「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
22 March 2021
◎<主なイベント>
3/22(月)国際決済銀行(BIS)イノベーションサミット(~25日)、SF連銀総裁・リッチモンド連銀総裁講演
23(火)3月月例経済報告(内閣府)、英2月失業率、ベイリーBOE総裁講演、パウエル議長/イエレン財務長官下院公聴会証言、米Q4経常収支
24(水)日銀議事録、独/ユーロ圏3月製造業PMI、英2月CPI、米3月製造業PMI、パウエル議長/イエレン財務長官上院公聴会証言
25(木)米Q4GDP(確報値)、ECB経済報告、EU首脳会議(~26日)、ラガルドECB総裁講演、新規失業保険申請件数、バイデン大統領就任後初の記者会見
26(金)独3月ifo景況感指数、米2月個人所得収支、米3月ミシガン大消費者態度指数(確報値)
◎<マーケットの焦点>
週明けはトルコリラが大幅下落して始まった。
先週末エルドアン大統領がアーバル・トルコ中銀総裁を解任したことが原因。トルコ中銀は金曜日の理事会で予想を上回る2%の利上げを行っており、これが大統領の逆鱗に触れた模様。リラは対ドルで8.303と先週末比15%下落し、対円でも一時12.924円と13%下落した。リラ円クロスの下落を受けてドル円も早朝一時108円台半ばまで下落したが現在は108.90近辺と先週末レベルを回復。
世界のコロナ感染者数は2月に1日10万人程度に減少したが、足元では変異株中心に再び1日70-80万人程度までリバウンドし、フランスやイタリアでは再度ロックダウンを強化するなど、収束には依然程遠い。
先週は前週のECBに続いてFOMC、BOE理事会、日銀会合、トルコ中銀理事会など多くの政策会合が開催されたが、係るコロナ感染再拡大の状況下、総じて緩和継続の慎重姿勢が確認され、一時高まった出口論議は時期尚早との印象を市場に与えた。
ただ全体的な慎重トーンとは裏腹に、FOMCでは金融機関向けの自己比率規制に関わる補完的なレバレッジ比率(SLR)の条件緩和措置を3月一杯で終了すると発表したことがポジティブに捉えられ、長期債利回り上昇容認と市場に受け取られて米10年債利回りは1.7%台へ急上昇した。この利回り上昇も一因となり週中史上高値を更新したNYダウやS&P500指数は反落して越週している。
また日銀会合では事前報道通りに10年債利回り変動許容幅を上下ともに0.25%ポイント程度と明確化され、またETF購入年間約6兆円の原則が削除されたが、為替市場には既に織り込み済で大きなインパクトはなかった。
ただ日経平均は金曜日に400円を超えて下落した。因みに黒田総裁は「変動幅変更は表現の明確化であり拡大ではない」、「ETFの買い入れを減らしたり出口を考えちるわけではない」とわざわざ“ことわり”を入れているが。
今週はパウエル議長とイエレン財務長官の上下院公聴会での証言が注目されるが、両氏ともにかなりの“ハト派”であり、しかも感染再拡大懸念の強い中、ハト派的内容になることが予想される。
ただ市場もハト派コメントは十分に予想しているであろうし、株価・為替共にむしろ長期債利回りなど実勢金利動向に注目が集まるだろう。
欧州通貨については案の定Brexit後の北アイルランドの取り扱いで英国とEU間の摩擦が既に生じており、加えてアストラゼネカのワクチンの副作用問題は先週欧州医薬品庁が「ワクチンの恩恵がリスクを上回る」と判断したが、一抹の不安が残ったのは事実。またECBの緩和拡大の思惑もあり、ポンドやユーロが再度下値をテストする可能性がある。ドル円は係る欧州通貨との円クロスの下落とドル高が相殺する形だが、今朝の108円台半ばまでの急落後の反発力や先週の同レベルの底堅さを見ると、早晩110円の大台をテストする可能性を感じる。
繰り返しになるが持論は「ドル高よりは円安」であり、足元の円の軟調はまだまだ「円安の序奏」に過ぎないと思うが、「“日本売り”による本格的な円安」が到来した時が怖い、、、、
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―先週上値テストに失敗しており、足元上値の重い展開か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7705-0.7849 AUDYEN 84.11-85.45
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7800 AUDYEN 82.50-85.50
先週豪ドルは週央に欧州通貨軟調にフォローして反落したが、下値は押し目買いにサポートされ、木曜日早朝のハト派的FOMCや予想を上回る2月雇用統計を受けて高値78セント台半ば、85円台半ばまで上昇した。
しかし、結局週末にかけては主要国の株価軟調・リスクオフの流れで、反落して越週した。
発表された2月雇用統計は失業率5.8%(予想6.3%)、就業者数+8.87万人(予想+3.9万人)と強い内容であったが、一方2月小売売上高(速報値)は-1.1%(予想+0.6%)と軟調であった。
今週も米長期債利回りや株価動向を見ながら神経質な動きが予想されが、欧州通貨の軟調が続く場合には豪ドルの上値も重い展開が予想される。
ただ、例年本邦期末に向けて高まるリパトリエーション(豪ドル→円転)の動きは、コロナ下にあって本邦企業や機関投資家の利益送金の規模も限定的であろうし、大きな円買い圧力にはならないだろう。
豪ドルは引き続き76セント台、83円台では押し目買いが強まる一方、上値レジスタンスのある78セント台、85円台をブレイクするには材料不足と言わざるを得ない。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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