「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
8 June 2020
◎<主なイベント>
6/8(月)豪州休場、日本Q1GDP(改定値)、5月企業倒産件数、5月景気ウオッチャー調査、ラガルドECB総裁欧州議会公聴会参加、世銀―世界経済見直しに関する報告書、NY市経済活動一部再開へ
9(火)5月NAB企業信頼感・景況感、日銀新型コロナウィルス感染対応の金融支援オペ、米4月求人件数、EU財務相理事会、OPEC総会
10(水)6月WESTPAC消費者信頼感、中国5月CPI・PPI、米5月CPI、FOMC、OECD経済見通し
11(木)ユーロ圏財務相会合、米5月PPI、米新規失業保険申請件数
12(金)5月米国輸入物価、6月ミシガン大学消費者信頼感マインド指数
◎マーケットの焦点>
コロナウィルス感染被害は依然拡大し、今朝の段階で世界中の188ヵ国で感染者は696万人(内回復者312万人)、死者は40万1千人に上る。
最大の被害国米国の感染者数は193万人を上回り、死者は11万人を超えた。
また2位ブラジルで感染者は67万2千人、死者は3万5千人を超えたが、政府は日々の被害状況の発表を中止し、回復者のみの報告とした。理由は各州知事が予算獲得のために被害の過大報告行っているというもの。
係る被害状況の拡大とは裏腹に、主要国経済再開の動きのよる景気回復期待は高く、先週は米国をはじめとして<株価上昇・ドル安のリスク選好相場>が更に進行した。
NYダウは27,000ドル台まで上昇し(史上高値は2月の29,568.57ドル)、NASDAQはついに9,845.69と日中の史上高値を更新した。
一方「ドル安・円安」が顕著に!
ユーロは1.13台、豪ドルは70セント台まで上昇し、ドル円も週初の107円台から上放れして110円目前まで上昇した。
発表された注目の米5月雇用統計は失業率が13.3%(予想19.5%、前回14.7%)、nfpr +250.9万人(予想-825万人、前回-2,106万人)と特に就業者数の予想とのギャップは説明が困難な大きさだ。
つまり米経済の回復速度は予想よりはるかに速いとの期待感が株価を押し上げリスクオンムードで1週間を締めくくった。
今週も米国サイドの材料が多い。米中対立や世界中で拡大する黒人差別デモ拡大の動き、またトランプ政権のそれらへの対応など。
週末中国は“新型コロナに関する初の白書”を公表し、その中でこれまでの対策を正当化し、初動の遅れや情報隠しが世界中の感染拡大を招いたという国際的批判に反論し、「中国に汚名を着せることや政治化に断固反対する」と暗にトランプ政権をけん制した。
トランプ政権の支持率が低下する中、同政権は次にどのような戦略に打って出るか?
また今週はFOMCが開催されるが、足元の緩和政策を堅持する一方、雇用をはじめとして景気回復に従来よりもポジティブな見方が示される可能性がある。
“超金融緩和下の景気回復期待”は市場に安心感を与え、株価にとって理想のパターンであり、今週も株価続伸の可能性がある。
欧州サイドでは今週ラガルドECB総裁が欧州議会公聴会参加するが、同総裁は総額7,500億ユーロに上る欧州復興ファンドウエルカムの立場である。
しかしEU内でも拠出の規模に比して受ける恩恵の少ない北欧中心の優等生国は依然難色を示しており、楽観は禁物であろう。
欧州各国の財政ポジションやユーロ圏の財政統一問題も背後にあるだけに、先週まで期待先行で買い戻されたユーロの反落を見る可能性があるだろう。
独憲法裁のECBによるQE一部違憲判断もまだ決着を見ていない。
先週ドルインデックスは5月高値100台から96台まで下落したが、今年の安値圏接近で下値抵抗感も強まるだろう。
係る状況下でリスクオンの動きが継続すればドル円は節目である110円をブレイクする可能性があるだろう。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―依然堅調だが徐々に高値警戒感も
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6653-0.7013 AUDYEN 71.63-76.74
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.7100 AUDYEN 75.00-78.00
先週の豪ドルは大きく上伸後69セント台、76円台で高止まりと、筆者の予想した“反落”とは程遠い展開となった。
国内経済が徐々に再開される中、世界的な株価上昇・リスク選好の動きが商品相場高となり、資源通貨豪ドルの買い戻しが活発化した。
豪中摩擦や豪州が29年ぶりにリセッション(2期連続のマイナス成長)入りする可能性が高いが、ネガティブサイドは完全に無視された形。
発表されたQ1GDPは前期比-0.3%(予想-0.4%、前回+0.5%)、前年比+1.4%(予想+1.4%、前回+2.2%)と予想の範囲内であったが、Q2は過去最悪となり、リセッション入りは既成の事実である。
また4月小売売上高(確報値)は-17.7%と過去最悪を記録したが、一方中国からの輸入規制前の4月貿易収支は+8.8bio豪ドルと40カ月連続の黒字を記録した。
RBA理事会では予想通りに政策金利は据え置き(0.25%)される一方、声明文では「雇用やインフレのターゲットに達するまで低金利維持、必要とあれば量的緩和拡大」と述べて市場に安心感を与えた。
豪ドルは”期待先行“で買い戻されて、70セント、76円台と3月暴落前の水準を回復した形だ。
ただ、市場の買いポジションもかなり溜まっており(RSIは80%超え!)、むしろ世界的な第二波の可能性や、豪中摩擦など、不安材料がぶり返す可能性にも留意したい。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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