「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
9 March 2020
◎<主なイベント>
3/9(月)日本Q4GDP改定値、日本2月景気ウオッチャー調査、日本2月企業倒産件数、独1月鉱工業生産
10(火)中国2月CPI/PPI、ミシガン州など6州で予備選(ミニスーパーチューズデー)
11(水)英国予算案発表、英1月鉱工業生産、米2月財政収支、米2月CPI
12(木)日本国内企業物価指数、Q1大企業景気判断、ラガルドECB総裁記者会見、米2月PPI
13(金)米2月輸入物価指数
◎マーケットの焦点>
新型ウィルス被害の拡大が止まらない。全世界で98か国、中国以外でも28,000人以上が罹患している。全世界では10万人を超す感染者となり、死者は3,400人を上回る。
先週火曜日には臨時FOMCが開催され50bpの緊急利下げが行われたが、これは同日開催のG7の協調体制に呼応したものであった。
前週NYダウは-1,190.95ptsの過去最大下げ幅を記録したが、G7臨時会議開催の報を受けて先週月曜日には+1.293.96の過去最大上げ幅を記録。しかしその後も世界中でウィルス感染被害止まらず、特に米国マンハッタンでも感染者が出るなど、カリフォルニア州、NY州、ワシントン州、メリーランド州で非常事態宣言が出て米国での被害拡大懸念が高まり、米株を押し下げた。
世界中の資金は安全資産米国債に集中し10年債利回りは過去最低の0.7%割れまで低下し、同様に金にも資金流入して一時1,700ドル台まで上昇。
係るリスク回避相場にあってドル円は先週高値108円台から、一時105円割れまで大幅下落。
本日のシドニー市場ではNYダウ、日経平均共に一時1,000ptsを超す下落を記録し、104円台前半で1円以上のギャップオープンしたドル円は一時103円台半ばまで急落して、現在104円台前半と不安定な動き。
2月の高値112円台から3週間足らずで9円弱の大幅下落となった。
今週も不安定な金融市場の動きが継続しそうだ。新型ウィルス感染拡大にピークアウトの目途が立たない限りリスクオフ相場が続く。更に他国のウィルス被害を”対岸の火事“と見ていた米国での感染拡大で、にわかに米経済への影響懸念が高まり、17/18のFOMCでは再び50bpの利下げを市場は既に織り込んでいる。
係る状況で日本は3月期末を迎えるが、収益悪化が予想される本邦企業は例年にも増して海外資金の還流(リパトリ)を活発化させることも予想され、「ドル安、円高」両面からドル円の下値テスト(場合によっては100円狙い)が予想される。
ただ係る株価の暴落、ドル円暴落はG7並びに政府日銀の危惧するところであり、国際協調的な株価暴落阻止、円高阻止の動きが活発化すれば、相場は”力の原理“で無理やり押し戻されるだろう。
過去に何度も見てきた図式であり相場の乱高下は必至であろう。
一旦ウィルス感染拡大が阻止、そして終息期待がでれば、相場は一気にドンデン返しとなるのだが、「もうはまだ也、まだはもう也」、、、難しい。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―依然として軟調地合継続。反発は調整止まりか?
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6489-0.6657 AUDYEN 69.58-71.54
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6450-0.6750 AUDYEN 66.50-71.50
先週の豪ドルはウィルス被害拡大への懸念が高まる中、ドル全面安地合を受けて対ドルでは66セント台を維持する一方、リスクオフの円買いの活発化で対円では70円割れに下落した。
今朝のシドニー市場ではドル円が1円超の「下窓」を開ける中、一時68円台半ばまで急落し、現在68円台後半といったところ。
先週RBAはG7臨時会議に先駆けて予想通り25bpの利下げを行った。
また発表された指標は、1月住宅建設許可が前月比-15.3%に再び悪化、Q4GDPは前年比+2.2%と予想値+2.0%を上回り、前回の+1.8%からは改善したが、Q4の数字はウィルス被害を反映していない。また1月貿易収支は5.2bioと黒字を維持したが、小売売上高は12月の-0.7%に続いて-0.3%と懸念が残る内容であった。
豪ドルは米ドル安(豪ドル高)とリスク回避(豪ドル安)の綱引きだが、対円では再び円高リスクが高まりつつあり、これも対ドルでの上値を重くする。
かつてほどの豪ドル投資は見る影もないが、3月の本邦期末を控えて豪ドル資産からのリパトリも予想され、これも豪ドル円の重石となりそうだ。
実際にリーマンショック時の安値55-60円を目指す動きとなるのか?
ウィルス感染終息の兆しが見えれば全ては一変するが、まだ道のりは遠そうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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