「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
26 October 2020
◎<主なイベント>
11/2(月)豪州9月建設許可件数、中国10月財新製造業PMI、独/ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
3(火)日本文化の日休場、RBA理事会、FOMC第1日目、米9月製造業受注、ユーロ圏財務相会合、米大統領選
4(水)豪州9月小売売上高、日銀議事録、中国財新サービス業PMI、BOE理事会(第1日目)、米10月ADP雇用者数、米9月貿易収支、米10月ISM非製造業景況指数、EU財務相理事会、米パリ協定正式離脱、FOMC(パウエル議長会見)
5(木)豪州9月貿易収支、BOE理事会(ベイリー総裁会見)、欧州委員会経済見通し
6(金)RBA四半期金融政策報告書、米10月雇用統計
7(土)中国10月外貨準備、中国10月貿易収支
◎<マーケットの焦点>
いよいよ今週は米大統領選だ。どちらが勝つか依然として判然としないばかりか、最悪期日前投票や郵便投票の妥当性で揉めて勝敗の決定がかなり先送りされる可能性まで考える必要がある。
特にトランプ大統領は“負け”を決して受け入れないだろう。そのために最高裁判事まで異例に大統領選に先立ち保守陣営で固めたくらいだ。
リベラルのアイコンであったギンズバーグ最高裁判事が亡くなったことは、不謹慎ながら未だトランプは神に見捨てられていなかったということか。
2016年の大統領選では自身は当時少数派とも言えるトランプ勝利を予測していた。理由はテレビの特集で「隠れトランプ支持者が多い」という報道を耳にしていたことが大きい。そしてトランプが勝ち、当初は「読みが当たった!!」と狂喜したがそれも束の間で、大暴落した株価やドル円は同日中に急反発して下げを取り戻した。自身は大規模なリスクオフ相場を予想していたのである。
そして今回の大統領選。新型コロナウィルスのパンデミックという特殊な状況下で行われるが、リスク許容度という点では、どちらが大統領に当選しようが一気にリスク選好地合になるとは考え難い。自身は従来からの“トランプ勝利予想”を変えていない。トランプ勝利を願っているわけでは決してないし、トランプ再選となって更に4年間、訳の分からない相場が続くと思うと正直“うんざり”で、その意味ではむしろバイデン勝利を希望する。しかし「世の中思うようにいかないのが常」なのだ。
従来からの持論として、ボラティリティは急増しようが、どちらが勝とうが長期的な為替相場への影響はないだろう。仮にトランプが勝ってリスクオフとなった場合、最近の「リスクオフのドル買い」となるか?ドルの上昇は非常に疑問である。であればドルが暴落するか?対価として買われるのは欧州通貨(ユーロやポンド)か?それも大いに疑問。唯一「訳もなく円が買われる可能性」はある。しかしたとえ3月の安値101円台を再度トライしたとしても100円割れとなるエネルギーがあるか?
これも現実的ではない。為替は上がっても下がっても往来相場だろう。
むしろ注目したいのは米株相場。3月の暴落から8月、10月とほぼ完全に回復したが、ここに来て大統領選前の調整ともいうべく、再度軟調に転じている。はたして大統領選でどちらかが勝てば株価が大幅上昇するというシナリオが成り立つか?
どちらが大統領になろうが、株価の大幅上昇には結びつかないように思う。
そして大統領選による混乱は意外に早く収拾し、関心は素早くBrexit、更に大統領選とは比較にならないくらい大きな、コロナ禍やワクチン完成の有無という不確実性に移っていく。
唯一救われるのは米大統領選という不透明感から解放されるという点である。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再び軟調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7002-0.7157 AUDYEN 73.13-74.94
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7200 AUDYEN 72.00-75.00
先週豪ドルは週央まで71セント台、74円台を維持したが、10/28に欧米の感染第三波懸念などでリスク回避色強まり、米国はじめ主要国の株価が大幅下落した流れを受けた「リスクオフのドル高・円高」地合の中、70セント台、73円台に下落した。
原油価格が35ドル台に下落するなど商品相場(CRB Index)が155台まで軟化したことも豪ドルの重石となった。更に発表されたQ3CPIはヘッドライン(全項目)、RBAの重視するアンダーライイング・インフレーション(コア)共に前期のマイナスからはプラス圏を回復したが、依然としてRBAのターゲット2-3%のはるか下であり、RBAの利下げ観測が再燃したことも豪ドルを押し下げた。
今週はRBA理事会はじめ、毎月初恒例の多くの豪州指標が発表され、更に11/6にはRBAの”四半期金融政策報告書“も発表される、”豪州週間“だ。
11/3のRBA理事会では政策金利を現行の0.25%から0.1%に引き下げるとの予想も出ている。
これは10/15のロウ総裁の発言「政策金利を現行の0.25%から0.1%に引き下げる可能性がある」によるものだが、逆に追加利下げとなれば市場に「利下げ打ち止め感」が出るのではないか?今のところRBAはマイナス金利の導入に否定的である。
今週は米大統領選にからんで為替相場乱高下の可能性が強いが、豪ドルも自国の金融政策や経済指標のみならず、ドル相場の動向にも翻弄されるだろう。
節目である70セントを割り込む展開も予想されるが、10月後半には既にリスク回避相場となって、豪ドルも悪材料をかなり織り込んだ状態であることや、押し目買い需要を勘案すれば、どんどん続落する展開にはならないと考える。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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