「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
7 September 2020
◎<主なイベント>
9/7(月)日本7月景気動向指数、中国8月貿易収支、米国レーバーデー休場
8(火)8月NAB企業信頼感/景況感、自民党総裁選公示、日本Q2GDP(改定値)、日本8月景気ウオッチャー調査、南アG2GDP、ユーロ圏Q2GDP(確報値)
9(水)9月WESTPAC消費者信頼感、中国8月CPI・PPI、米7月求人件数
10(木)ECB理事会、米8月PPI、新規失業保険申請件数
11(金)日本8月企業物価指数、米8月CPI、ユーロ圏財務相会合、EU財務相非公式理事会、米8月財政収支
◎マーケットの焦点>
世界の新型コロナウィルス感染者数は27百万人に迫り(内18.0百万人が回復)、死者数は88.1万人に達している。
米国の感染者数は6百万人を超し、死者は18.8万人と20万人が迫ってきた。インド、ロシア、南ア以外は中南米諸国の感染者増加が顕著だ。
係る中、米国ではワクチン3種類の最終治験が始まっているが、バイデン民主党候補が「トランプ政権は初期対応に失敗した」とトランプ大統領を攻撃する一方、トランプ大統領は「11/3の大統領選前にワクチン実用化の可能性がある」と反撃している。ワクチンの認可権を持つ米食品医療品局(FDA)が「正式な認可とは別に緊急の使用認可がありうる」と述べるなど、ワクチン開発に米大統領選を絡めた政治的思惑が見え隠れし、大統領選に向けて両陣営のワクチンを巡る攻防が続く見込みである。もっとも実際の「ワクチン完成」が最重要課題であることに変わりはない。
先週は主要国の株価が調整反落し、一方8月以来下落してきたドルが対ユーロや円で反発した。
株価に対する高値警戒感は今始まったわけではないがナスダックも連日史上高値を更新し、先週はIT関連株に利益確定の売りが活発化した。
ただ“上昇局面における調整の範囲内”との見方が依然優勢だ。
ユーロは1.20を付けてさすがに達成感出始めたところに、レーンECB専務理事兼チーフエコノミストの「ECBは為替レートを目標にしていないが、ユーロドルのレートは重要問題」と発言し、ユーロ高けん制と市場は受け取った。
レーン専務理事は、ECBの経済見通しについてECB全体に影響力を与える立場にあることから、その発言はECBの意見を反映したものと考えられる。
一方発表された米8月の失業率は前回の10.2%から8.4%(予想9.8%)に大幅低下し、発表直後ドル買戻しが活発化したが、パウエル議長は「8月の雇用統計は良い結果だったが、活動を支援するため長期にわたる低金利が必要と考える」と改めて慎重姿勢を強調し、米金利先高観が強まる事態にはならなかった。
今週は10日にECB理事会が開催され、また来週9/15-16にはFOMCが開催される。
ECB理事会では緩和拡大に踏み切るとの思惑が依然あり、たとえ足元の緩和策の現状維持となったにせよ、ユーロ高の物価押し下げ効果などを受けてインフレ見通しが下方修正される可能性も強く、レーン専務理事に続いてラガルド総裁もユーロ高に警戒感を示す可能性があるだろう。
一方15/16日のFOMCにおいてもフォワードガイダンスの強化や量的緩和策の拡大について議論される可能性があり、欧米両中銀ともに慎重姿勢が予想される。
ただ時系列及びここまでユーロ高が進行してきた状況を勘案すると、ECB理事会前後に向けてユーロの更なる調整反落の可能性があるだろう。9/1付のIMM通貨先物ポジションではさすがに史上最大レベルに膨れ上がったユーロ買いポジションを減らす動きが見られた。
一方先週の安倍首相辞任発表はアベノミクスの終焉として一時株安/円買い圧力の高まりを見たが、後任で有力視される菅官房長官はアベノミクス継承を唱えていることもドル円買戻しを誘った。米国はじめ株価が調整反落地合であり相変わらず“リスクオフの円買い”も根強いことからドル円の上値も依然重いが、そのそも自説として「安全資産“円”神話」に疑問を投げかけていることはご承知いただいていることと思う。9月“秋の陣”に向けて「通貨の不美人投票」が活発化し、ドルの相対的地位が向上するとの考えを依然変えていない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―下値は押し目買いサポートで底堅い展開
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7222-0.7413 AUDYEN 76.77-78.45
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7400 AUDYEN 76.00-79.00
先週の豪ドルは、予想通り高値74セント台前半、78円台半ばをテストした後、72セント台前半、76円台後半まで反落した。
ドル高に加えて、原油など商品相場の反落や、豪中摩擦も嫌気された格好だ。
ただ安値を付けた後、再び72セント台後半、77円台半ばまで半値戻ししており、基本的な堅調地合は変わっていない。
今週は8月のNAB企業信頼感/景況感や9月のWESTPAC消費者信頼感が発表されるが、ビクトリア州の感染拡大も収束に向かっており、両センチメント系指数が前回の下落からある程度の回復を示すか注目される。
豪ドルは8月後半までリスクオンの動きやドル安進行を受けて高値をテストした。
ただ先週は調整反落を見ており、暫くは戻り売りと新たな買い意欲が交錯する展開となりそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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