「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
16 November 2020
◎<主なイベント>
11/16(月)日本Q3GDP、中国10月小売売上・鉱工業生産、11月NY連銀景気指数、APEC閣僚会議
17(火)米10月小売売上、OPECプラス共同閣僚監視委員会、ファウチNIAID所長・ビルゲイツらNYタイムズ主催会合参加
18(水)英10月CPI、米10月住宅着工件数
19(木)豪州10月雇用統計、トルコ中銀理事会、米10月中古住宅販売、EU首脳会議(オンライン)
20(金)日本10月CPI、G20財務相会議(オンライン)、APEC首脳会議(オンライン)
◎<マーケットの焦点>
先週初11/9にはバイデン勝利宣言とファイザーのワクチン完成期待感を受けてリスクオン相場となりNYダウは一気にオフショアでは3万ドル台を示現した。また日経平均も25,000円台乗せと29年ぶりの高値追付けた。一方為替相場は11/9のリスクオン・フィーバーでは「リスクオンのドル売りプラス円売り」が復活し、売りポジションが膨らんだドル円は103円台から11/9一日で2円40銭上昇して105円台と、3月上旬のリスクオフ・パニック相場以来の上げ幅を記録した。
ただ先週はその後ワクチン開発の続報やバイデン勝利確定もなく、コロナ被害が加速する中急激にリスクオンに傾いた相場も徐々に冷めていった。
米大統領選では週末時点の集計でバイデン候補―トランプ大統領 306―232となり「トランプ大統領は敗北を認めるべき」との論調が目立つ。特に“潔さ”を尊ぶ日本では「往生際が悪い」との見方が大半だろう。ただ昨日の時点でトランプ陣営は訴訟を取り下げる用意など全くない。次回選挙(2024年)への布石を打つための時間稼ぎとの見方もあるが、トランプ陣営も全く根拠なく訴訟を提起したわけではないだろう。
昨日もトランンプ大統領は「共和党の選挙オブザーバーを集計室に入れなかったその事実だけでも勝訴」と再度ツィート。また28州で使用された票集計ソフトであるドミニオン集計システムは中国製LCDなどの部品を使用していることをポーロスCEOも認め、ペロシ民主党下院議長側近のエイシャミ氏がドミニオン社の主要幹部であることも明るみとなった。多くのダブルカウントなどの不適切な集計がなされたとの指摘もあり「徹底的に真相を究明して頂きたい」。
いずれにしても複雑な選挙人制度という間接選挙制は選挙人総取り自体民意を反映しないし、これを機に透明性の観点からもよりシンプルな直接選挙制に変更すべき時ではないか?
また従来より指摘しているがワクチン開発成功の有無は最も重要なポイントで、今後の世界経済・政治共に“コロナの終息”、この一点にかかっている。ワクチン開発成功の重要性に比べれば、米大統領などどちらになっても大差なしということだ。
ワクチン開発成功の「Xデー」に向かって世界経済も市場も回っていくと言っても過言ではない。
Brexit関連では先週はジョンソン首相のBrexit戦略を支えたケイン上級顧問に続いてカミングス上級顧問が辞任したが、原因は政権内の内紛と言われた。ただ両氏の官僚組織を軽視する独善的な言動に不満を抱く人も多く、首相との関係も悪化していた模様。通商交渉期限11/15の結果はまだ伝わらないがむしろ今後英側が姿勢を軟化させるとの憶測も。いずれにしても後1カ月余りでBrexitは終結する。
最近のドル軟調=ドル円の上値の重さ、ユーロやポンドの底堅さ、はバイデン政権移行後の問題山積、つまりコロナ被害の更なる拡大や追加経済対策に対する共和党の反対、更には維持困難なほどに膨れ上がった財政赤字などへの懸念、ひいては修復困難な状況の米国民の“分断”による弊害など多くの不安要因を先取りした動きなのかも知らない。
仮にバイデン政権が成立したにせよ上記のように前途多難な船出には間違いないが、一旦ワクチンが完成すれば政治・経済・財政へのポジティブ・インパクトは計り知れない。世界は“コロナ前”に戻れるし、最大の被害国米国が最大の恩恵を受けるということだ。アフター・コロナを標榜すれば、再度のドル資産への回帰が起こっても不思議ではないだろう。
ドル相場は「近い将来は軟調、中長期的には堅調」となるのではないか。ドル円相場でいえば、「足元の下値ターゲットは100円。中長期的には110円の上」ということだ。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―売り買い交錯
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7221-0.7340 AUDYEN 75.09-77.10
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7350 AUDYEN 73.00-76.00
この1か月間、豪ドルは欧州通貨、特にユーロ相場にフォローして、リスクオフで下落し、リスクオンで上昇するパターン。
コロナウィルス被害拡大が止まらず、恒常的なリスク回避状態であったが、米大統領選後のリスク選好の動きやワクチン開発成功への期待が11月に入ってから豪ドルを押し上げた。一方中国の経済的圧力や米債券利回り上昇による債券利回り格差の逆転(米債利回り>豪州債利回り)が更なる上昇を妨げた。
11月のRBA理事会でRBAは政策金利を0.25%から0.10%に引き下げたが、先月ロウ総裁は引き下げを示唆しており、逆に“利下げ打ち止め感”が出て、理事会後豪ドルは上昇した。
豪州経済はQ2のボトムから立ち直りつつあるが、今後の景気回復はコロナウィルス状況と世界経済動向次第。
年末にかけて豪ドルはボリンジャーバンド(70セント~74セント台、73円~77円台)中心の取引が予想されるが、レンジの上限を超える最大の要因はワクチン完成であろう。
また年末恒例の鉱山輸出業者の来年度の輸出予約(豪ドル買い)による堅調推移となるか注目される。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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