「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
5 July 2021
◎<主なイベント>
7/5(月)豪州5月住宅建設許可件数、中国6月財新サービス業PMI、日銀支店長会議、日銀地域経済報告、米国振替休日
6(火)RBA理事会、独/ユーロ圏ZEW景況感指数、米6月ISM非製造業景気指数、ECB戦略点検に関する特別会合
7(水)日本5月景気動向指数、欧州委員会景気見通し、米5月求人件数、FOMC議事録
8(木)日本6月景気ウオッチャー調査、日銀生活意識アンケート調査、日本5月国際収支、米新規失業保険申請件数
9(金)中国6月CPI/PPI、G20財務相・中央銀行総裁会議(~10日)
◎<マーケットの焦点>
先週はドル高が進行し、ドル円は一時111円台後半と昨年3月以来の高値を付け、一方米株各種指標は軒並み史上高値を更新した。
発表された6月米雇用統計ではnfprが+85万人と予想値69.5万人を上回ったが、一方失業率は5.7%予想に対して5.9%に悪化するなど、チグハグナ結果となった。
ただ、依然として米政府によるコロナ支援金が継続支給されている中、特に低賃金層の労働インセンティブがなかなか上がらない状況や、コロナ禍からの回復期にあることを思えば、月次雇用統計のフラクチュエーションにはあまり一喜一憂しない方が良いだろう。
いずれにしても米株価は「雇用は改善しているが緩和縮小の決定打とはならない」状況を好感。NYダウこそ5/10の35,000ドルワンタッチには及ばないものの、S&P、ナスダックともに史上高値を更新して越週した。
引き続き市場の焦点は、米国中心とする各国の出口戦略、コロナのデルタ変異株動向、東京オリパラ、米中関係、英国とEUの摩擦再燃、、など。
コロナ関連では5月まで顕著であった世界的な収束傾向が、変異株の出現によりここに来て足踏み状態。英国などでは一時千人台まで減っていた一日の感染者数が6月後半より2万人を超えて、ジョンソン首相はロックダウンの4週間延長を余儀なくされた。
また先週の中国共産党創建100周年式典では、予想通りに習主席は中国共産党の一党支配の正当性を強調するとともに、台湾問題などに関連して「いかなる外部勢力も我々をいじめ、圧迫することを妄想すれば必ず悲惨な失敗になる」と米国をはじめとする国際的な圧力に強く抵抗した。
ただコロナ起源問題に対する国際社会の圧力は、来年2月に迫った北京冬季五輪のボイコットへ発展する可能性もある。内には少子高齢化や格差社会など多くの問題を抱えて、強気な習体制とは裏腹に“内憂外患状態”が更に悪化する可能性もあるだろう。
今週は日銀支店長会議が開催されるが、コロナ禍からの回復局面においても日本の景況感はG7国中最低であり、黒田総裁の言を待つまでもなく日本のテーパリングの目途は一向に立たない。
先週はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の20年度運用実績が発表され、前年比+25.15%の過去最高の運用益を上げたとのことだが、国民の年金資金の運用を一手に請け負うこのファンドは運用資産の約半分を外物投資しており、「国民の生活」を守るためにも“円安が必要”であることは“自明の理”である。
日本の貿易黒字構造が劇的に変化した今、年初来の円先高観が後退している今こそが円のレベルダウンを図るグッドタイミングといえるのではないか?
筆者の持つ中長期的ターゲットである150円に「一気に行くべき」などとは言わないが。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―底値は離れたが依然上値が重い展開か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7445-0.7604 AUDYEN 82.81-84.25
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7400-0.7600 AUDYEN 82.00-85.00
先週の豪ドルは週初76セント台前半、84円台前半の高値を付けが、週末にかけて一時74セント台半ば、82円台後半まで反落。米雇用統計後のドル反落を受けて75セント台前半、83円台半ばに反発して越週したが、依然頭が重い状況だ。
引き続き主要国の株高や、商品相場の反発(CRB Indexは228台まで反発、特に原油価格と鉄鉱石価格の上昇がポイント)がサポート要因となっているが、一方デルタ変異株の感染拡大によるシドニー全域のロックダウンや豪中関係の悪化懸念が売り材料となっている。
足元のドル高基調が今週も継続する場合は豪ドルの上値も限定的と言わざるを得ない。
今週はRBA理事会が開催されるが、今後の焦点は「主要国での出口観測を受けて、いつRBAの慎重姿勢に変化が訪れるか」という点であろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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