23 August 2021

◎＜主なイベント＞

8/23（月）8月独・ユーロ圏製造業PMI（速報値）、8月ユーロ圏消費者信頼感24（火）東京パラリンピック(～9/5)、キャシー・ホークル氏NY州知事に就任
25（水）8月独ifo景況感指数
26（木）9月独GFK消費者信頼感、Q2米GDP（改定値）、米新規失業保険申請件数、カンザスシティー連銀総裁主催ジャクソンホール年次シンポジウム（～28日）
27（金）7月豪州小売売上高、7月中国工業企業収益、7月米個人所得収支、7月米PCEデフレータ、パウエル議長経済見通しをテーマに講演（ジャクソンホール・シンポジウムにて）

＜マーケットの焦点＞

先週は週初にNYダウやS&P500が史上高値を更新したもののその後リスク回避ムードの中調整反落した。発表された米指標（NY連銀景気指数、小売売上高、住宅着工、フィラデルフィア連銀景気指数など）がいずれも予想を下回り、デルタ株の再拡大とともに米景気減速懸念が再燃した。
また中国におけるIT規制の強化を嫌った中国株の下落やアフガニスタンにおけるタリバン攻勢などもリスク材料視された。
為替市場では「リスク回避のドル買い・円買い」が活発化し、ドルインデックスは93.75と年初来高値を付けた。
ユーロは1.16台半ばと年初来安値を更新し、ポンドも1.36台に連れ安。特に世界景気動向に敏感に反応する豪ドルやNZドルなど資源国通貨や新興国通貨に売りが集中し、豪ドルは71セント台前半、77円台後半、NZドルも68セント台前半、75円台前半（2月以来の安値）まで年初来安値を更新している。
ドル円はこの「ドル高・円高」を受けた売り買い交錯で109円台中心の揉み合い相場となった。109円台前半でドル決済のための押し目買いが強い一方、110円台前半では上値の重い展開が続いた。
今週は26日～28日にカンザスシティー連銀総裁主催ジャクソンホール年次シンポジウムが開催されるが、特に27日にはパウエルFRB議長が経済見通しをテーマに講演する予定で注目される。
デルタ株の再拡大が懸念される中、果たして年内テーパリング開始に言及するか？
足元再びリスクオフのドル買い・円買い相場となっているが、ドル円については「ドルと円の綱引き」の結果、いずれ現在の均衡が破られるだろう。
年末にかけてドル買い需要が徐々に強まる例年のパターンを勘案すれば、110円台のレジスタンスをブレークして、秋口にかけてそろそろ上方モメンタムが強まる展開を予想する。

◎＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―年初来の安値更新したが、依然上値が重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7105-0.7371  AUDYEN  77.89-80.81
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.70500.7250  AUDYEN  77.00-80.00

先週豪ドルは、予想したよりも下げ速度速く、対ドルで年初来安値71セント台前半、対円でも77円台後半と2月以来の安値をつけた。
NSW州でのデルタ株感染者数が連日過去最高を記録して主要都市でのロックダウンが9月末まで延長され、国内景気への懸念が強まった。
前週発表された7月企業信頼感や8月消費者信頼感の悪化に続いて、先週発表された7月雇用統計（就業者数）は-5万人の予想に対して+2.2千人で、失業率は4.6%に改善した。
しかし昨年3月のパンデミック時もマイナス予想に対して若干プラスとなった後、4月に大幅なマイナスを記録したことを市場は覚えており、悲観的な景況感を覆すことはできず豪ドルは続落した。
また内外のデルタ株拡大や中国での国内規制強化の動きを嫌って鉄鉱石価格が一時の220ドルから160ドル台に、また原油価格も62ドル台に下落するなど、商品相場の軟調も豪ドル悪材料視された。
RBAは今月の理事会で9月以降の国債買い取りペースの減額を発表したが、同時に「状況次第では再調整」とも言っており、今回のデルタ株拡大で出口戦略が再び遠のいた可能性も否定できない。
国内外のデルタ株の収束なしでは豪ドルの目立ったリバウンドも難しい状況が今週も継続しそうだ。

―読者各位―

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