「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
30 August 2021
◎<主なイベント>
8/30(月)英国休場(サマーバンク・ホリデー)、インド・トルコ休場、日本7月小売販売額、ユーロ圏8月消費者信頼感(確報値)
31(火)日本7月雇用統計、中国8月製造業・非製造業PMI、米8月消費者信頼感、8月シカゴ購買部協会景気指数、米軍アフガニスタン撤退期限
9/1(水)豪州Q2GDP、中国8月財新製造業PMI、米8月ADP雇用者数、米8月ISM製造業景気指数、一帯一路サミット(~2日) 、OPECプラス閣僚級会合
2(木)豪州7月貿易収支、米7月貿易収支、米新規失業保険申請件数
3(金)米8月雇用統計、米8月ISM非製造業景気指数
<マーケットの焦点>
早いもので今週は9月、Q3最後の月が始まる。
先週はジャクソンホール・シンポジウムにおけるパウエル議長の講演が注目されたが、その他にも材料多く為替相場は神経質に振幅した。
早い段階ではパウエル議長の年内テーパリング開始への期待感が強く、ドル買い圧力も見られた。しかし米国におけるデルタ株の急拡大に加えて前週発表された米経済指標が総じて不冴えであったこと、加えてアフガニスタンからの米軍撤退に絡んでタリバン勢力が急拡大し、地政学的懸念も再浮上してきた。
したがってパウエル議長の講演は「より慎重な姿勢となる」との思惑が強まる一方、直前にはブラード・セントルイス連銀総裁やジョージ・カンザスシティー連銀総裁からタカ派的発言もあり、ドル相場はアップダウンした。
パウエル議長の講演では「年内テーパリング開始が適切」との発言があったが、同時に「テーパリングが利上げの直接的シグナルではない、(利上げの)基準は厳しいものになる」と発言した。
市場は“慎重姿勢を維持した”と解釈して、結果的にドルは反落して(ドル円109円台後半、ユーロ1.17台後半、ポンド1.37台後半)越週した。
一方米株(ナスダック、S&P500)は先週日々新高値を更新したが、パウエル議長の慎重姿勢に安どして、結局金曜日は史上高値を更新して引けた。
カナダ、メキシコなどの株価も史上高値を更新している。
結果的にパウエル議長の慎重姿勢を反映した株高・ドル安とも受け止められるが、「テーパリングを示唆しながらの慎重姿勢」は十分想定内であり、先に買われたドルが“Sell on fact”で売り戻されただけ、とも解釈される。
米国の景気減速や中国の規制強化の動きに加えてアフガニスタンでの地政学的懸念や、そもそものデルタ株懸念など、多くのリスクと同居しつつも、リスク回避が完全に支配するデザスターにならないことは、足元の主要国の株高が証明しているということだろう。
つまりリスク回避の局地戦には反応しつつも、コロナ収束シナリオ自体は依然有効と考えたい。
今週は米国8月雇用統計が注目材料だが、7月の非常に強い内容からやや反動の可能性もあるが、予想値は失業率5.2%(前回5.4%)、nfpr+75万人(前回+94.3万人)と依然として堅調な予想だ。
9月上旬の“失業保険の上乗せ給付の期限切れ”を見越して就職活動を再開せざるを得ない向きもあるのだろう。
「リスク回避のドル買い・円買い」が一巡した後は、9/29の自民党総裁選や政局混迷が円売り材料視され、政治的ファンダメンタルズを正しく反映した動きとなることを期待している。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―安値から切り返したが、上値は限定的
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7136-0.7316 AUDYEN 78.39-80.35
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7200-0.7400 AUDYEN 78.00-81.00
先週豪ドルは、米ドルが軟調に転じたこともあり、年初来の安値71セント台前半、前週の77円台後半から反発した。
国内感染拡大は依然として大問題ではあるが、一時感染拡大が小康状態となったことや、222台まで下落していた商品相場が232 台まで反発したことも豪ドルの買戻しを誘った。
ただ週末8/29にシドニーの感染者は1,218人と過去最大となったことや、シドニーに続いてメルボルンも9/2のロックダウン解除を延期するなど、依然として豪州経済への逆風は収まらない。
9/1に発表予定のQ2GDP予想値は前期比+0.5%(前回+1.8%)、前年同期比+9.2%―2020年Q2は-6.3%と大きく下落したため―(前回+1.1%)と減速予想であり、予想通りに悪化すれば豪ドル売り材料視されるであろう。
一方、ドル円が再び110円台を回復する場合には、豪ドル円の上昇余地が出てくる局面が予想される。
8/18のNZ準備銀行理事会では一部予想に反して政策金利は0.25%据え置きとなったが、NZドル金利の先高感は変わっておらず、両国の金融政策格差を反映してAUDNZDは先週も1.04台lowと安値圏に張り付いている。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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