at_money_service
マネー

今週の相場見通しby Joe Tsuda (26 April 2021)

26 April 2021

◎<主なイベント>

4/26(月)独3月ifo企業景況感指数、米3月耐久財受注
27(火)日銀政策会合、中国3月工業利益、米4月消費者信頼感
28(水)豪州Q1CPI、独4月GFK消費者信頼感、FOMC、バイデン大統領演説、OPECプラス閣僚会合
29(木)独4月失業率、米Q1GDP(速報値)、新規失業保険申請件数
30(金)日本3月失業率、中国4月製造業・サービス業PMI、独・ユーロ圏Q1GDP、米3月個人所得収支・PCEデフレーター、4月ミシガン大学消費者信頼感

◎<マーケットの焦点>

先週はドルがアップダウンしたが結局軟調裡に越週。
ドル円は108円を割り、今週は週初からユーロは1.21台、ポンドは1.39台でドル安継続だ。先週は株価も調整売りが目立ったがNYダウなど結局34.000台の週初のレベルを取り戻しており、主要国の株価が堅調を維持している背景は、やはりアフターコロナの景気回復期待が根強いのだろう。
法人税増税に加えて先週はバイデン政権の富裕層へのキャピタルゲイン税増税報道があり、市場の警戒感が高まり、株価不安定でドル安地合となった。
ECB理事会は3月とあまり変わり映えしない内容で、市場が期待したほど強気の内容でもなかった。ラガルド総裁は「ユーロ圏と米国の経済は同じステージではない、ECBの金融政策はFRBとは同じようには進まない」と慎重なスタンスだった。
6月のECB理事会では強気派と弱気派の意見の相違が更に大きくなるとの見方もあるが、もちろんその時までのコロナの進捗状況次第だろう。
ただユーロが上昇する一方ポンドは上値重く、ユーロ/ポンドは0.86台から0.87台に反発している。
一時高まった米景気回復期待がバイデン政権の増税案などで冷やされた感じだが、ワクチン進捗と共に米国の感染被害もやや収まりつつあり、むしろ今週のQ1GDP(速報値)やFOMCを経て、より実体経済に基づいた米景気回復期待が強まるだろう。
バイデン政権の増税策も、よりサステナブルな米財政を視野に入れたものであり、必ずしもネガティブな内容ではない。
3月以降欧州通貨(ユーロ、ポンド)はアップダウンを繰り返しており、このまま一方的なドル安になるとは考えていない。
自民党の補欠選挙惨敗や三度目の緊急事態宣言など、「避難通貨円」と呼びにはあまりにお粗末な日本の実態はいずれ「リスク回避の円売り」につながることだろ。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調推移しようが、そろそろ高値警戒感も

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7690-0.77815 AUDYEN 83.06-84.72
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7650-0.7850 AUDYEN 82.50-85.50

先週豪ドルは欧州通貨高に歩調を合わせて強含み推移し、一時78セント台と3月の高値に並んだがブレイクできずにやや反落。一方対円ではドル円の107円台への続落と相殺し合う形だが、こちらも84円台が重い展開となっている。
一時200を割っていた商品相場(CRB Index)が再び反発して208台まで上昇しており、世界的な株価上昇・リスクオン地合と相まって豪ドルがサポートされている。
ただ先週はモリソン政権が、「ビクトリア州が中国政府と締結した“一帯一路”に関する協定が連邦政府の外交方針と一致しない」として破棄を決めており、豪中関係の対立は簡単には解決しそうにない。
現在は“政冷経熱”の状態で中国の輸入規制にもかかわらず豪中貿易に大きな落ち込みは見られないが、両政府ともに譲歩姿勢を見せておらず、今後の展開いかんでは豪州経済への影響が懸念される。
引き続き豪ドルは下値が押し目買いにサポートされる一方、78セント台、85円台の上値レジスタンスをブレイクするには材料不足といったところだ。

―読者各位―
◎今年は再び豪ドルが主役に!!
小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る!」創刊以来12年)を人気メルマガサイトFOOMII社」からお届けしています。主要通貨+豪ドル=トレーディングのノウハウ満載です!!
今後ともよろしくお願いいたします。
(詳しくはFOOMII社のサイト:https://foomii.com/magazines/をご覧ください)

◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか??
@joetsudaFX
 です。相場の話など意見交換しましょう!!

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら