前週の強い米10月雇用統計の流れを汲んで、ISMも堅調であり株価は堅調。「米中は段階的な関税撤廃合意」の報も加わりリスク選好地合となった。
NYダウは史上高値を大きく更新し、ドル円も遅ればせながら109円台半ばに上昇した。
ただ米中協議ではトランプ大統領が「関税撤廃には合意していない」と発言するなど、依然として両国の駆け引きが続いている。
またウクライナ疑惑をめぐる証人喚問も始まっており、今週からの公聴会開始を前にトランプ政権は再び火種を抱えることになる。
前週のFOMCで追加利下げの中断の可能性が増加しており、12月のFOMCでの利下げ確率は5%まで低下している。雇用統計、ISMと堅調な数字が続き、米企業決算も予想を上回る好調さで米株価(ダウ、ナスダック、SP500)は軒並み史上高値を更新しており、基本的にはリスク選好の流れが今週も続きそうだ。
米中貿易交渉合意の署名は、条件や場所の折り合いがつかず12月まで延期される模様だが、足元の駆け引きを経て近々に最終合意に落ち着くだろう。
ウクライナ疑惑に関する公聴会は今週水曜日に開始されトランプ大統領に再び逆風が吹く。係る状況での貿易交渉では中国はいち早く「関税の段階的撤廃に合意」と発表したが、トランプ大統領としては簡単に合意せずに「解決困難な対中問題で米国民にとって有利な解決を図るために粉骨努力していること」をアピールしたいところだろう。
しかし12/15の関税引き上げ発動期限やクリスマス商戦も迫っており、トランプ政権はより効果的なタイミングでの合意を発表する算段だろう。
今週はパウエル議長の上下両院での議会証言や、米国10月CPIや小売売上高などの重要指標が発表される。パウエル議長はFOMCでの景気に前向きな発言を繰り返すことが予想され、足元のリスク選好地合をより強固なものとする可能性がある。
ウクライナゲート疑惑という厄介な問題はあるが、最近の堅調な労働市場や株価の大幅上昇、更には対中貿易問題をめぐるトランプ政権の攻勢がむしろ国民にアピールすることとなるだろう。
Brexitは12/12の総選挙まではしばし休戦といったところだが、先週来高まっている市場のリスク選好の動きは年末にむけて継続され、ドル円も重い腰を上げて“いずれ”110円台に乗るものと予想する。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―やや頭が重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6847-0.6927 AUDYEN 74.56-75.67

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950 AUDYEN 73.00-76.00

先週のRBA理事会での声明が景気先行き見通しで予想よりポジティブであり、成長・インフレ予想ともに緩やかな上昇予想となったことが好感された。
また週中は「米中が段階的な関税撤廃で合意」の報もあり豪ドルは週中高値69セント台前半、75円台半ばまで続伸したが、週末に向けてはトランプ大統領の「関税撤廃でまで合意していない」の発言もあり反落して越週した。
今週は10月雇用統計や10月NAB企業景況感指数、11月WESTPAC消費者信頼感指数などの重要指標が発表される。8月に5.3%に悪化した失業率は9月に5.2%に改善したが、RBAの中期的な悪化予想通りに再び悪化するのか注目される。
先週のRBA理事会と金曜日の四半期金融政策報告書(SoMP)の結果から、市場の金利先安観は後退しているが、やはり米中協議の行方がRBAの金融政策にも大きく影響していることは言うまでもない。
今週は米中協議に加えて雇用統計の結果にも注目したい。
足元は68セント台後半、74円台後半という重要なレジスタンスを巡って上値の重い展開が予想されるが、基本的には年末にかけて豪ドルはじり高推移と見ている。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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