「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
10 February 2020
<主なイベント>
2/10((月)日本12月貿易収支、中国1月CPI・PPI、米予算教書
11(火)日本祝日(建国の日)、英国Q4GDP、パウエル議長下院金融委員会で議会証言
12(水)NZ準備銀行理事会、米1月財政収支、パウエル議長上院銀行委員会で議会証言
13(木)米1月CPI、米上院でシェルトン、ウォラー両氏のFRB理事指名承認公聴会
14(金)独Q4GDP(速報値)、米1月小売売上高、米1月輸入物価、米中関税一部引き下げ
マーケットの焦点>
先週も新型ウィルス禍が市場の焦点で、感染被害の拡大が続いている。今朝の段階で感染者数39,000人、死者数902人といずれも2002-2003年のSars被害を上回っている。
特効薬開発の報道もあったがWHOは“未確認”としており、感染被害は27か国に上っている。
ただ先週のマーケットを見入ればNYダウ、ナスダック、S&P500ともに週中に史上高値を更新し、週末反落したものの前週末比では上昇しており、これは主要国の株価も同じ。
つまりリスクオフの動きはむしろ抑えられた格好だ。
発表された米1月雇用統計ではnfprが+22.5万人と予想を大きく上回ったが、失業率は3.6%と1ポイント悪化した。
ウィルス被害終息の目途が立てば急速にリスクオンとなるのであろうが、新薬開発の目途が立たない場合には、ウィルスが嫌う温度の上がる春先の自然終息まで待たなければならないことになる。
その間、中国経済の先行き不安や習体制に対する懸念などが高まり、中国不安、世界経済不安が拡大する事態となれば、世界の株価調整=急激なリスクオフとなる可能性があることには留意したい。
今週は新型ウィルス関連以外にパウエルFRB議長による年2回の上下院における「金融政策に関する議会証言」が注目される。先月末のFOMCでは新型ウィルスに対する強い懸念を述べていたが、議会証言でもこの懸念を繰り返せば、再び金融緩和の思惑も出てくるだろう。
また米経済指標では発表される1月CPIや小売売上高も注目したい。
また今週金曜日には米中通商第一段階合意に基づき一部の関税引き下げが実施される。
トランプ政権がウィルス被害救援姿勢(新薬開発協力や通商問題での歩み寄りなど)を示せば、市場は米中摩擦、ウィルス被害の両面からポジティブニュースとして受け止めるだろう。
ウィルス被害はまだ終息の目途が立たないが、<人類対ウィルス>の対決構造が明らかなだけへ、各国間の経済紛争・政治紛争・地政学的懸念より市場への影響はある程度予測し易いと言えるだろう。
筆者的にはいずれかの段階で市場は“終息に向けた動き”を織り込みにくると考える。
その時期は案外早いと楽観的に見ている。(この予測がはずれないことを祈る)
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―下値圧力徐々に吸収か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6662-0.6774 AUDYEN 72.50-74.39
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6800 AUDYEN 72.50-75.50
先週の豪ドルは新型ウィルス拡大懸念が強い中、金曜日には昨年10月の安値0.6671を抜く0.6661まで下落した。これは実にリーマンショック時の安値0.60081からの戻り局面である2009年3月以来の安値である。
対円でも昨年10月の安値71.84以来の安値72.41を付けた。
RBA理事会では一部予想された利下げはなく、一時67セント台後半、74円台前半まで反発したが買戻しは続かなかった。
RBA理事会では森林火災やウィルス禍は“一時的下振れ要因”とし、また金曜日の「四半期金融政策報告書」では2020年6月時のGDPを前回の2.5%から2.0%に、インフレ率を2%から1.75%に引き下げたが、それ以降は“据え置き”とした。
“政策効果の浸透には時間がかかる”(昨年の3回の利下げの効果)と述べ、また「干ばつや森林火災、新型ウィルスが足元の懸念材料だが、短期的な影響を除けば中期的な経済見通しは従来から大きく変化していない」と述べている。
RBAは足元の悪材料をあまり悲観視していないという印象だ。
発表された12月の住宅建設許可件数は前年比で+2.7%と久しぶりにプラスに転じる一方、貿易収支は+5.23bio、小売売上高は-0.5%といずれも予想を下回った。
豪ドルは引き続き新型ウィルスの被害動向を注視しながらの取引となり、足元のセンチメントは依然ベアと言わざるを得ないものの、大幅続落というよりは、むしろ徐々に底入れすると見ている。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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