「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
9 December 2019
<主なイベント>
12/9(月)日本Q3GDP(改定値)、日本10月貿易収支、独10月貿易収支
10(火)11月NAB企業信頼感・景況感、中国11月CPI・PPI、独12月ZEW景況感指数、ゲオルギエワIMF専務理事講演
11(水)12月WESPAC消費者信頼感、米11月CPI、FOMC
12(木)ECB理事会、EU首脳会議、英国総選挙
13(金)Q4日銀短観、米11月小売売上高、米!!月輸入物価指数
15(日)
<マーケットの焦点>
先週は週初、月火とリスク回避ムードとなり、米国株は大幅下落したが、水曜日以降は下げ幅を取り戻す展開となった。
ドル円は月曜日の高値109円台後半から水曜日には108円台半ばまで下落し、金曜日の強い米雇用統計を受けて109円台手前まで反発後、週末にかけて再び108円台半ばに反落するなど、総じて頭の重い展開となった。
週初は米中通商交渉において関税巻き戻し幅や米国の農産物購入額について依然米中間の意見相違も指摘された。
一方合意については楽観的な見方も両国から出るなど、米中交渉では先行き不透明感が払拭できなかった。
一方月曜日発表された11月米ISM製造業景気指数や水曜日のADP雇用者数やISM非製造業景気指数は軒並み弱い数字となり市場センチメントは悪化した。
また米下院は大統領弾劾訴追状を作成するプロセスに入ったと報道され、英国の世論調査では保守党のリードが後退するなどリスクオフの材料が多かった。
金曜日には日本政府が26兆円規模の新経済政策を発表したが、市場からの好感度はたいしたものではなかった。
発表された米11月雇用統計は失業率は3.5%に1ポイント改善し、nfprは予想の18.8万に対して26.6万人増と、かなり好結果であったが、ドル円109円台乗せには失敗。
ただNYダウは久しぶりに300ポイントを超えて大幅に反発した。
今週は年内最後の“イベント週”となり11日(水)(日本時間木曜日早朝)に年内最後のFOMCの結果が発表され、12日(木)に英国総選挙が行われ、15日(日)には米中の関税引き上げ期日となる。
FOMCでは金融政策据え置き予想が大半だが、引き下げになればサプライズであろう。
また英国の総選挙では保守党勝利で予定通りの“合意離脱”に進むとの市場の読み通りになるか?
15日に迫った米中双方の関税引き上げ期限を巡って交渉も大詰めだが、土壇場の合意に至るか?
この三大イベントの結果次第によりリスクオンからオフまで結果は大きく異なってくる。従来より指摘しているように個人的には昨年末とは逆に「ベストのリスク選好地合」(つまりFOMCで利下げなし、英選挙で保守党圧勝、米中土壇場合意)が強まって来年に続くと見るが、結果はフタを開けてみるまで分からない。
いずれにしても今週のイベント週を通過すれば市場は急速にクリスマス休暇ムードに入っていくであろうし、年内最後の市場の活発な動きを期待したい。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―底堅い展開か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6764-0.6862 AUDYEN 73.89-74.84
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950 AUDYEN 73.00-76.00
先週豪ドルは上昇した。
先週はRBA理事会はじめ、毎月初の“豪州ウィーク”で各種重要指標が発表された。
RBA理事会では予想通りに金融政策据え置きとなったが、声明文では内外経済について、従来よりもややポジティブな見方が示された。「家計所得の弱さが消費の重石」との従来からの見方を繰り返す一方「インフレは2020年~2021年にかけてターゲットである2%に近づく、住宅市場は分岐点を超えたと直近の指標が示している、世界経済のリスクは減少」と述べている。発表された各種指標は10月住宅建設許可件数、小売売上高、貿易収支黒字幅は予想を下回った。また注目されたQ3GDP前期比+0.4%(予想+0.5%、前回+0.6%)、前年比+1.7%(予想+1.6%、前回+1.6%)で前回分は前期比、前年比共に1ポイント上昇修正されている。GDPは昨年Q3から減速傾向となり、今年Q2でボトムアウトした形となっている。
今週発表される、センチメント系指数である11月NAB企業信頼感・景況感と12月WESTPAC消費者信頼感にも注目したい。
豪ドルは年末に向けての豪州資源会社の来年度の輸出予約(豪ドル買い)の出回りも予想され底堅い展開を予想するが、下値不安を払しょくするにはやはり米中の通商合意を待つ必要がありそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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