「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
15 February 2021
◎<主なイベント>
2/15(月)日本Q1GDP、中国(2/11-2/17)・香港春節休場、ユーロ圏財務相会合、米プレジデント・デー休場
16(火)独2月ZEW景況感指数、EU非公式財務相理事会、RBA議事録、米2月NY連銀製造業景気指数
17(水)日本1月貿易収支、英1月CPI、米1月小売売上高/PPI、FOMC議事録
18(木)豪州1月雇用統計、トルコ中銀理事会、米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米1月住宅着工件数、米新規失業保険申請件数
19(金)豪州1月小売売上高、日本1月CPI、ユーロ圏/独2月製造業・サービス業PMI、米2月製造業PMI
◎<マーケットの焦点>
先週も結局米株はじめ主要国の株価は史上高値を更新した。
ダウの史上高値31,543.82、S&P500 3,937.23、ナスダック14,109.12、カナダ18,527.88、インド15,378.60、DAX14,169.49、日経平均は30年ぶりの戻り高値29,650.51、上海総合指数も春節入り前に3,655.09の数年来の高値を付けた。
要は足元の株高は世界的傾向と言うことだ。1月末現在の米株のPER(株価収益率)は目安とされる15倍に対して26.6倍、PBR(株価純資産倍率)は目安とされる1倍に対して4.4倍と明らかにオーバーバリューだが、昨年1月も既に23倍、3.8倍であったことを考えれば、別に昨日今日始まった現象ではない。
むしろ両指数算出(PERは株価÷1株当たりの純利益、PBRは株価÷1株当たりの純資産)の分母である純利益や純資産がコロナ禍で減少しているための数値上昇という部分もあるだろう。したがって今後コロナ禍が収束して企業活動が正常化すれば、むしろ分母が大きくなってオーバーバリューが解消方向に向かう可能性がある。
つまり史上高値圏にあっても過度のオーバーバリューには陥っていないとの見方もできるわけだ。
先週はドル高に調整が入った。前週105円台後半まで上昇したドル円は一時104円台半ばまで反落。1.35台まで下落したポンドは1.38台まで上昇。1.19台まで下落したユーロは1.21台まで反発した。
依然として「株高・リスクオンのドル売り神話(?)」がはびこっている上、パウエル議長の度重なる慎重発言も一時盛り上がったテーパリング観測を完全に吹き消した。
またBOEがマイナス金利に否定的な見解を重ねて表明したことや、ワクチン先進国の英国で感染拡大が収まりつつあることもポンド買い戻しに拍車をかけた。
一方ユーロ堅調の背景にはドラギ前ECB総裁が正式にイタリア首相の就任を受諾したことがあるのは間違いない。ECB総裁として欧州の金融安定化に大きく貢献した、スマートかつ国際派の素養を持つMIT経済博士号を持つ同氏は、意外と今後イタリアのプレゼンスを上昇させる人物かもしれない。ユーロショート派にとっては手ごわい相手の出現かもしれない(汗)。
ただイタリアの発言力増加は逆にEU大国の独仏伊三国の力関係に微妙な不協和音を生じさせる可能性もあるのではないか?メルケル首相の今秋の退任を控えてやや落ち目の独と関係などEU内の力関係が気になる。
ドルは依然アップダウンで一方的なトレンドを形成しないだろう。更に言及すれば貿易収支の大幅赤字のみがドルの水準を決定するものではない。もし貿易収支のみで為替が動くのであれば、プラザ合意から35年で、当時の貿易赤字額の5倍を上回る中、ドルの価値ははるかに減価しているはずだ。
むしろバイデン新政権がトランプの撒いた“不協和音の種”を掘り起こすたびに米国が再び脚光を浴びることになるだろう。ドルの一方的な下落のシナリオは整合性に欠けると言わざるを得ない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―上値テストか
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7651-0.7771 AUDYEN 80.67-81.45
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7650-0.7850 AUDYEN 80.50-83.50
先週豪ドルは77セント台半ば、81円台半ばで高値引けとなった。
再びドルが軟調地合になっていることと、クロス円での円安の影響が豪ドル円の上昇をもたらしている。
株価のみならず商品相場(CRB Index)は196台と昨年初、つまりコロナ前の水準を回復していることが豪ドル支援材料となっているが、背景としてバイデン政権の対中政策によりトランプ政権時の最悪な米中関係が改善し、豪中関係にも良い影響を与えるとの期待感がある。
また豪州が先進国で最もコロナ被害のマネージメントに成功したことも評価されている。
豪州の住宅価格は昨年12月以来大幅上昇している。RBAはこれを住宅バブルとは評価していないが、低金利環境下で住宅価格の上昇に歯止めがかからない事態となれば、RBAもいつまでも超低金利政策を維持できなくなるだろう。
豪ドルは足元78セント台、82円台の強いレジスタンスが控えており調整の可能性もあるが、下値は押し目買いにサポートされる展開が予想される。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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