「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
14 September 2020
◎<主なイベント>
9/14(月)自民党総裁選投開票、OPEC月報、EU中国首脳会議
15(火)中国8月小売売上高・鉱工業生産、独9月ZEW景況感指数、第75回国連総会(~30日)、9月NY連銀製造業景気指数、米8月鉱工業生産
16(水)臨時国会召集・首相指名選挙、英8月CPI・PPI、米8月小売売上高、フォンデアライエン欧州委員長施政方針演説、FOMC・経済予測公表、OPEC経済見通し中間報告
17(木)日銀会合、豪州8月雇用統計、NZQ2GDP、BOE理事会、南ア政策金利、米8月住宅着工件数、米新規失業保険申請件数
18(金)日本8月CPI、米8月景気先行指数、9月ミシガン大学消費者信頼感、ロシア政策金利
◎マーケットの焦点>
世界の新型コロナウィルス感染者数は29百万人に迫り(内19.0百万人が回復)、死者数は92.1万人に達している。
1週間に約100万人の新規感染者が増加しており、来週には感染者総数が3,000万人に達するだろう。また世界の死者数は1週間で約4万人増えており、2週間後に死者総数は100万人に達すると予想される。
要はワクチン開発に成功しない限り感染拡大は止まらないという状況に変わりない。
先週は感染拡大懸念やBrexit交渉の難航、米中摩擦激化などから市場のリスク回避ムード高まり、ナスダックが一時10%下落するなど株価が調整される一方、ドル高・円高のリスクオフ地合となった。
9日にジョンソン首相は交渉デッドラインの10/15への前倒しと、離脱合意の修正が必要となる可能性がある国内法を提出する意向を示し、これにEU側は強く反対し、国内法については月内に撤廃を求めた。
Brexit交渉の難航を嫌気してポンドは一時1.27台半ばに下落。
一方注目のECBを控えて「ECBはユーロ高に過剰に反応する必要なないと合意」と報じられてユーロは1.19台に反発したが、ラガルド総裁が「ECBはユーロ高について議論、ユーロ相場を注意深く監視、ユーロ相場はインフレ下押し圧力」などと述べたこともあり、1.18台前半に反落するなど神経質な動き。
また中国政府は米国政府が中国の外交官らに新たな制約を課すと発表したことに対して米外交官らに“報復的な制約を導入する”と発表するなど、相変わらず対立が収まらない。
市場を取り巻く環境は依然複雑なリスク要因が多いが、係る中今週はFOMC、日銀会合、BOE理事会、南アやロシア中銀理事会など多くの中銀政策会合が開かれる。
各国中銀ともに緩和姿勢を堅持するだろうが、特に注目されるのはFOMC。
8月末のジャクソンオール経済フォーラムでパウエル議長は「FRBが臨時会合を招集して緩和策の長期化に対する対応を協議した」旨述べて、結果としてインフレ率2%を上回る状況を許容する緩和姿勢を示し、ドル売りを誘った。
今回のFOMCでは新たなFRBのフォワードガイダンス強化(つまり緩和強化)が見られるか、あるいは経済予測において、9月からは2023年の予測が加わるが、2022年末までゼロ金利との予測が、2023年末でどのように変化するか?(上昇予想となるか?)が注目ポイントだろう。
またBrexit交渉では英国が一方的に交渉期限の10/15への前倒しや交渉条件の変更を伴う可能性がある法改正を持ち出しているが、今週もポンドは英国・EU両サイドからの発言を受けて振らされる展開だろう。
史上最大に膨れ上がったシカゴIMM通貨先物市場のユーロ買いポジションは前週に若干減少したが、先週時点では減少しておらず、依然巨額の買いポジションを抱えている。今週もユーロは“高値圏での波乱”が予想される。
本日実施される自民党総裁選では菅氏が圧倒的優勢で選出される運びであるが、円相場に大きな影響はないだろう。現在円はリスク回避と選好の狭間で対ユーロやポンド取引のヘッジ通貨としての役割に止まっており、上下に動きづらい状況だ。
貿易収支が均衡点に近く円の需給バランスが大きく傾いていない現状、ドル円が上下に放れるには、ドルや欧州通貨の方向性が出てきてからであろう。
つまり円自体の方向性は依然として不透明と言わざるを得ない。
“安全通貨円神話”の崩壊はまだ先の話のようだ。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―売り買い交錯
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7192-0.7324 AUDYEN 76.11-77.73
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7400 AUDYEN 76.00-79.00
先週の豪ドルは欧州通貨の反落にフォローしたが、下値も72セント割れ、76円台前半と限定的で、むしろ週末に向けてはやや堅調地合を取り戻した。
ビクトリア州の感染拡大が収束に向かっていることも下げ止まりの原因と言えるだろう。
8月以降の豪ドルはアップダウンしながら緩やかな上昇トレンドを築いており、足元の72セント台後半、77円台前半は8月以降のムービングレンジの高値安値の中間値のやや上に位置する、
年末に向けてコロナワクチン開発の進展など、ポジティブなニュースが期待されるが、豪中摩擦や世界経済への不透明感などの不安材料も多く、行き過ぎた楽観論は禁物であろう。
今週発表される8月の雇用統計の事前予想はビクトリア州での感染再拡大の影響もあり、失業率7.7%(前回7.5%)、就業者数-4万人(前回+11.47万人)と再び悪化予想となっているが、ある程度の悪化は市場織り込み済であろう。むしろ今後の景気回復度が問題となる。
豪ドルは足元下げも一服だが依然悪材料もあり、売り買い交錯が暫く続きそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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