8 March 2021

◎＜主なイベント＞

3/8（月）日本1月国際収支、2月景気ウオッチャー調査、ベイリーBOE総裁講演
9(火)日本Q4GDP（確報値）、OECD経済見通し
10（水）中国2月CPI/PPI
11（木）ECB理事会、米1月求人件数、新規失業保険申請件数
12（金）米2月PPI
14（日）米夏時間移行

◎＜マーケットの焦点＞

世界の新規コロナ感染者数は1月下旬の60万人超えから2月下旬には10万人台に大幅減少したが、足元では変異株の感染拡大もあり再び30-40万人台に拡大傾向だ。ワクチン接種は普及しているが、コロナ収束も一筋縄でなないということだ。
3月に入ってからもワクチン効果期待、景気回復期待が米国中心に盛り上がり、米10年債利回りは1.5%台を固めた形で、この金利上昇懸念や2月下中から続くハイテク・IT株への調整圧力が継続し、主要国の株価が調整反落地合となっている。
2月下旬にはコロナ収束期待から巣籠産業、ハイテクIT株関連が大幅下落し、逆に従来型の株価（NYダウ）などに資金シフトが見られたが、3月に入ってからはNYダウも頭打ち。
先週は月曜日に上昇した後、3日続落し、金曜日の米雇用統計の好結果を受けてやっと反発に転じた。
ただ2月中旬にハイテク・IT株価が天井を打って以来、株価全体の上昇力が減退しているイメージで、この株価調整がリスクオフドル買い戻しを誘っているのだろう。
加えて米国の追加景気対策の可決間近の予想も米長期金利上昇、ドル高につながった。
実際に1.9兆ドル規模の追加景気対策は3/6に米上院で可決された。
遅くても3/14までには下院で再可決され、バイデン大統領が署名して成立する運びだ。
先週金曜日の強い2月米雇用統計発表後、一旦続伸したドルは「Sell on fact」でやや反落したが、2月中旬まで見られた“強いドル先安観”はかなり後退したと言ってもいいだろう。
自身の中期的ドルブルの理由は：
①コロナ収束となれば最大の被害国米国が最大の恩恵を被る
②ドル需給は貿易為替（米国の巨額の貿易赤字によるドル余剰）のみならず、貿易外為替における決済通貨（ハードカレンシー）ドルへの需要
③アブノーマル・トランプからノーマル・バイデンへの移行により、トランプ政権下で衰退した米国投資が再度活発化する可能性（保護主義・米国第一主義の修正）
④痩せ馬（ポンド、ユーロ）の先走りで、そろそろエネルギー消耗し、失速か？
⑤あれだけ強まったドルベア観測の後退とポジション巻き戻し
足元は先週のドル急上昇の調整もあり、簡単にドル続伸とはいかないであろうが、相場環境は徐々にドルベア派にとって厳しい状況になりつつあると言えるのではないか？

◎＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―下値は押し目買いにサポートされ堅調維持か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7621-0.7838 AUDYEN 82.51-84.04
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7800 AUDYEN 82.00-85.00

先週豪ドルはドルが反発地合となる中、2月下中につけた高値80セント台前半、84円台後半から一時76セント台前半、82円台半ばまで大幅に反落した。
先週のRBA理事会では「世界経済見通しはここ数カ月改善、豪州の景気回復は順調で以前の予想より力強い」とポジティブな判断を示すと同時に、豪ドルの水準については「近年の範囲の上限に留まっている」と述べて、豪ドル高にやや不快感も示した。
また先週発表された経済諸指標（Q4GDP、Q4経常収支、1月貿易収支、1月小売売上高）などは総じて堅調でQ4GDPは前期比が予想値+2.4%に対して+3.1%、前年比-2.0%に対して-1.1%と予想を上回ったが、さして豪ドルをサポートしなかった。
ただ年初来積みあがった豪ドル買いポジションの調整もかなり進んだものと思われ、今週は週明けから77セント台を回復し、83円台半ばまで反発している。
足元は押し目買いでサポートされて、年初来の基本的な堅調地合は継続するものと思われる。
最大の懸念事項は主要国の株価調整が更に継続する場合で、アセット価格の調整が商品相場全体に波及する事態であろう。

―読者各位―
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