12 July 2021

◎＜主なイベント＞

7/12（月）東京4度目緊急事態宣言、EU外相理事会、ユーロ圏財務相会合（イエレン財務長官出席）
13（火）6月NAB企業信頼感・景況感、中国6月貿易収支、米6月CPI、EU財務相理事会
14（水）NZ中銀理事会、7月WESTPAC消費者信頼感、トルコ中銀理事会、カナダ中銀理事会、英6月CPI、米6月PPI、パウエル議長下院金融委員会議会証言、FEDベージュブック
15（木）豪州6月雇用統計、中国Q2GDP、中国6月小売売上高・鉱工業生産、米独首脳会談、パウエル議長上院銀行委員会議会証言、OPEC月報、新規失業保険申請件数
16（金）日銀金融政策会合、米6月小売売上高

◎＜マーケットの焦点＞

先週は新型コロナウィルスのデルタ変異株が世界的に感染再拡大したこともあり市場のリスク回避の動きが活発化した。週初米債利回りが再度上昇したことや係るコロナ関連のリスク回避の動きで株価が不安定となったが、週末にかけて株価は持ち直し米株各指標共に史上高値を更新している。
ただリスク回避局面においては依然“旧方程式”による円買いが活発化。
前週111円台後半まで上昇したドル円は一時109円台半ばまで反落したが、週末にかけてリスク回避の動きも一服で110円台を回復して越週した。
ドルインデックス自体はやや軟調であったが、前週に引き続き92台前半中心の揉み合いであった。ECBが戦略見直しの内容を公表し、インフレ目標を2%に引き上げると同時に2%を挟んで上下の幅を持たせるシンメトリカル（対照的）に変更。
緩和姿勢の強化となるが市場の想定内で、ユーロは1.17台後半から1.18台後半に調整買戻し。また英国はデルタ株の感染急拡大にあって、死者・重傷者ともに増加が食い止められていることから、ジョンソン首相は7/19に大半の制限措置を解除する計画を発表。週末のウインブルドン・テニスやサッカーのEURO決勝には大勢の観客が押し寄せた。1.37台まで下落していたポンドも一時1.39台まで大幅に反発した。
今週の焦点はパウエル議長の半期に一度の議会証言や中国のQ2GDP、米国の6月CPIや小売売上高など。
ドルの一方的な上昇に否定的な見方は正解のようだが、相変わらず“安全通貨円の神話”を覆す代替通貨が現れる兆候もなく、ドル円が111円台から一時109円台まで反落。ドル円ロングの市場ポジションから言えば、反落は当然と言えば当然だが、徐々に『円安の“必要十分条件”』が整いつつあるとの見方を変更していない。
東京緊急事態宣言下でのオリンピックを来週に控え、世界の注目が日本に集まることになるが、果たして大過なく通過することができるか？
何らかの不具合が発生すればやはり市場の初期反応は「リスク回避の円買い」となりそうだ。

◎＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―一旦底入れしたが依然上値が重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7409-0.7545  AUDYEN  81.32-84.19
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7400-0.7600  AUDYEN  81.50-84.50

先週の豪ドルはRBA理事会で9月から週間の国債買い入れ額を現在の50億豪ドルから40億豪ドルに減額したことがテーパリング開始のサインと受け取られ、一時75セント台半ば、84円台前半に反発した。
しかし豪州国内でのデルタ株感染拡大を受けたロックダウン実施の報もあり、徐々に軟化して再度74セント台前半、81円台前半まで反落し、週末にかけてやや戻して越週した。
RBA声明では予想を上回る景気回復を背景に9月から国債購入規模の縮小計画が明らかになったが、雇用やインフレターゲット達成まで緩和政策を継続し、利上げの中心シナリオは2024年とする方針は変えていない。
今週は中国Q2GDPや6月の国内雇用統計などの重要指標が発表されるが、このところ軟調が気がかりな6月NAB企業信頼感・景況感や7月WESTPAC消費者信頼感と併せて注視したい。
世界的な感染再拡大傾向の中、株価や商品相場に未だ大きな調整は見られないが、6月のリスク選好地合の勢いを失いつつある点にも留意したい。

―読者各位―

◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか？？
@joetsudaFX　です。相場の話など意見交換しましょう！！