「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
17 August 2020
◎<主なイベント>
8/17(月)日本Q2GDP(速報値)、米6月対米証券投資、8月NY連銀製造業景気指数、民主党全国大会
18(火)米7月住宅着工件数、OPECプラス主要閣僚オンライン会合
19(水)英7月CPI、FOMC議事録、ハリス氏民主党副大統領候補指名受諾演説
20(木)トルコ中銀理事会、米7月景気先行指数、新規失業保険申請件数、バイデン氏民主党大統領候補指名受諾演説
121(金)日本7月CPI、独/ユーロ圏8月製造業PMI、米8月製造業PMI(速報値)、米7月住宅販売件数
◎マーケットの焦点>
先週も基本的に米国はじめ主要国の株価は上昇し、リスク選好地合いとなって、ドルは「リスクオンのドル売り」という、あまり筆者が認めていないオペレーションとなった。
後付けのドル売り理由として、バイデン氏が53%-42%でトランプをリードしていることか?米中貿易合意の6カ月憲章が延期されたためか?トランプが中国に安全保障を脅かすとの理由でTilTokの米事業を90日以内に売却するよう命じたためか?トランプは大統領選が近づく中、選挙戦略として中国を対立軸・敵国と位置付けて徹底的に攻撃するだろう。何と言っても中国はコロナ禍を仕掛けて(中国が発症地の場合だが)米国を最大の被害国にし、自身の再選シナリオをめちゃくちゃにした憎い敵なのである。
一方習政権は期限に全く追われることなく、米国の制裁には報復措置を取って粘り強く、少なくても大統領選の結果が出るまでは忍耐強く行くだろう。
仮にバイデンが勝ったにしても、民主党も対中国ではある程度の強固策をとるだろうが。
ユーロは押し目買いが入り徐々1.16台、1,17台と底上げしているが、スペインや仏で感染第二波懸念で規制が再強化されるなど、コロナ格差で圧倒的に米国より優位に立っていた欧州にコロナの揺り戻しが入る可能性がある。
コロナ収束、景気回復期待を先取りした形のユーロ買いに調整が入る可能性があるだろう。実際景気やアセット価格への悪影響からECBは1.20を超えるユーロ高を許容しないと考える。
「円は安全通貨たりうるか??」
一方本日発表された日本のQ2GDP-27.8%(予想-26.9%、前回-2.2%、前期比年率)と戦後最悪を記録した。7/30に政府が認定したように、2012年に始まる日本の景気拡大は2018年10月に終了し、以後景気後退局面に入っている事実が今回のコロナ禍で確認できる。つまり主要国に対して比較的軽微なコロナの被害にもかかわらず景況感の悪さは欧米に劣らない。加えて先週発表された6月経常黒字の大幅減少の貿易赤字の恒常化。加えて日本が30年間誇ってきた(?)低金利は万国共通となりつつある。つまり「経常黒字と低金利」という安全通貨の特性をもはや円は持ち合わせていない。
市場はトランプ劣勢を既に織り込んでいる。仮に今後劣勢を覆すような可能性が浮上すれば、サプライズのドル買いに市場が反応してもおかしくない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―売り買い交錯
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7109-0.7196 AUDYEN 75.74-76.71
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6950-0.7250 AUDYEN 74.50-77.50
豪ドルは3月のコロナパニックで55セント台(2002年10月以来の安値)、60円割れ(2009年2月以来の安値)に暴落した後は、ここまで右肩上がりに上昇している。
特に6月以降、従来の強いレジスタンスであった70セント台、75円台という節目を上抜いてきた。ドル安地合が最大の豪ドルサポート要因(豪ドルは米ドルの受け皿)であるが、コロナウィルス禍にあっても感染収束期待の元、世界経済が再開し、世界的に株価堅調・商品相場回復のリスクオン地合になったことが豪ドルをサポートした。
ただ豪ドル底入れ後半年近くを経過し、いくつかの懸念材料が豪ドルの続伸を阻んでいる。つまり国内感染第二波懸念と、豪中対立に解決の目途が立たないことだ。
特に豪中摩擦はモリソン首相の「感染源独自調査発言」と中国の報復・警告措置としての牛肉・大麦の輸入制限に始まり、香港問題、南シナ海での領海問題などことごとく衝突してきた。
中国経済がいち早く立ち直ったことは世界経済や商品相場にとって朗報ではあるが、対立解決の糸口が見つけられない現状、中国経済回復の恩恵に預かれない状況だ。
豪州は中国が最大貿易相手国であると同時に安全保障上は米国の同盟国の一員という複雑な国際関係にある。
ただ基本的にはコロナウィルスの収束の目途が立つかどうかが今後の豪ドル相場を決定する。いずれ収束するのであろうが、それまでは今年の高値圏72セント台、76円台が引き続きレジスタンスとなるだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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