「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
18 May 2020
◎<主なイベント>
5/18(月)日本Q1GDP(速報値)、WHO年次総会(テレビ会議方式)
19(火)RBA議事録、英4月失業率、独/ユーロZEW景況感指数、ロシアQ1GDP、EU財務相理事会、パウエル議長/ムニューシン財務長官上院銀行委員会で証言
20(水)英4月CPI、ユーロ圏5月消費者信頼感、FOMC議事録、ベイリーBOE総裁発言
21(木)日本4月貿易統計、英5月製造業PMI、トルコ中銀理事会、南ア中銀理事会、米4月景気先行指数、米5月フィラデルフィア連銀景況指数、米失業保険申請件数、パウエル議長挨拶
22(金)第13期中国全国人民代表大会(全人代)、日本4月CPI、英4月小売売上高、独/ユーロ圏5月製造業PMI、アルゼンチン債務再編案に関する期限、米債券市場短縮取引
◎マーケットの焦点>
コロナウィルス感染被害は依然拡大を続け、今朝の段階で世界中の188ヵ国で感染者は470万人、死者は31万4千人に上る。
最大の被害国米国の感染者数は148万人を上回り、死者は8万9千人に達する。
ロシアが2位28万人、またブラジルが4位23万人に急増しているのは不気味だ。日本の感染者数はじり高推移して1万6千人を上回る。
先週は米国はじめ主要国の株価はアップダウンしたが、結局前週末比では値を下げた。
原油価格は前週末の24ドル台から29ドル台に反発した。
またドルインデックスが再び100を超える一方、クロスでの円買いも見られて「ドル高・円高」になりつつある。
先週市場の特記事項は:
①対中緊張―米国がウィルス発症に関して中国を強く批判し、ファーウエへの制裁を強化し、これに対して中国は猛反発。トランプ大統領は「中国との全ての関係を断つこともできる」と強固姿勢だ。また豪州のモリソン首相が発症源を独自に調査すると発言したことに対して、中国は豪州の4つの食肉加工場からの輸入禁止を発表。更に米国やNZが今週始まるWHO年次総会への台湾のオブザーバー参加に賛成を表明し中国が反発している。
②5/5に独憲法裁判所がECBの公的セクター購入プログラム(PSPP)を一部違憲と判断した件について独とEUとの対立が続いている。
③英国のフロスト主席交渉官、バルニエEU主席交渉官共に貿易交渉の難航を表明し、一方ジョンソン首相は今回のコロナウィルス禍にもかかわらずEU離脱の期限延長を改めて否定。
④パウエル議長はマイナス金利の導入に否定的な姿勢を示し、これに対してトランプ大統領はマイナス金利を肯定する一方、「強いドルを持つには絶好の時期」と従来とは異なる見解を示した。
⑤日本では14日に39県への緊急非常事態が解除される一方8都道府県は継続と判断した。
今週は本日からWHOの年次総会(テレビ会議方式)が始まるが大揺れは必至だ。
台湾の総会へのオブザーバー参加問題や、WHOや中国のこれまでの新型コロナウィルス対応に対する評価も協議される模様。
米中の緊張関係が一段と高まり「新たな冷戦に拍車がかかる」との見方もある。
先週来欧米各国で経済再開の動きが見られるが、一方コロナウィルス感染拡大第二波への懸念も依然根強く、今週も好悪材料に市場は翻弄されそうだ。
市場は3月上旬にコロナウィルス・ショックの洗礼を受け、その後は概ね回復基調にあるが、このまま“平時のマーケットに移行する”と考えるのは時期尚早であろう。
今週はWHO総会以外にもパウエル議長やムニューシン財務長官の議会証言が予定されるし、引き続き大幅悪化が予想される主要国の4月・5月の経済指標も多く発表される。
つまり市場は依然として多くのリスク材料に包囲されている状況だが、このリスクオフの動きが「ドル買いと出るか?円買いと出るか?」。
上記欧州通貨(ユーロ、ポンド)安材料から現在ドル高地合となっているが、従来のドルインデックスの天井圏である100台を上抜くようであれば、ドル高に拍車がかかる状況も想定される。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―軟調地合継続か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6402-0.6561 AUDYEN 68.55-70.17
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6300-0.6500 AUDYEN 67.00-70.00
先週豪ドルは週初の高値圏、65セント台、70円台からじり安推移となった。
ドル高/欧州通貨軟調地合の影響を受け、また豪中のウィルス感染源調査を巡る対立から中国が豪州食肉輸出大手4社からの輸入を禁止したことも豪ドル売り材料視された。
先週発表された4月NAB企業景況感は過去最低となり、WESTPACの5月消費者信頼感は先月の過去最低の-17.7%から+16.4%にバウンスバックはしたが、指数は88.1と依然低迷。そして4月の雇用統計は就業者数-59.4万人、失業率6.2%と惨憺たる結果であったが、RBAは“6月が最悪”と予想している。
先週は豪州国内及び欧米各国の経済再開の動きを好感して豪ドルは4月の高値圏である65セント台、70円台を再度テストしたが再び跳ね返された形。
国内経済状況に加えて、コロナウィルス感染被害が対中関係悪化につながる可能性など含めて、豪ドルを取り巻く環境は依然として厳しく、上値抵抗線65セント台、70円台をブレイクするのはまだ先の話と言わざるを得ない。
ただ豪州の感染被害は取り敢えず収まりつつあり、経済再開への動きも徐々に見られることが豪ドルの下値をサポートすることが予想される。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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