「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
19 October 2020
◎<主なイベント>
10/19(月)中国Q3GDP、中国9月小売売上高・鉱工業生産、ラガルドECB総裁講演、トランプ大統領アリゾナ州で選挙討論会、パウエル議長IMF主催パネル討論会
20(火)米9月住宅着工件数・建設許可件数
21(水)9月訪日外国人数、英9月CPI、FEDベージュブック
22(木)ユーロ圏10月消費者信頼感(速報値)、米9月景気先行指数・中古住宅販売、米新規失業保険申請件数、ベイリーBOE総裁講演、米大統領候補討論会(テネシー州)
23(金)日本9月CPI、独・ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI(速報値)、ロシア中銀理事会
◎<マーケットの焦点>
先週はリスク回避とその巻き戻しで相場が神経質にUP & DOWNしたが、結局米株(NYダウ、S&P500、ナスダック)は小幅上昇したものの、世界的には冴えない展開であった。
国慶節明けの中国はすかさず「マカオ、香港、本土の統合を促進する、米国の香港自治法に端小反対」と米国をけん制。香港自治法は7/14に香港市民の権利を弾圧する中国当局への制裁をするためにトランプ大統領が署名した法律だ。
また世界的にコロナ感染者・死者数共に拡大は止まらず、特に冬季に向かう北半球のインドや欧米での拡大が目立つ。一方ファイザー製薬は独のビオンテックと共同開発中のワクチン候補の緊急使用許可を11月末までに申請する用意があると述べ、開発期待が高まった。
Brexit関連では予想通りにジョンソン首相の設定した10/15の交渉期限は延期された形になったが、同首相は「EUが根本的にアプローチを変更しないならば合意なき離脱に向かうだろう」とEU側をけん制。今週EU代表団が英国を訪問し集中討議されるが、漁業権一つとっても深く関係する仏がEUの譲歩案に反対するなど依然前途多難。結局年末までに細部まで合意できず、時間切れで“形式的Brexit成立”となるのではないか?
米大統領選ではバイデン候補が支持率リードを10ポイント以上に広げているが、今回はコロナ禍の影響で郵便投票や期日前投票が4年前より格段に多いため、トランプ大統領の“直前どんでん返し”は困難との見方が一般的だ。ただ支持率差は拮抗しているとの分析もあり、22日の投票前最後の討論会で両候補がいかなる“秘策”を練り出すか?注目される。
ただ米大統領選の結果は市場のボラティリティを高めるであろうが、どちらが大統領になろうが相場のトレンドを新たに形成することはないだろう。
言えるのは従来の常識であったトランプ再選=株高・ドル高、バイデン勝利=株安・ドル安は既に崩れている。バイデン候補の政策である増税とそれを原資とした大規模投資は長い目で米経済にとってプラスとの見方が増えている。
相場動向とは別にトランプ再選=相場の不透明感継続、バイデン勝利=相場の安定であるように思う。
今週は米大統領選、Brexit共に大詰めであり、市場も神経質に反応するだろう。
「リスクオフのドル買い・円買い、リスクオンのドル売り・円売りの法則」を基本として、リスクオフ時のユーロやポンド売り材料、リスクオン時のユーロやポンド買い材料に反応したい。
円は依然としてドルやユーロやポンドの相対通貨の域を出ず、今週も円独自では動けないだろう。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再び軟調地合
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7056-0.7234 AUDYEN 74.25-76.38
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7200 AUDYEN 73.50-76.50
先週豪ドルは欧州通貨の反落にフォローして70セント台半ば、74円台半ばまだ下落した。
先週15日にシティグループのカンファレンスでRBAのロウ総裁が講演したが「少なくても3年は利上げを期待していない、国債買い入れ拡大が更なる金融緩和となっている、政策金利を現行の0.25%から0.1%に引き下げる可能性がある」と更なる金融緩和に言及したことはサプライズで豪ドルを押し下げた。
また中国が豪州炭や豪州産綿花の輸入を停止すると発表したことも嫌気された。
9月の雇用統計は予想程ではないが悪化したことも豪ドルの重石となった。失業率は前回の6.8%から6.9%に悪化(予想は7.1%)し、就業者数は前回の+12.91万人から-2.95万人に減少(予想は-3.5万人)。
豪ドルは再び9月の安値70セント近辺、74円近辺に迫りつつあるが、同レベルが前回同様サポートされるか注目される。このレベルを完全にブレイクすると3月のクラッシュ以降のサポートラインを割り込むことになる。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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