at_money_service
マネー

今週の相場見通しby Joe (10 August 2020)

10 August 2020

◎<主なイベント>

8/10(月)山の日(東京休場)、中国7月CPI/PPI、米6月求人件数
11(火)日本6月国際収支、日本7月景気ウオッチャー調査、英7月失業率、独8月ZEW景況感指数、米7月PPI、SF連銀総裁講演
12(水)NZ準備銀行理事会、英Q2GDP、米7月財政収支、米7月CPI、地区連銀総裁講演(ダラス、ボストン、SF)
13(木)豪州7月雇用統計、米7月輸入物価指数、新規失業保険申請件数
14(金)香港Q2GDP、中国7月小売売上高・鉱工業生産、米7月小売売上高

◎マーケットの焦点>

世界のコロナウィルス感染者被害は2千万人に迫りつつあり、死者数は70万人を超えた。米国の感染は5百万人に達し、死者は16万人を上回る。
ワクチン開発成功への期待は高まるが未だ成功の報は得られない。
先週も係るコロナウィルス被害拡大に反して、主要国の株価上昇でリスク選好地合が継続した。NASDAQは1万1千ドル台に連日史上高値を更新した。
この株価堅調・リスクオン地合の中、ドル安と円安が同時進行する局面となった。
金曜日の米7月雇用統計はnfprが+176.3万人(予想167.5万)、失業率が10.2%(予想10.5%)といずれも予想を上回り週末にかけては、さすがにドル買い戻しの動きも見られた。
結局ユーロは週中高値1.19台から1.17台に下落し、ドル円は105円台から一時106円台前半に反発した。
今週本邦はコロナ禍の中お盆休暇シーズンとなり、例年より経済活動は更に抑圧されそうだ。ドル円の需給面では夏季休暇中の本邦輸出筋の輸出予約オーダーがドル円の上値を押させる一方、セブン&アイホールディングスの2兆円規模の米大手コンビニ「スピードウエイ」買収に関わるドル買い需要などの思惑などがドル円の下値をサポートしそうだ。
コロナウィルス第二波懸念が強い中、米景気回復が遅れるためFRBの超緩和政策が長期化するとの見通しが足元の米ドル軟調地合の背景と言えるだろう。
また米中摩擦の激化や米大統領選を巡る混とんとした状況をドル売り材料とする向きもある。ただそれらを材料とした市場のドル売りポジションの積み上がりも進んでおり、むしろ現在顕著であるリスクオンの動きに水を差すような事態となれば、ドル買い戻しの動きが活発化する可能性も否定できない。
リスクオフ材料としては、米中関係の悪化や新興国懸念が考えられる。
ウィルス感染拡大を受けた経済への打撃で南アランドやトルコリラの下落が顕著だが、南米諸国への感染拡大は危機的状況であり、係る新興国懸念がクローズアップされれば、「リスクオフのドルの買い戻し」が活発化する可能性があるだろう。
またここまで上昇基調であったユーロやポンドもそろそろ息切れする可能性が指摘される。
ユーロについては漸く市場もユーロ高の弊害を指摘し出したが、1.20を超えるレベルではECBのユーロ高けん制が予想される。
また今週発表される英国のQ2GDPは-20.5%と過去最低となる予想だが、これはスペインの-18.5%を抜いて欧州でも最低レベルであり、コロナウィルス被害の大きさ(特に死者数は世界第3位)と併せて、今後のEUとの貿易交渉の状況次第ではポンド調整売りが予想される。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―売り買い交錯

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7076-0.7243 AUDYEN 75.10-76.44
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6950-0.7250 AUDYEN 74.50-77.50

豪ドルはドル安地合の中先週72セント台半ば、76円台半ばまで上昇したが、金曜日に発表されたRBAの「四半期金融政策報告書」で予想通りRBAが慎重な緩和姿勢の継続を示したことから、上値が重くなり71セント台半ば、75円台半ばまで反落した。
RBAの慎重姿勢の背景にはビクトリア州の感染第二波が今後他州にも影響するとの懸念があるようだ。
8月に入ってからの商品相場の上昇や株価堅調地合も豪ドル押し目買いを誘っていることは確かであるが、72セント台,76円台という従来からのレジスタンスレベルを上抜くには“ドルの続落”が必要条件であろう。

 

―読者各位―

◎小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る!」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトFOOMII社」からお届けしています。
6月、7月と実施しました「メルマガ無料体験」も多くのご参加を頂きました。今後ともよろしくお願いいたします。(詳しくはFOOMII社のサイト:https://foomii.com/magazines/をご覧ください。
◎ジョーのTWITTERフォローしてください!!
@joetsudaFX
 です。相場の話など意見交換しましょう!!

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら