「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
21 September 2020
◎<主なイベント>
9/21(月)日本休場(敬老の日)、ラガルドECB総裁発言、米Q2家計純資産、ブレイナードFRB理事バーチャルイベント参加
22(火)日本休場(秋分の日)、9月ユーロ圏消費者信頼感、米テスライベント開催、ベイリーBOE総裁ウエブ講演、国連総会一般討論演説
23(水)NZ準備銀行理事会、独・ユーロ圏9月製造業PMI、パウエル議長Cares法(コロナウィルス支援・救済・経済保障法)について下院金融サービス委員会で証言
24(木)月例経済報告、日銀議事録、トルコ中銀理事会、独9月ifo景況感指数、ECB経済報告、EU臨時首脳会議(~25日)、ベイリーBOE総裁ウエブ講演、米新規失業保険申請件数
25(金)英9月GFK消費者信頼感、米9月耐久財受注、ウィリアムズNY連銀総裁講演
◎マーケットの焦点>
世界の新型コロナウィルス感染者数は3千万人を越して30.9百万人に上り(内21.1百万人が回復)、死者数は95.9万人と100万人が目前だ。
トランプ大統領は大統領選前のワクチン完成をぶち上げているが、果たしてどこまで本当か?
米大統領選が迫るにつれて米中摩擦の激化や、バイデン候補との非難の応酬は激しさを増している。米司法当局は中国人ハッカー5人を起訴し、またロス商務長官はTikTokの売却が成立しない場合11/12に閉鎖する旨発表した。
トランプ大統領は「バイデン氏が勝利すれば中国の勝ちだ」と述べてバイデン氏に親中レッテルを貼る作戦のようだ。
Brexit関連では先日ジョンソン首相が交渉期限の10/15への前倒しやEU離脱協定に違反する恐れのある国内市場法案を議会に提出し、英下院は同法案の基本方針を賛成多数で承認した。貿易交渉は漁業権や助成金を含む重要分野でなお大きな隔たりがあり、依然としてハードBrexitの懸念が残る。
係るリスク要因目立つ中米国はじめ主要国の株価はさすがに伸び悩み。一方ドルインデックスは再び93を割り込んで軟調推移。ユーロは1.17台、ポンドは1.27台で下げ止まりから反発に転じている。
係る中ドル円は7月末以来の104円台前半に下落しているのは、菅内閣の行政・財政改革や規制緩和への警戒感が株安・円高の発想に結びつき、更に米中関係やハードBrexit懸念からのリスクオフの円買いに結びついたものだろう。
秋口にかけてECBによるユーロ高けん制やハードBrexit懸念から欧州通貨安/ドル高、更にドル高の影響を受けてドル円も110円を目指す動きを予想したが、足元その予想の修正を余儀なくされている。
つまり今後も1.20台以上ではECBのユーロ高けん制が予想されるが、少なくともユーロ押し下げの意図が感じられないこと。今回も1.17台で見られた実需のユーロ買い需要(巨額のユーロ圏経常黒字が背景)を背景としたユーロ押し目買い需要。
一方ポンドについては合意があろうがなかろうが、今年年末までにBrexitとなれば、ファースト・リアクションは「ポンド買戻し」になる可能性が高く、市場は早くもその動きを先取りし始めているようだ。Brexit後の英国ファンダメンタルズ悪化に伴うポンドの下落はまだ先の話かもしれない。
一方ドル円については104円台への下落は筆者の想定外であり、かつての巨額の貿易黒字による円買い需要不在の中、時として訪れる「理由なきドル円下落」を疑問視しつつも、筆者の唱える「安全通貨“円”神話の崩壊」はまだ先の話と言わざるを得ない。今日明日と日本の祝日休場となるが、不意を突いたドル円下落には注意を要しよう。
したがって足元は、米中摩擦やハードBrexitなど種々のリスク要因が昔懐かしい「リスクオフの円買い」につながる可能性がある。ただ上記の欧州通貨や円高によるドル安も一過性であり、ハードカレンシー“ドル”そのものが下落トレンドに入るとは考えていない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―対ドル堅調、対円軟調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7254-0.7345 AUDYEN 75.98-77.51
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7400 AUDYEN 74.00-77.00
先週の豪ドルは対ドルでじり高推移、対円ではドル円の104円台への下落を受けて軟調推移した。
発表された8月の雇用統計は、失業率が6.8%に改善し、(予想7.7%、前回7.5%)、就業者数は+11.1万人(予想-4.0万人、前回+11.9万人)と予想外に改善して豪ドルを押し上げた。ただアナリストはこの数字は“見せかけの改善”である可能性を指摘している。
つまり政府は失業手当の相互義務制導入(mutual obligation rule)を発表し、この制度によると失業手当受給者は9/28から1ヵ月に最大8か所まで求職申請をする必要があるというもの。この相互義務を回避すべく多くの人々が個人事業主として登録を行ったことが、8月の失業率の改善及び就業者数増加の背景との分析だ。
ただビクトリア州の感染拡大が収束に向かい、中国の指標が堅調で商品相場が上昇に転じていることなどが豪ドルをサポートしているのは確か。
引き続き足元はボリンジャーバンドのレンジ内(70-74セント、75-78円)中心の相場が続きそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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