「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
3 May 2021
◎<主なイベント>
5/3(月)日本“憲法記念日”祝日、米4月自動車販売、米4月ISM製造業景気指数、中国レイバーデー休場(~5/5)、英国休場、G7外相会合(~5/5)
4(火)日本“みどりの日”祝日、RBA理事会、豪州3月貿易収支、米3月貿易収支、パウエル議長発言
5(水)日本“こどもの日”祝日、豪州3月建設許可件数、米4月ADP雇用者数、米4月ISM非製造業景気指数
6(木)中国4月財新サービス業PMI、ECB経済報告、BOE理事会、トルコ中銀理事会、英地方選挙、新規失業保険申請件数
7(金)RBA四半期金融政策報告書、ラガルド総裁発言、米4月雇用統計
◎<マーケットの焦点>
先週はFOMC、バイデン大統領の施政方針演説、米Q1GDP速報値など米国発のニュースが多かった。
係る中、NYダウやS&P500に遅れを取っていたナスダックも史上高値を更新するなど相変わらず米株中心に主要国の株価は堅調に推移した。
またドル円が再び109円台に上昇し、ユーロが1.20台前半、ポンドが1.38台前半に反落するなど、月末のドル需要との指摘もあるが、4月を通して軟調推移していたドルが反発したのもトピックスであった。
FOMCでは大方の予想通りにパウエル議長が慎重姿勢を強調したが、同氏は元々ハト派であることは市場も周知であり、むしろ市場では回復に伴うインフレ期待の上昇から早期出口戦略着手への期待が根強い。
ハト派のカプラン・ダラス連銀総裁の4/29のコメント「債券購入の調整を協議し始めるのは適切」が印象的であった。
発表された米Q1GDP(速報値)は前期比年率が+6.4%と予想値6.7%はやや下回ったものの前回の +4.3%を大きく上回り、米経済が順調に回復しつつあることを示している。
またバイデン大統領の施政方針演説では自身の就任以来の成果を強調し、2兆ドル超のインフラ投資について「第二次世界大戦以来最大の雇用計画だ」と自画自賛。また習主席を専制主義者と呼び、民主主義の優位を示して中国との競争に勝つとの決意を示した。中国の不公正な貿易慣行に立ち向かい人種問題を引き続き提起する考えを示した。更に同盟国と協力し国際協調を重視して諸課題に対処する方針も改めて表明した。世界のコロナ感染が1億5千万人を突破し、一日の感染者数は4月初の50~60万人、死者数8千人前後から5月初では感染者数80万人超、死者数1万4-5千人とむしろ悪化する中、米国の感染者数は6-7万人→4-5万人、死者数1,000人超え→700-800人とむしろ収束の兆しが見えつつあることもバイデン政権の強調するところであった。
一方ラガルドECB総裁は4/22に「米国とユーロ圏経済は同じステージにない、ECBの金融政策はFRBと同じようには進まないだろう」と発言し、4/28にも「最悪期が過ぎたかの断定は時期尚早、短期的なリスクの見通しは下向き」と依然慎重なスタンスだ。一方ワクチン先進国英国には欧米各国が追い付こうとしておりワクチンの先取特権を失いつつある。更に5/6のスコットランド議会選挙でのスコットランド国民党の優勢も気になるところ。(国民再投票の思惑!)
また先週の日銀会合では黒田総裁任期満了の2023年4月までにインフレ率2%目標未達の見通しを示したが、一時的にせよ大幅な物価上昇が見込まれる米欧とは対照的に日銀利上げ開始は益々遠のく一方だ。更にワクチン接種率が遅々として上昇しない日本では、間近に迫るオリンピック開催には未だ反対意見が多い状況で、「リスク回避の円買い??」を取り巻く多くのリスクを日本自身が抱えている状況に変化はない。今週発表の4月の米雇用統計は非常に強かった3月を更に大きく上回るとの事前予想も見られる。総合的に判断すれば「依然としてドル続伸の可能性」があると言えるのではないか?
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―上値やや重い展開か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7696-0.7818 AUDYEN 83.47-85.02
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7600-0.7800 AUDYEN 82.50-85.50
先週豪ドルは上値抵抗線78セント台、85円台まで上昇した後、一時77セント割れ、84円台前半まで調整反落した。ただドル円の再上昇を受けて対円では下値も限定的であった。
豪ドルのサイクルは基本的に欧州通貨の対ドル相場にフォローしており、「豪ドルは米ドルの受け皿」としてドルの強弱に影響を受けざるを得ない。
世界経済回復期待は依然根強く商品相場(CRB Index)は213台と昨年のコロナパンデミック前を上回る水準であり、特に鉄鉱石価格は180ドルと2011年の資源ブーム時に迫る勢いだ。ただ先週発表されたQ1CPIは事前予想をやや下回り、特にRBAに重要視するアンダーライイング・インフレーション(コアインフレ率、前年比)は+1.2%とRBAのターゲット2-3%を依然大きく下回っており、今後ともRBAの出口戦略の大きな足かせになりそうだ。おそらく明日のRBA理事会や金曜日に発表されるRBAの“四半期金融政策報告書”においても懸念事項として指摘されるであろう。
豪ドルは先週も3月の高値78セント台、85円台に並びかけて失速したが、引き続き同レベルをブレイクするには材料不足あるが、一方下落局面では押し目買いが活発化して下値がサポートされる展開がしばらく継続しそうだ。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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