「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
31 May 2021
◎<主なイベント>
5/31(月)中国5月製造業/非製造業PMI、トルコQ1GDP、インドQ1GDP、OECD経済見通し、OPECプラス共同技術委員会、米英休場(メモリアルデー)
6/1(火)RBA理事会、豪州4月住宅建設許可件数、豪州Q1経常収支、中国%月財新製造業PMI、独/ユーロ圏5月失業率、米5月ISM製造業景況指数、OPECプラス閣僚級会合、ベイリーBOE総裁講演
2(水)豪州Q1GDP、米5月自動車販売、FEDベージュブック、金融と気候変動を巡る会議(グリーンスワン2021~4日)
3(木)豪州4月貿易収支、中国5月財新非製造業PMI、米5月ADP雇用者数、新規失業保険申請件数
4(金)台湾Q1GDP、米4月製造業受注、米5月雇用統計、パウエル議長・ラガルドECB総裁グリーンスワン2021参加、G7財務相会合
◎<マーケットの焦点>
早いもので今週から6月である。
コロナ状況は世界的に感染拡大がやや鈍化しているが(5月中旬世界で70万人を超えていた日々の新規感染者数はやっと50万人を割ってきた)、まだ収束に向かいつつあるとは言えない。5月の月初と先週末の各通貨のレベルを見ると:
ドル円109.00→109.86、ユーロ1.1986→1.2190、ポンド1.3800→1.4185、ユーロ円130.98→133.86、ポンド円150.87→155.82、豪ドル0.7675→0.7710、豪ドル円83.93→84.70
まとめると「円安、ドル安」であり、特に円クロスは月初から一方的に上昇してきた。ユーロやポンドは筆者の読みに反してむしろ上昇して終わっている(汗)。
主要国では足元のインフレ上昇懸念が高まっているが、「一時的な現象」との認識が一般的だ。インフレ期待度に比例して一時1.70%を超えていた米債利回り(10年債)も足元では1.50%台にやや低下している。
“コロナ収束期待は依然根強い一方、インフレ懸念が深刻化しない”というリスク選好地合にあって、今月も各国の株価は史上高値を更新した。
史上高値を更新した主な国は米国、独、仏、伊、カナダ、ブラジル、インドなど。要はこの株高は世界的傾向であり、特に“コロナ感染トップ3”である米国、インド、ブラジルで株価が史上高値を更新しているという不思議な現象が起きている。
ドル、ユーロ、ポンド、円の関係で見れば:
米国は先週もバイデン政権がインフラ整備を中心に置いた6兆ドル規模の2022年度予算案を公表し市場に好感された。先週は新規失業保険申請件数が改善を示しており、足元の雇用に対する懸念が払しょくされるか?金曜日の5月雇用統計に注目したい。
予想値は失業率5.9%(前回6.1%)、nfpr+65万人(前回は驚きの(悪い)+26.6万人であった)。先月分が上方修正されるかもポイントだ。
5月は結果として欧州通貨(ユーロ、ポンド)が上昇した。米国よりもECBのテーパリングが早いとの思惑や、ワクチン普及率の改善が欧州通貨買戻しを誘ったが、ただECBは執拗に緩和継続の必要性を強調している。また足元の円安の背景は日本でのワクチン普及率の低さと東京オリンピックを巡る不透明感があるだろが、筆者は、「オリンピックは開催される」と読んでいる。ただオリンピック中止の場合の株価軟調は言うに及ばず、開催されたとしてもリスク選好地合につながるとは考えていない。
もしオリンピックに起因して「リスク回避の円買い」よりも「失望による円の軟調」が今後継続するのであれば、“やはり市場の見方が徐々に日本売り=円売りに傾きつつある証拠”ではないだろうか?
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―徐々に上値重い展開だが豪ドル円は堅調維持
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7677-0.7796 AUDYEN 84.20-85.15
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7600-0.7800 AUDYEN 83.00-86.00
先週豪ドルは週初前週の弱い4月雇用統計の影響残り軟調裡にスタートしたが、世界的な株価上昇・リスクオン地合の中、商品相場(CRB Index)も再び218台まで上昇し豪ドルは78セント近辺に上昇したが、週末にかけて77セント台前半に調整反落。一方対円ではドル円の110円台への上昇を受けて85円台に上昇し、その後も84円台半ばから後半を維持している。
今週は月初恒例の“豪州週間”でRBA理事会、Q1GDP、4月住宅建設許可、4月貿易収支などが発表になる。RBA理事会では金融政策の変更は予定されず、一方年比でプラス圏に復帰する見込みである。
バイデン政権は引き続き対中強固姿勢を明確にしており、ここに来て豪中関係の先行きを危ぶむ声も聞かれる。
足元は世界経済回復期待から商品相場は堅調であるが、一旦世界経済が正常化し始めれば、むしろ豪中関係が再びクローズアップされる可能性があるだろう。
米ドル堅調地合に転じる場合には「米ドルの受け皿」である豪ドルの上値が重くなることが想定されるが、対円ではドル円が続伸する場合には、目先のレジスタンスである85円台をクリアして上伸する可能性が出てくるだろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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