「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
1 February 2021
◎<主なイベント>
2/1(月)中国1月財新製造業PMI、12月ユーロ圏失業率、米国1月ISM製造業景気指数
2(火)RBA理事会、ユーロ圏Q4GDP(速報値)
3(水)豪州12月住宅建設許可件数、1月財新サービス業PMI、米1月ADP雇用者数、米1月ISM非製造業景気指数、OPECプラス共同閣僚監視委員会
4(木)豪州12月貿易収支、ECB経済報告、BOE理事会、米12月製造業受注、米新規失業保険申請件数
5(金)RBA四半期金融政策報告書、日本12月景気動向指数、ベイリーBOE総裁講演、米1月雇用統計、米12月貿易収支
◎<マーケットの焦点>
いよいよ本日から2月である。
先週は世界のコロナ感染者数が1億人を突破する一方、IMFは今年の世界経済見通しを前回10月時点での+5.2%から+5.5%に上昇修正し、同時に米国、日本、ロシア、ブラジル、メキシコなどの見通しも上方修正した。
米株は投資アプリ「ロビンフッド」(ロビンフッドは金持ちから盗んで貧乏人に分け与える義賊)による“ゲームストップ株”の乱高下などの”事件“も起きる中、ナスダックは堅調を維持する一方ダウは水木金と500ポイントを超える乱高下を演じ、結局3万ドルを割っている。
係る株価乱高下やコロナ被害拡大などのリスク回避を受けて”リスクオフのドル買い“が一時顕著となり、ドル円は昨年11月以来の105円台一歩手前まで上昇した。
ユーロやポンドも一時1.20台、1.36台まで売られたが、結局今週は1.21台、1.37台を回復している。
ECB当局から再びユーロ高けん制発言が聞かれ、ユーロの上値が重い一方、ポンドは昨年末にBrexit合意が成立したこと及び、ワクチン先進国としての期待もあり下値1.36台が押し目買いにサポートされる展開。結果としてEURGBPは12月の高値0.92台から0.88台まで下落している。
バイデン新政権はWHOからの脱退取り消しやパリ協定への再参加の意思表明など、矢継ぎ早にトランプ政策のリバースを行っているが、対中関係に関しては引き続き強固姿勢の継続を表明しており、これもリスク回避の材料となっている。
今週は先週乱高下を演じた米株の動きが注目される。昨年来各種投資指標は米株の極端なオーバーバリューを示しており、先週見られた高値圏での乱高下が果たして「天井示唆」となるか?
コロナ最悪期に株価が連日史上高値を更新してきたが、逆に「今後コロナ収束局面、主要国の経済回復局面で世界の株価が本格的調整局面に入る」という「奇妙な現象」が本当に起こるのか?
その他では火曜日にユーロ圏Q4GDPが発表になるが、他の主要国同様に前期の+12.5%から-0.9%に大幅失速予想となっている。
木曜日のBOE理事会において追加緩和の示唆があるか?も注目事項。足元ポンドの堅調が目立つが、Brexitの影響が出るのは”これから“であり、一方コロナワクチンの効果が果たして結果として現れるかも依然未知数であり、ポンド買いポジションの調整が出る可能性には留意したい。
1月米雇用統計は前回のnfpr-14万人から+5万人程度に戻る予想だが、依然として米景気も失速懸念が強い。
要は、「株価含めて、コロナ、景気、バイデン政策など全てにおいて、いよいよ混迷の度合いを深めている」と言うのが自分の見立てであり、やはり「米国買いのドル買い」よりも「リスク回避のドル買い」が先に訪れるのではないか?と考える。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―やや軟調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7592-0.7764 AUDYEN 79.20-80.64
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7550-0.7750 AUDYEN 79.00-81.00
先週豪ドルは77セント台半ば、80円台半ばから、一時76セント割れ、79円台前半まで反落し、その後はやや回復したが依然として頭が重い。
前週発表された12月の雇用統計は強かったが12月小売売上高が-4.2%に下落し、コロナ禍のクリスマス商戦不調を示し、1月WESTPAC消費者信頼感も-1.8%に低下。一方先週発表されたNAB企業信頼感(13→4)・景況感(7→14)はもちまちで、Q4CPIは予想をやや上回ったが(RBAの重要視するアンダーライイング・インフレーション(コア・指数)は前年比+1.15%予想に対して+1.3%)、目立った豪ドルをサポートにはならなかった。
「中国が今年の鉄鋼生産を削減する計画を立てた」と報じられたことや“バイデン政権が対中強固策を継続する”との見方も地合を悪くした。
今週は火曜日にRBA理事会があり、金曜日にRBAの“四半期金融政策報告書”が発表されるが、依然として超緩和政策維持が表明されるだろう。
豪ドルは年初来買いが先行したが、買いも一巡。リスク回避色が強まれば、78セント台、81円台が再び強いレジスタンスとなるだろう。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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