「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
16 August 2021
◎<主なイベント>
8/16(月)日本Q2GDP(速報値)、中国7月鉱工業生産・小売売上高、8月NY連銀製造業景気指数
17(火)中国全国人民代表大会常務委員会会議(~20日)、パウエル議長タウンホール会議(質疑応答)、米7月小売売上高
18(水)NZ中銀理事会、日本7月貿易収支、英7月CPI・PPI、FOMC議事録
19(木)豪州7月雇用統計、米新規失業保険申請件数
20(金)日本7月CPI、中国最優遇貸出金利決定
<マーケットの焦点>
早いもので東京オリンピックが遠い昔のように思え(年食ったせい?W)、日本は2万人超の新規感染と大雨のダブルパンチを受けている。
先週は、予想より厳しい“しっぺ返し”があった。
つまり先々週の強い米雇用統計による米景気回復期待が、早くもしぼんでしまった。まず発表された7月の米CPIはFRBの指摘に合わせるかのように5.4%の前月値で頭打ちとなり、コア指数が0.2pts下がっただけで、金利先高観が更に後退してドルが売られた。ドル円は簡単に(フロアとなるはずの?)110円を割り込んだ。
悪いニュース(ドルにとって)は重なるもので8月のミシガン大学消費者信頼感が81.2の予想値に対して70.2と大幅悪化しドル売りに追い打ちをかけた。
こうなるとここまで景気格差・インフレ格差により買われてきたドル買いの崩しが入る。確かに昨年の米GDPはQ2のデザスタラスな-31.7%からQ3は一気に+33.1%にバウンスバックした。しかしその後は失速とまでは言わないものの+4~+6%に落ち着きを見せ、今年Q2のユーロ圏+13.7%、英国+22.2%と比較すれば米国は見劣りする。
しかしこれは米国の昨年Q3の巻き返しが群を抜いていたわけで、今年通年のGDP予想値(IMFによる)米国+7.0%、ユーロ圏+4.6%、英国+7.0%を覆すものではない。
皮肉なもので米国ではインフラ投資法案が上院で可決され、加えてインフレ一服感が出てきたことからNYダウは連日史上高値更新となり、再び「株高・ドル安」の様相を呈し始めた。
加えて日本のコロナ感染急拡大(一日2万人を突破し、過去1ヵ月の増加数は世界で17位にジャンプアップ)と緊急事態宣言再延長を読んだ旧方程式「リスク回避の円買い」。
筆者の「円安必要論」の前提は“ワクチン接種進展によるコロナ収束シナリオ”に基づくが、もし日本のコロナ収束が覚束ない場合。
更なる日本の景気や財政の悪化、デフレ進行により、いよいよ円の安全通貨たる資質が損なわれ、市場が自律反転的に“円離れ”を加速させるか、そうなる前に日本の当局がG20に“ファンダメンタルズを逸脱した円高是正を訴えるか、、、
いずれにしても足元の旧方程式「リスク回避の円買い」が長期トレンドになることは想定しない。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―反発したが依然上値は限定的
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7316-0.7389 AUDYEN 80.71-81.58
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7200-0.7400 AUDYEN 79.50-82.50
先週豪ドルは年初来の安値圏で揉み合う展開となった。
シドニーやメルボルンなど大都市部のロックダウンが長期化しており、また首都キャンベラも先週約1年ぶりにロックダウンが導入されなど、デルタ株の感染拡大から再度国内景気への影響が懸念された。
発表された7月NAB企業信頼感・景況感や8月WSTPAC消費者信頼感は再び大幅悪化したが、今週発表される7月雇用統計の予想値は、ロックダウンの影響から失業率が4.9%から5.0%に悪化し、就業者数はマイナス5万人となっている。
久しぶりに就業者数が減少となれば景況感は更に悪化するだろう。
内外の感染再拡大を嫌気して一時220ドル台まで上昇していた鉄鉱石価格は先週167ドル台まで大幅下落した。
また今週水曜日のニュージーランド準備銀行理事会では利上げ予想が出ているが、たとえ今週利上げがなくても、両国金融政策格差からAUDNZDは暫く軟調推移が予想される。
加えてドル円反落から豪ドル円も節目の80円を再び割り込む可能性があり、係る豪ドルクロスの軟調も豪ドルドルの重石となるだろう。
世界的にデルタ株の封じ込めに成功しない限り豪ドルの大きなリバウンドは期待できない。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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