「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
13 July 2020
◎<主なイベント>
7/13(月)米6月財政収支、ベイリーBOE総裁オンライン公園
14(火)NAB6月企業信頼感・景況感、中国6月貿易収支、独7月ZEW景況感指数、米6月CPI、OPECプラス会合
15(水)7月WESTPAC消費者信頼感、米地区連銀報告、カナダ中銀理事会
16(木)豪州6月雇用統計、中国Q2GDP/6月小売売上高・鉱工業生産、英6月失業率、ECB理事会、米6月小売売上高、米新規失業保険申請件数
17(金)米6月住宅着工件数/建設許可件数、ベイリーBOE総裁オンライン講演、臨時EU首脳会議
◎マーケットの焦点>
感染者被害は世界中で13百万人が目前であり、死者数は56万人に達するなど依然全く衰えておらず、先週7/9には世界の1日の感染者数が22万7千人と過去最多を記録した。特に北米・中南米諸国の感染者数順位は米国1位、ブラジル2位、ペルー5位、チリ6位、メキシコ7位と圧倒的に多い。
南米に加えて南アでも世界第9位に急増するなど、冬季に向かう南半球で急増しており、当初の危惧が当たっていると言えるだろう。
正に感染第二波あるいは新規感染の急増を危惧しつつも、世界各国で経済活動を再開せざるを得ないというジレンマが続く。
「働かなければ食っていけない」という事実は一個人から世界経済にまで当てはまるということか?
係る感染拡大と経済再開という根本問題に加えて、コロナ禍に派生する中国問題、そしてEU復興基金問題、更にトランプ大統領の言動への非難の高まり、Brexitなど、不確定要因が目白押しだ。
世界経済は3月、4月のボトムから回復基調にあるが、今後感染第二波や新たな感染拡大懸念が高まれば、再び主要国経済のロックダウン危機が訪れる可能性があるだろう。
また今週は日銀政策会合、カナダ中銀理事会、ECB理事会が開催される。足元の慎重スタンス継続は既成の事実化しているが、更に一歩進んだ緩和深堀がされるか?特に7/17-18には臨時EU首脳会議が招集されEU復興基金問題が議論されるが、係る域内の財政問題は今後のECBの金融政策にも大きく関わるものであり、その結果が注目される。先週EU復興基金に異論を唱えるオランダなどが後押ししたアイルランドのドナフュー財務相がユーログループ新議長に就任したことより、復興基金成立への悲観的見方も根強い。
コロナウィルスの収束いかんが全てのキャスティングボードを握っているとは言うものの、先週も結果的に主要国の株価堅調(ナスダックは史上高値更新)で市場では“リスクオンのドル売り”が顕著となった。
ただ上述のようにコロナ禍は更に拡大しており、米国経済の再度のロックダウンなど実施されれば市場のリスク許容度は一気に低下し、大規模リスクオフとなればドル買い需要が復活するだろう。
加えて欧州通貨や円の持つ潜在的な脆弱性(従来から指摘している通り)を勘案すれば、足元のドル軟調地合が大きくリバースされる可能性が高いと考える。
なお、「トランプ再選が危うくなれば株安・ドル売り」との見方もあるが、そもそも株高とトランプ政権の相関性はない(たまたま結果的に株高になっている)し、そもそもドル高に作用した事実もない。トランプ再選不能となれば一時的にサプライズのドル売りに反応しても、トランプ氏の存在自体ドルや株価の根本的価値に何ら影響を与えるものではない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―依然揉み合い
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6922-0.7001 AUDYEN 73.98-75.16
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.7050 AUDYEN 72.50-75.50
先週豪ドルは欧州通貨のアップダウンにフォローして69セント台、74円台中心の揉み合いとなった。6月以降の高値圏、70セント台、75円台では依然売り圧力が強まる展開だ。
株価堅調によるリスク選好地合と国内経済再開期待が下値をサポートしたが、一方豪中摩擦やビクトリア州での再度のロックダウンが懸念材料視された。
今週は豪州国内指標として6月NAB企業信頼感・景況感、7月WESTPAC消費者信頼感、6月雇用統計が発表されるがいずれも前回からのリバウンドが予想される。
また注目の中国Q2GDPは前回の-6.8%から+2,5%への回復予想となっている。
上記主要通貨の項目で述べたように、コロナ禍、世界経済共に先行き不透明感ぬぐえず、加えて国内要因でも好悪材料綱引き状態であり、豪ドルも足元のレンジ取引をもうしばらく続けざるを得ないだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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