「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
28 September 2020
◎<主なイベント>
9/28(月)日本7月景気動向指数(改定値)、ラガルドECB総裁発言、ベイリー英国中銀総裁発言
29(火)9月ユーロ圏消費者信頼感(確定値)、9月米消費者信頼感、米大統領候補第一回討論会
30(水)中国9月製造業/非製造業PMI、9月財新製造業PMI、ラガルドECB総裁発言、独9月失業率、米9月ADP雇用者数、米Q2GDP(確報値)
10/1(木)Q3日銀短観、中華人民共和国成立71周年―中国国慶節休場(~8日)、EU臨時首脳会議(~2日)、米9月ISM製造業景気指数、米新規失業保険申請件数
2(金)日本8月雇用統計、米9月雇用統計、格付け会社独と仏の格付け発表
◎<マーケットの焦点>
先週は米国はじめ主要国の株価が調整反落し、リスク回避の動きが活発化して、為替市場では「リスクオフのドル買い」の動きが顕著となった。
ここまで株式相場をけん引してきた米ハイテク株が調整色を深めが、爆発的に広がった若者に人気の株取引アプリ「ロビンフッド」が情報開示に関して米証券取引委員会(SEC)の調査を受けているとの情報も調整のきっかけになった模様。
リスクオフドル買い以外にもユーロやポンドも独自の不安要因から乱高下しながらも軟調推移した。ドルインデックスは9月初の92台から94台まで上昇し、ドル円も重い腰を上げて105円台後半までじり高推移した。
ラガルドECB総裁は改めて「ユーロの上昇が物価に下押し圧力をかけている」と発言している。
リスク材料として目新しいものはあまりないが、世界のコロナウィルス感染者数が3千万人を突破し、死者数も100万人に迫りつつあることが最大のリスク材料だ。南半球の感染者数増加がやや減速する一方、暑さが峠を越した北半球のインド、欧米、ロシアなので感染再拡大が始まった。
感染者数が70万人を超えたスペインや50万人を超えた仏では再び行動規制が強化され民衆の反発が強まっている。欧米中心に感染再拡大となれば再び景気失速→追加金融緩の連鎖となるだろう。
米中は先週の国連総会でも非難の応酬に終始し、一方Brexit関連では今週EU臨時首脳会議が開催されるが、両者の溝は深く、ハードBrexit懸念が一段と強まっている。
更には先週、「欧米の主要金融機関が長年マネーロンダリングに関与してきた疑いがある」との国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公表した文書(フィンセン文書)が注目を集めたが、関係金融機関の株価は軒並み大幅下落した。
今週は月・水とラガルドECB総裁の発言が予定されるが、欧州で感染急拡大する中、あまり楽観的な内容は期待できない。
また火曜日には注目の米大統領候補者第1回討論会が予定される。劣勢に立つトランプ大統領の挽回なるか?
今週は注目されるADP雇用者数、ISM製造業景気指数、そして雇用統計の9月諸指標が発表される。雇用統計は失業率予想が8.2%(前回は8.4%)、nfpr+85万人(前回+137.1万人)とややミックス予想だ。もっともADP雇用者数に関しては年初からのADP雇用者数とnfprの相関性を見れば、7~8割程度は不思議と一致していない。
木曜日には中国が建国71周年を迎え、1週間の国慶節休場となるが、休み前に対米政策での要人発言を注視したい。
同じ木曜日にはQ3の日銀短観が発表されるが予想は大企業DIが-23(前回-34)、先行き-16(前回-27)と悪化にやや歯止めがかかる状況となっている。菅新内閣発足後も株価は低迷しており、新政権への期待感も今一であるが、高い支持率がいつまで持つのか?
今週も材料多い中、先週見られた「リスクオフのドル買い」が果たして一過性となるのか、あるいはユーロやポンド軟調が継続して結果的にドル一段高となるのか?相場は踊り場を迎えつつある。ドルインデクスのチャートを見ると7月~9月で“きれいなランドボトム”を形成しているように見えるのだが。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再びベアセンチメント
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7005-0.7324 AUDYEN 73.97-76.39
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7200 AUDYEN 73.00-76.00
先週豪ドルは週初の高値73セント台前半、76円台前半後半から70セント台前半、一時74円割れまで大幅に下落した。
リスク回避のドル買いが活発化し、欧州通貨や豪ドル、NZドル、カナダドルなどの資源通貨が軒並み下落した。株価軟調/リスクオフのセンチメントが豪ドルの重石となった。
ビクトリア州の感染拡大には歯止めがかかった状況だが、シドニー擁する最大州NSW州などでの第二波懸念が強く、徹底したコロナ対策を取る豪州政府は民間の行動規制を強化している。
また国連総会での米中の非難の応酬に見られるように、米中摩擦の激化もリスク許容度を減少させ、商品相場への売り圧力となって豪ドル悪材料となった。
豪ドルは心理的壁である70セント台、73円台が目前であり、一気にサポートレベルを切るのか?あるいは押し目買いにサポートされるのか?重要な局面となっている。
中期的にはこれら70セント、73円台は底値圏と思われるが、短期的には一時的にせよブレイクする可能性があるだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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