「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
11 May 2020
◎<主なイベント>
5/11(月)日銀主な意見(4/27政策会合分)
12(火)日本3月景気動向指数、4月NAB企業信頼感/景況感、中国4月CPI/PPI、米4月CPI
13(水)NZ準備銀行理事会、日本4月景気ウオッチャー調査/企業倒産件数、日本3月国際収支、5月WESTPAC消費者信頼感、英Q1GDP(速報値)、米4月PPI、OPEC月報、パウエル議長講演
14(木)豪州4月雇用統計、ECB経済月報、ベイリーBOE総裁講演、米失業保険申請件数
15(金)日本4月国内企業物価指数、中国4月小売売上高/鉱工業生産、独/ユーロ圏Q1GDP(速報値)、米4月小売売上高、NY連銀5月製造業景気指数
◎マーケットの焦点>
コロナウィルス被害は依然拡大を続け、今朝の段階で世界中の187ヵ国で感染者は410万人、死者は28万2千人に上る。
この内最大の被害国米国の感染者数は132万人を上回り、死者は7万9千人に達する。
日本の感染者数はじり高推移して1万5千人を上回る。
4月後半から日米欧主要国の中銀政策会合が開かれ、また先週も主要国の歴史上類を見ない経済指標の悪化が報告された。経済がストップしたのであるから当然と言えば当然の結果ではあるが。
各国の指標を見てもその優劣をつける意味をなさず、特に最大の経済大国である米国の被害が当然最大である。金曜日の4月雇用統計は失業率14.7%、nfpr
-2,050万人となったが、予想よりやや下回り、また平均時給の急上昇に対するポジティブな反応も見られた。サービス業の中には取引が急激に拡大する業種もあり、人材不足から平均時給が前月比+4.7%、前年比+7.9%にジャンプアップするなど、
”非常時経済“の特異性が垣間見られた。
週初は米中間のウィルス起源や米中貿易合意第一弾の履行を巡る対立が激化し、市場のリスクオフにつながったが、結局中国の研究所を起源とする決定的な証拠は出ず、また週後半には米中間の貿易担当者が経済協力で合意したことから市場に安心感が広がった。
またECBの量的緩和(QE)について独憲法裁判所が一部違憲と判断したことから今後のECBのQE政策を不安視する見方が台頭してユーロが下落する局面もあった。
週を通してはドル円が一時106円台を割るなど、円高、そしてユーロやポンドが反落、一方豪ドルやカナダドルなど資源通貨が反発するなど各通貨マチマチの動きとなった。
ただ上記米中間の紛争がやや鎮まりつつあることや、一時混乱に陥った原油の反発、更には欧米各国の経済再開の動きが期待感につながり、NYダウは24,000ドル台、日経平均は2万円台を回復するなど、総じて株価堅調・リスクオンの流れとなっている。
今週も経済再開への期待感がある一方、再開が新たなウィルス感染第二波につながるとの懸念や、冬季に向かうアフリカや南米での感染拡大懸念、更にはウィルス起源を巡る米中の対立の完全に収まったわけではなく、「不安と期待が錯綜する相場」が継続しそうだ。
日本に関しては緊急事態宣言の解除の行方や、国内主要企業の決算の内容に関心が集まるが、元々昨年後半の消費増税で景気が失速しているところにコロナ禍によるオリンピック延期や経済的ダメージが追い打ちをかけた。潜在的なPCR陽性数の大きさを懸念する声は強く、今後欧米諸国で経済再開となっても、日本経済の回復力には懐疑的な見方をせざるを得ない。
今後不幸なことに世界的に感染第二波が来れば、日本は再び大きな影響を受けるだろう。一方主要国の被害が終息に向かう場合も、日本だけが取り残される懸念がある。
ただその時リスクオフで円が買われるのか、本来の「日本売り・円売り」圧力が高まるのかは、今のところ定かではない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―足元堅調推移だが反落に注意
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6372-0.6548 AUDYEN 67.63-69.73
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6350-0.6650 AUDYEN 69.00-72.00
豪ドルは再び65セント台半ば、70円台前半と4月の高値まで上昇してきた。
主要国で経済再開期待が高まり、また懸念された米中摩擦(ウィルス起源及び貿易摩擦)もやや緩和に向かっていること、更には3月に大暴落した原油価格が再び24ドル台まで回復してきたことなどがサポート要因。
また国内的にはモリソン首相が3つのステップで経済を再開していく方針を明らかにしたことや、先週金曜日のRBA四半期金融政策報告書で、「雇用とインフレ率に改善が見られない限り政策金利は引き上げない」と述べ、同時に「来月に景気鈍化のピークが来る見通し、その後回復見通し」と述べたことより、今後の景気回復期待が高まった。
豪ドルは3月の暴落から反発に転じており、本格的に65セント台、70円台をブレイクして上昇トレンドに乗るか、あるいは再び高値圏から失速するかの”踊り場“に差し掛かっている。
今週はNAB企業信頼感/景況感、WESTPAC消費者信頼感、そして4月の雇用統計が発表される。極めて悪い数字が予想されるが、米国はじめ主要国の指標同様に反応は限定的だろう。
ただ、足元は景気回復に対する期待感が先行しており、状況によっては失望売りにつながる可能性にも留意したい。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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