「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
3 August 2020
◎<主なイベント>
8/3(月)日本Q1GDP(改定値)、中国7月財新製造業PMI、米7月自動車販売、米7月ISM製造業景況指数、シカゴ/セントルイス連銀総裁講演
4(火)RBA理事会、豪州6月小売売上高・貿易収支、米6月製造業受注
5(水)中国7月財新サービス業PMI、米7月ADP雇用者数、米7月ISM非製造業景況指数、ブラジル中銀理事会、黒田総裁―イエレン前FRB議長withコロナ時代の中央銀行について講演、クリーブランド連銀総裁講演
6(木)インド中銀理事会、ベイリーBOE総裁記者会見、新規失業保険申請件数、ダラス連銀総裁講演
7(金)RBA四半期金融政策報告書、日本6月景気動向指数、中国7月貿易収支、米7月雇用統計
◎マーケットの焦点>
先週は世界のコロナウィルス感染者被害が拡大する中、徐々にリスク回避色が強くなり、加えて米国の景気減速懸念が強まって米国はじめ主要国の株価は軟調推移した。この中でいち早く景気回復期待が強まる中国の上海総合指数は上昇している。
係るリスクオフの動きプラス米経済懸念のより米ドルが続落し、ドルインデックスは一時2018年5月以来の92台まで下落し、ユーロは、1.19台、ポンド1.31台に上昇し、ドル円も104円台前半まで大幅下落した。
ただ月末・週末にかけては、さすがにドル下落の過熱感から、ユーロ1.17台、ポンド1.30台に下落し、ドル円は一時106円台まで反発して越週した。
今週から北半球の夏季休暇シーズンとなるが、今年は前代未聞のwithコロナ相場であり、例年通りの夏枯れ相場となるのか?予想が困難である。今後の世界経済、そして市場動向を左右するコロナウィルスの病理面で未だ不透明感が増幅するばかりなのだ。
感染拡大が全く収まらず世界の感染者が18百万人に、死者数が70万人迫る状況だが、一方各国のワクチン開発では最終段階に達しているものもあり、早ければ年内開発成功の可能性に大きな期待が集まる。
係る状況下7月は「リスクオフのドル買い、リスクオンのドル売り」というコロナ下での“新たな方程式”が確認できたが、この動きが一巡すると、月末にかけては再び最大被害国米国経済への先行き不安によるドル売りが強まった。
依然非常に慎重姿勢なFOMCと7月米雇用統計の史上最悪な結果は事前予想通りとは言うものの、改めてドル売りを継続するには十分な材料であった。
特に顕著であったドル安/ユーロ高の動きは正に欧米2局における“コロナ格差”に比例した動きでもあった。
ただ、月末・週末の重なった先週金曜日にドルは下に突っ込んだ後、さすがに行き過ぎたドル売り過熱感の調整が入り、久しぶりに調整反発を見た。
果たしてこのドルの反発一時的か?市場に蔓延する見方、「ドル安の大きな流れは変わらない」が正しいのか?
筆者は1カ月以上にわたって「ドル売られ過ぎ」を指摘しているが、その根拠は
①ワクチン開発の成功に近づけば、コロナ最大被害国米国が最大の恩恵を受け、攻守逆転する可能性があること。
②7月の1.11台から1.19台までのユーロの反発は、独連銀によるECBのQE参加が一応容認されたこと及び、EU復興基金が曲がりなりにも承認されたこと、更に欧米コロナ格差が理由である。ただEU内の財務事情や復興基金の今後のファイナンス法についての各国の意見相違は依然続くし、再び不協和音が表面化する可能性が強い。加えて2017-2018年のユーロ2,200ポイント上昇の原動力であった「ECBのQE終了とFRBの利上げ終了観測」、つまり欧米真逆の金融政策についても、今回は同方向(金融緩和維持)であり、今回の1000ポイントを上回るユーロ上昇は行き過ぎであり、いずれリバース(逆戻り)されると考える。
先週末のドルの反発が“取るに足りない調整”であったのか?
今週にもその結果が現れるだろう。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―徐々に上値重い展開
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7085-0.7227 AUDYEN 74.82-75.92
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7150 AUDYEN 73.50-76.50
先週の豪ドルはユーロの続伸にフォローして一時昨年1月以来の72セント台前半に上昇した後、71セント台前半に反落。対円ではドル円の反発と豪ドルの反落が相殺し合って75円台中心の揉み合いとなった。
今週は毎月恒例の“月初豪州週間”で、RBA理事会はじめ数々の6月月次指標(小売売上高や貿易収支)に加えて金曜日にはRBAの“四半期金融政策報告書”も発表される。
コロナ禍による豪州の経済指標は4月に急激に悪化した後、5月から回復フェーズに入っており、今週発表される6月指標も総じて堅調だろう。
ただ7月に入って再びビクトリア州中心に第二波による感染拡大が続いており、足元の景気に対する懸念も高まっていることは留意すべき。
今週のRBA理事会や金曜日に発表されるRBAの“四半期金融政策報告書”も当然慎重なものとなるだろう。
加えて豪中関係は中国の南シナ海での活動活発化に伴い、更に悪化しつつある。
先週見られたドル反発が今週も継続するようであれば、豪ドルの上値が抑えられる展開が予想される。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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