「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
16 March 2020
◎<主なイベント>
3/15(日)米国時間pm5:00 FRB緊急利下げ1%(1.00-1.25%→0.00-0.25%)
16(月)中国2月小売売上高・鉱工業生産、BOEベイリー氏就任、ユーロ圏財務相会合、サウジアラムコ決算、G7緊急テレビ会議
17(火)独3月ZEW景況感指数、米2月小売売上高、米1月求人件数、米大統領予備選(フロリダ州、イリノイ州)、EU財務相理事会
18(水)日本2月貿易収支、米2月住宅着工件数、ブラジル中銀理事会、FOMC
19(木)日本2月CPI、日銀会合、豪州2月雇用統計、中銀理事会(インドネシア、フィリピン、トルコ、南ア)、米2月景気先行指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
20(金)日本休場(春分の日)、米2月中古住宅販売、ロシア中銀理事会
◎マーケットの焦点>
週末に一気に状況が変化。
先週は新型ウィルス被害が拡大する中、主要国は緊急金融緩和・財政出動に乗り出したが、市場は不安と期待が錯綜し乱高下を繰り返した。
NYダウの動きは月曜日から-2,013→+1,167→-1,464→+2,352→+1,985で、結局前週終値25,864から2,679ポイント下げて23,185でクローズした。
一時0.50%を割り史上最低を付けた米10年債利回りは0.954%まで反発してクローズ。
週初104円台前半で「下窓」を開けてオープンしたドル円は、リスクオフのパニックで一旦101円台前半まで突っ込んだが、結局“リスクオフのドル買い”が活発化し108円台まで上昇して高値圏でクローズ。
27ドル台まで下落した原油価格も31ドル台に戻して引けた。
要は、先週は、パニック的な“リスクオフ”相場が乱高下を繰り返しながらも、主要国の金融・財政出動を背景にやや落ち着きを取り戻したという状況であった。
しかし週末に事態は更に進む。
コロナ被害は139か国に拡大し、パンデミックの中心は欧州に移行し、欧州各国の被害状況が急激に悪化した(欧州で4万人以上感染)。全世界で15万人以上が罹患し、死者数は5,500人の上回った。
米国など非常事態宣言した国・地域は15に及び、多くの国が入国制限・渡航制限・帰国後の自主隔離政策を発表した。
そして今朝、米国時間3/15 pm 5:00、米国は緊急FOMCを開催し1.00%の利下げを実施した(1.00-1.25%→0.00-0.25%)。事実上の「ゼロ金利政策復活」(4年3か月ぶり)であり、同時に量的緩和の再開も決定した。
ドル円はNY終値107.98から再びギャップオープンし(107.09オープン)一時105円台後半まで急落し106円台後半に戻すなど乱高下。NYダウ(オフショア)も1,000ドルを超えて下落しており、再びリスクオフ相場に逆戻りだ。
要はコロナ被害が更に拡大するとの悲観的見方の元、主要国の対ウィルス対策、金融・財政政策は「最悪の事態」を想定したドラスティックなものとなり、「不安が不安を呼ぶ」展開で、まるで世の中が破滅に向かっているような各国対応ということだ。今週はFOMCは日銀政策会合が予定されるが、FRBの緊急利下げに続き、先ほど日銀は金融政策会合の「本日前倒し実施」を発表した。
怖いのは感染拡大が止まらず、しかも各国の金融・財政政策の出尽くし感が強まる局面。何とか感染拡大に歯止めがかかることを祈るのみ!!
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―依然として下値リスク強い
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6123-0.6685 AUDYEN 64.35-69.17
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6000-0.6500 AUDYEN 62.00-68.00
先週の豪ドルは週初リスクオフの“フラッシュ・クラッシュ”が発生し、月曜日に63セント台、64円台まで暴落。
国際協調の金融緩和・財政出動の支援を好感して一旦下げ止まったが、結局世界経済先行き不安が高まった。
商品相場は大幅下落(CRB149台まで下落)し、豪ドルはリーマンショック時の安値60セント台に迫る61セント台前半、対円でも再び64台まで値を崩した。
今朝のシドニー市場では、米国の緊急利下げを受けて一旦63セント台、67円台まで反発したが、再び61セント台、65円台に急落するなど乱高下を演じている。
豪州政府も週末には入国者の14日間自主隔離を要請するなどコロナ感染に対する危機感が高まっている。
現在の各国の金融・財政面での緊急出動も市場に安心感を与えるよりは、むしろ先行き不安を増幅させている状況で、世界経済先行き不安が続く限り豪ドルの下値リスクは軽減されないだろう。
一旦コロナ感染拡大のピークアウトが確認されれば豪ドルも大きくリバウンドするだろうが、そこに至るまでは更なる下堀り(60セント割れ)の可能性があるだろう。3月期末を控えたリパトリ(円買い豪ドル売り)もストップロス的な豪ドル売りを誘発する可能性がある。
今週は2月の雇用統計が発表される。時々刻々自体が変化する中、過去の数字はもはや軽視されようが、失業率が前回の5.3%から更に悪化すれば、豪州経済先行き不安を助長することになるだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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