「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
7 June 2021
◎<主なイベント>
6/7(月)日本4月景気動向指数、中国5月貿易収支、中国5月外貨準備高、アップル世界開発者会議(~11日)
8(火)日本Q1GDP(確報値)、日本5月景気ウオッチャー調査、独6月ZEW景況感指数、米4月貿易収支、米4月求人件数
9(水)中国5月CPI/PPI
10(木)ECB理事会、米5月CPI、新規失業保険申請件数、OPEC月報
11(金)日本景気判断大企業・全産業(Q2)、G7首脳会議(英国、コーンウオール~13日)
◎<マーケットの焦点>
6月に入り世界のコロナ感染者累計は1億7千万人を突破し(約8割は回復)、死者は3.7百万人を上回っているが、コロナ感染1位米国、2位インド、3位ブラジルでの感染者数はピークアウトしつつあり、一時70万人を超えていた世界の1日の感染者数も30万人台まで縮小してきた。
因みに1980年代後半から猛威を振るったAIDSの患者数は全世界で約75百万人、そして死者数累計は約32百万人という統計もある。
コロナの感染者数はAIDSの倍以上であり、一方死者数は1/10ということになるが、、、
5月末OECDは「世界経済見通し」を発表したが、今年の世界経済成長率を前回3月の5.6%から5.8%に上昇修正し、来年の見通しも4.0%から4.4%に上方修正した。
先進国中心としたワクチン接種の進展と各国政府の景気支援による需要増が上方修正の理由とした。
また国別(地域別)では米国、ユーロ圏、英国、中国ともに今年の成長見通しを上方修正したが、日本だけは2.7%から2.6%に下方修正した。理由は依然として緊急事態宣言下にあることやワクチン接種率の低さを挙げている。
このOECDの日本の成長率下方修正も影響したか、先週は円全面安となりドル円も金曜日の米雇用統計前までは110円台に上昇していた。
また5月末の米予算教書におけるバイデン大統領のインフラ整備を主眼とした6兆ドル規模の来年度予算案を発表したが、これを好感して米株はじめ主要国株価は先週も続伸。特に5月のADP雇用者数が97.8万人増となり、「インフレ率は高いが、雇用が懸念」というFRBの慎重姿勢に変化が訪れるとの見方が急浮上した。
足元の株高は世界的な傾向であり、先週は米株の上昇にややブレーキがかかる一方、欧州(独、仏、伊、スイスなど)、アジア(インド、豪州)、ブラジル、カナダなど軒並み株価は史上高値を更新している。
また、バイデン政権は国内景気サポートのみならず、中国軍と関係のある防衛・監視分野の中国系企業59社の株式売買を禁止し、対ロシアでもスパイ行為やサイバー攻撃を理由に強固策を鮮明にしつつある点は要注意であろう。
先週はロシアの政府系ファンドが米ドル資産の全面削除を発表したが、これもバイデン政権の強固策への報復であろう。ただ、ロシアファンドも米ドル資産を投げ出す前に、「誰もロシア資産をポートフォリオに組みたがらない」という事実を直視すべきと考えるが。
先週金曜日発表の米5月nfprは、強いADP雇用者数やその他雇用関連指数より100万人超えの予想も出る中、55.9万人増(前回の非常に弱かった26.6万人も27.8万人への微増修正)は予想値上限の約半分で再び失望を誘った。
しかし雇用のボトルネックもさることながら、政府の手厚いHandout(救済)のある中、今すぐ労働を始めるモチベーションに欠くのは事実であろう。
OECDの分析が正しければ今年の米国GDP+6.9%は英国の+7.2%(この予想は疑問!)を除く先進国No1であり、特に下方修正を食らった日本の2.6%との格差は大きい。
筆者の主張したいのは米ドルの強弱よりは「むしろ“円安のマグマ”が地下で徐々に大きくなっているのではないか?」ということ。
景気格差、コロナ格差に加えて、オリンピックがあろうがなかろうが、オリンピックが日本再浮上のターニングポイントになる可能性が極めて小さいと感じる。
「避難通貨“円”の避難場所」を探す必要性を感じる。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―売り買い交錯だが徐々に上値重く
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7645-0.7773 AUDYEN 84.30-85.19
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7600-0.7800 AUDYEN 83.00-86.00
先週豪ドルは週初欧州通貨高につれて77セント台後半、85円台前半をテストしたが、5月以降何度も跳ね返されている同レベルをブレイクできず、ドル高地合の中金曜日の米雇用統計前には76セント台半ば、84円台前半まで反落。
しかし予想より弱い米雇用統計を受けてドルが反落する中77セント台半ば、84円台後半まで反発して越週した。
商品相場(CRB Index)は相変わらず220超と堅調であり、特に豪州最大の輸出鵜品目である鉄鉱石価格は依然として200台の史上高値圏にある。
この交易条件の改善は資源通貨豪ドルのサポート要因であることは間違いない。
しかし米中関係の悪化がそのまま豪中関係にも影響しており、市場は早くもアフター・コロナにおける豪中摩擦の行方を懸念し始めているようだ。
もっともリスクオン地合における世界的な株高や商品相場の堅調が半ば常識化しつつある中、このリスクオンムードが変調を来せばもちろん豪ドルは最初にその影響を受けることになるのだが。
ただそれは今現在ではリスクシナリオでありメインシナリオとは言い難い。
足元のリスクオンが継続するならば、豪ドルは下値が押し目買いにサポートされ、再び78セント台、85円台のレジスタンスをテストする動きが予想される。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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