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今週の相場見通しby Joe Tsuda (19 April 2021)

19 April 2021

◎<主なイベント>

4/19(月)日本3月貿易収支
20(火)日銀金融システムリポート、アップル新製品発表
21(水)英3月CPI、プーチンロシア大統領演説
22(木)英3月CPI、米3月景気先行指数、新規失業保険申請件数
23(金)日本3月CPI、独/ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)

◎<マーケットの焦点>

世界のコロナ感染者数は141百万人を上回り、死者数はついに3百万人に達するなど、一向に収束の兆しが見られない。日本の累積感染者数は欧州の1/10、米国の1/100ではあるが、直近の一日当たりの感染者数5,000人、死者数50人は累積感染者数世界第6位の英国を上回っているのは不気味である。
ワクチン接種率が依然として1%未満と先進国中で最低レベルの日本が、はたしてワクチン証明書をもったオリンピック選手団を受け入れて問題はないのか?
先週は欧米の株価が続伸して史上高値を更新する中、“リスク選好のドル売り戻し”が顕著となりドル円は108円台に反落し、ユーロは1.20に迫る勢い、ポンドも1.38台に反発した。
米債利回り(10 yrs bond yield)は一時の1.70%台から1.50%台に低下したが、コロナ再拡大の懸念に加えて、バイデン政権の法人税増税計画が明らかになり米経済回復期待がやや後退したこと、また米中・米ロなどの対立の構図が鮮明になりつつあることも世界経済へのリスクと認識されるためだろう。
4月上旬にピークアウトした今回の“ドル高”の背景は年初来溜まったドルショートポジションの巻き戻しであり、調整が終われば更にドルを買い上げるには材料不足であり、上記のドルに対する悪材料も手伝ってドルは反落した。
つまりドルインデックスが91-92辺りの現在のドル水準に対して大きな売り買いのバイアスは現在持っていない。しかしこのままドルが続落するとも思えない。おそらく次のドル上昇は“コロナ収束の兆し”が見え始めた時であろう。
同時に円、ポンド、ユーロに対する潜在的な売り材料は健在である。
ワクチン後進国の日本では緊急事態宣言再導入の瀬戸際であるし、海外からの観客断念などの経済的期待利益の損失は言うに及ばず、開催が迫るオリンピックに対する是非論も円売り材料となろう。
また5/6のスコットランドの議会選挙を巡る思惑はポンド安材料。更に独のポストメルケルを巡る対立やECBのPEPP枠拡大の思惑などを勘案すれば、足元のドル安地合一巡後は再びドル高地合になると考えられる。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―押し目買いにサポートされ堅調推移しよう

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7585-0.7761 AUDYEN 83.03-84.41
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7500-0.7800 AUDYEN 82.50-85.50

先週豪ドルは欧州通貨が対米ドルで反発し、ドルが軟調地合となる中、安値75セント台後半、83円台前半から、77セント台半ば、84円台半ばまで反発した。
IMFの今年の世界経済見通し上昇修正やOPEC月報で石油需要改善見通しが好感されて商品相場(CRB Index)が再び200台に反発したこと、中国のQ1GDPが予想通りに+18.3%上昇したこと、更には発表された国内指標(3月NAB企業景況感、4月WSTPAC消費者信頼感、3月雇用統計が総じて良好であったことも豪ドルをサポートした。
ただ足元世界のコロナ感染再拡大の懸念が強く、豪州経済回復期待もかなり織り込まれつつあることから、上値ターゲットである3月の高値78セント台半ば、85円台半ばを抜くには材料不足と言わざるを得ない。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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