「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
10 May 2021
◎<主なイベント>
5/10(月)4月NAB企業信頼感・景況感、シカゴ連銀総裁講演
11(火)日銀“主な意見”、中国4月CPI/PPI、独5月ZEW景況感指数、米3月求人件数、ベイリーBOE総裁講演、FRB(ブレイナード理事、SF連銀総裁、NY連銀総裁)講演、OPEC月報
12(水)日本3月景気動向指数、英Q1GDP、欧州委員会経済見通し公表、ベイリーBOE総裁講演、クラリダFRB理事講演
13(木)日本4月景気ウオッチャー調査、米4月PPI、新規失業保険申請件数、ベイリーBOE総裁講演、セントルイス連銀総裁講演
14(金)米4月小売売上高、米4月鉱工業生産
◎<マーケットの焦点>
先週は株高・ドル安が進行した。ドル高予想は脆くも崩された、、、
4月以降世界のコロナ感染収束が見られないことやバイデン政権の増政策などがリスク要因とされ、一時強まった米経済回復期待がやや後退していることは否めない。しかし根底のコロナ収束期待が消滅したわけではなく、特に米国には収束の兆しが見られることや、FRBのテーパリング観測後退から、むしろNYダウ、S&P500、ナスダックの3指標とも先週あるいは先々週と史上高値を更新した。
先週のドル下げの主因はもちろん市場予想を大きく下回る4月の雇用統計であるが、サプライズとはいえnfprは26.6万人増加七るわけだし、係るビッグギャップの後には来月上方修正がくる可能性にも留意したい。
今回の4月雇用統計で以下二点にフォーカスしたい。
1.予想値とのビッグギャップ(予想は+97.5万人)―50万人以上の予想値との乖離は、さすがボラタイルで有名な米雇用統計史上でも珍しい。過去3年を見れば50万人以上のギャップは2件あった。1件は今年2月分で、+15万人予想に対して結果は+79万人であったが、翌月+46.5万人に下方修正された。またパンデミック混乱期の昨年5月分は、-825万人予想に対して結果は+250.9万人であり、これは翌月+269.9万人に更に上昇修正されている。
2.今回の数字乖離の原因
既に色々分析されているが、いくつかの原因が考えられる。
①旺盛な需要への企業対応が遅れて雇用が追い付かない。雇用指数は“遅行指数”であるが、今回は需要減退よりは労働供給が追い付かない“雇用のボトルネック”的な要素が大きいのではないか。
②政府の失業保険拡充が労働の供給を制限した(労働意欲の減退?)との見方。
③“雇用されているが休暇中”の人々の動向がかく乱要因に。
ただ言えるのは、昨年は890万人の雇用が失われ、今年は4月分まででやっと166万人を回復した状況であり、コロナからの回復過程にあって係る数字の“歪み”が発生するのは避けられないだろう。係る50万人以上の乖離は例外としても過去3年間、予想から1万人以上乖離する数字は翌月修正されているケースが多い点は留意する必要があるだろう。
更に言えば、世界的に依然確固たるコロナ収束を確認できない状況ではあるが、米経済は紆余曲折がありつつ回復に向かっているということであり、少なくとも「景気後退への逆戻り」と考える必要はないのではないか?
さて、ドルは下落したが、米雇用統計以外にも注目していた、「スコットランド議会選」での独立派勝利や、ジョンソン首相の舌禍疑惑や官邸リフォーム費用の出所問題などの政治的材料は米ドル安の流れの中全く無視されている。
今回の米雇用統計が一時的な“歪み”であるのであれば、あまりこのドル売り材料に拘るべきでなないと考えるのだが、、、
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―“ドル安/豪ドル高”だがレジスタンスブレイクは難しい
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7676-0.7862 AUDYEN 83.93-85.31
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7700-0.7900 AUDYEN 83.50-86.50
先週豪ドルは米雇用統計を受けたドル全面安となる中、4月の高値を抜いて78セント台半ば、対円でも3月の高値85.45に迫るレベルに上昇した。
ドル円は108円台に下落したが基本的には対主要通貨での“クロス円の堅調”地合が豪ドルにも影響している。
米国はじめとしたG7各国と中国との対立が深まることは中国を最大の貿易相手国とする豪州にとって依然悪材料ではあるが、商品相場(CRB Index)は昨年のパンデミック前を上回る水準に上昇しており(220近辺)、豪ドルサポート要因となっている。
金曜日に発表されたRBAの「四半期金融政策報告書(SOMP)」では「景気回復は予想を上回るが金融政策は依然緩和的であり、インフレ・ターゲット(2-3%)達成まで利上げは行わず、2024年以前ではないだろう」と再度慎重姿勢を強調した。
ただ長期金利(10年債利回り)は今年に入ってから豪州債が米国債のそれを上回った状態であり、市場はRBAの声明より早い“出口の可能性”を既に模索しているようだ。
豪ドル円には依然として“伸びしろ”がある一方、対ドルでは今年2月につけた80セントを抜くには材料不足であり、78セント台に達して市場の買いポジションも積み上がりつつある点には留意すべきであろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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