18 January 2021

◎＜主なイベント＞

1/18（月）中国Q4GDP、中国12月小売売上高/鉱工業生産、ユーロ圏財務相会談
19（火）独・ユーロ圏1月ZEW景況感指数、EU非公式財務相理事会、米上院財政委員会イエレン財務長官・外交委員会ブリケン国務長官指名公聴会
20(水) 1月WESTPAC消費者信頼感、英1月CPI、中国全人代常務委員会、バイデン大統領就任式
21（木）豪州12月雇用統計、日銀政策会合、ECB理事会、トルク中銀理事会、EU首脳会議、米新規失業保険申請件数
22(金）豪州12月小売売上高、日本12月CPI、独・ユーロ圏1月製造業PMI、ECB専門家予想調査
24（日）ポルトガル大統領選挙

◎＜マーケットの焦点＞

先週主要国は株高を維持したものの、米株などは上げも一服。
前週のドル高地合に調整が入りながらドル相場もアップダウンした。
前週は米議会がバイデン勝利を正式に承認し、先週も1.9兆ドル規模の経済対策が提示され市場の期待感は維持された。
しかしコロナ犠牲者が2百万人を突破して感染者数が1億人の大台に近づき、欧米での更なる規制強化が実施されたことや、パウエル議長が講演で再度慎重な姿勢を強調したため市場のリスク許容度は拡大しなかった。
週末の独与党キリスト教民主同盟の党首選ではメルケル路線踏襲派のラチェット氏が勝利したが、前代のコール前首相やメルケル首相ほどのカリス性は感じられず、秋に向けて独政局は流動化する可能性があろう。
日本では菅内閣の支持率が3回連続で下落し、不支持が49%と支持の39%をはじめて抜いた（15～17日実施の読売世論調査）。
今週は木曜日に日銀政策会合、ECB理事会、トルコ中銀理事会などが重なるが、日銀やECBは現状の超緩和政策追認となり、トルコ中銀は先週のエルドアン大統領の利上げけん制もあり、こちらも政策金利は17%に据え置きか。
今週は何と言っても20日（水）に予定されるバイデン新大統領の就任式が焦点となるが、その前火曜日にはイエレン財務長官とブリケン国務長官の指名承認公調会も実施予定され、いよいよバイデン新政権の船出となる。
新政権への期待感が高かっただけに、巨額の新経済対策もかなり織り込んだ状況で、アセット市場はむしろ“Sell on Fact”となる可能性もあり注意したい。
年初来期待先行でリスクオン相場が継続してきたが、今週のバイデン大統領就任式でメインイベントも取り敢えず終了。
市場はコロナ被害の止まらない拡大やバイデン政権の直面する数多くの難問などの現実に向き合うこととなる。ただ英国やユーロ圏も多くの問題を抱えており、為替的にはむしろ再び”リスクオフ・ドル高“に流れる可能性も否定できない。

◎＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―再びやや上値重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7666-0.7805 AUDYEN 79.72-80.85
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7800 AUDYEN 78.00-81.00

先週の豪ドルは2018年以来の高値78セント台前半、80円台後半まで続伸したが、さすがに高値警戒感もあり後半失速した。
ドルインデクスが90台後半に反発するなど、米ドルが全般的に堅調に転じていることが豪ドルの上値を押し下げた。
本日発表される中国のQ4GDPは前回の+4.9%から更に+6.1%に上昇予想となっており、中国経済の回復は豪ドルにとって本来好材料であるが、豪中対立を抱える現状では然程のサポート要因にはならないだろう。
現在中国はWHOのコロナ起源調査団を受け入れているが、その結果にも注目したい。また今週は12月の雇用統計や小売売上（速報値）が発表されるが、いずれも好調であった前回からやや下落が予想される（就業者数予想+5万人、前回+9万人、小売売上高予想-1.5%、前回+7.1%）こともやや不安視される。
年初来続伸してきた豪ドルであるが、依然コロナ被害収束の目途が立たない現状、上値トライもやや息切れと言ったところ。
76セント台、80円割れでどの程度押し目買いがサポートするか注目される。

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