「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) ...
21 October 2024 ◎<ポイント> ―150円台定着は容易ではなく、、、― ・今週の予想レンジ:148.00-152.00 先週のレンジ…
21 June 2021
◎<主なイベント>
6/21(月)ラガルドECB総裁講演
22(火)パウエル議長議会証言、NY市長選予備選
23(水)独/ユーロ圏6月製造業PMI、米6月製造業PMI
24(木)黒田総裁挨拶、6月月例経済報告、ECB経済報告、BOE理事会、6月独ifo景況感指数、EU首脳会議(~25日)、FRBストレステスト結果公表、新規失業保険申請件数
25(金)米5月個人所得支出
◎<マーケットの焦点>
先週は金融市場に変化が起こった。
主要国の株価は下落に転じ、ドルが上昇した。
最大の原因はFOMC。今年の成長及びインフレ見通しが上方修正され、2023年末までに2回の利上げが示唆された。また2023年中の利上げ派が従来の7名から13名に増えた。
会見でパウエル議長は「経済成長は力強さを持続も見通しに対するリスクが残る、より多くのデータを見る必要がある、インフレ上昇は一時的な可能性が高い」など慎重な姿勢を強調したが、市場の米金利先高観が高まり、特に資産購入ペースの縮小先送りを決定したECBとFRBとの金融政策格差に市場は注目した。
このFRBによるテーパリングの前倒し観測により、米国はじめ主要国の株価はFOMC前とは一変して軟調に転じ、NYダウは水曜日以降週末までに約1,000pts値を下げ、本日日経平均も900ptsを超えて下落している。
為替市場では特にドルが欧州通貨や資源通貨に対して急上昇し、一方円は株価急落・リスクオフの円買いが加わってクロスで急落する一方、ドル円はここまで110円台を維持している。
年初来ワクチンの展開によるコロナ収束や経済回復期待が強い一方、主要国の金融緩和は当面続くという、いわば“ゴルディロックス経済”志向が世界の株価を史上高値圏に押し上げてきたが、予想を上回るFOMCによるテーパリングの前倒し観測がこの“ゴルディロックス経済”志向に冷水を浴びせた形だ。
ただコロナ後を見越した主要国の出口戦略の開始はいわば“時間の問題”であり、米国の姿勢にECBや資源国も早晩フォローすることになろう。しかしそれは世界経済正常化の過程における“当然の事象”であり、世界経済回復への期待が利上げによる株価下落懸念をいずれ上回ることになろう。
したがって、先週のFOMCによるインパクトはいずれ市場に吸収されることになろう。係る主要国の動きに対して、たとえ縮小型のオリンピック・パラリンピックが開催されたとしても、日本経済復活の引き金になるとは考え難く、また目の前のデフレ懸念が払しょくされるわけではない。コロナやオリンピック後に残ったものが「巨額の財政赤字」だけという状況になれば、益々日本売り=円売りの可能性が強まろう。(詳細は、本日のセントラル短資FX社のマーケットビューの筆者寄稿「そろそろ円安がのぞましいのでは?」をご覧いただきたい)
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―下値リスクが意識される
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7477-0.7726 AUDYEN 82.40-84.94
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7400-0.7600 AUDYEN 82.00-86.00
先週の豪ドルは年初来の堅調地合から離れて大幅に下落した。
豪ドルは昨年12月以来の安値74セント台後半、対円でも3月後半以来の安値82円台半ばまで下落した。
原因は先週のFOMCにおいてテーパリング前倒し観測の高まったこと。
米豪金融政策格差に基づくドル上昇と、米金利上昇懸念によるリスク回避から主要国の株価及び商品相場が反落し、豪ドルを一気に押し下げた。
また先々週のG7サミットにおいて主要国と中国との対立が鮮明になり、オブザーバーとして招待されたモリソン首相が中国の輸入制限問題をG7の場で訴えたことも豪中関係の悪化懸念となって豪ドルへの重石となりつつある。
豪ドルは年初からワクチンの普及によるコロナ収束や世界経済回復期待を背景とした商品相場の大幅上昇(鉄鉱石価格は230ドルの史上高値を更新)にサポートされて、80セント台前半、85円台後半まで上昇した。
しかし今回の米FOMCを契機に主要国の出口戦略が表面化すれば、RBAの緩和継続姿勢との金融政策格差、及びアセット市場の下落がリスク回避となって豪ドル悪材料と解釈される。
ただコロナ収束による世界経済の回復は豪州経済にとってもサポート要因である。年初来の豪ドル買いポジションの調整が一通り終われば、豪ドルも徐々に底入れすると予想する。下値ターゲットは昨年12月の72-73セント、今年2月の80円レベルか。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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