「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
29 November 2021
◎<主なイベント>
29日(月)黒田日銀総裁講演、パウエルFRB議長イベント挨拶、ボウマンFRB理事講演
30日(火)日本雇用統計(10月)、中国製造業PMI・非製造業PMI(11月)
パウエルFRB議長・イエレン米財務長官コロナ支援・救済・経済安全保障法(CARES法)について上院銀行住宅都市委員会で証言
1日(水)中国財新製造業PMI(11月)、ベイリー英中銀総裁講演、米自動車販売(11月)、米ADP雇用者数(11月)、米ISM製造業景気指数(11月)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米下院金融委員会、新型コロナ巡る公聴会開催
2日(木)米新規失業保険申請件数(27日終了週)、OPECプラス閣僚級会合
3日(金)中国財新サービス業PMI(11月)、米雇用統計(11月)、米製造業受注(10月)、米ISM非製造業景気指数(11月)
◎<マーケットの焦点>
先週は日米が感謝祭休場となる薄商いの中、週前半はドル高・円安が進行したが、週末にかけて南アのコロナ変異種(オミクロン株)懸念が高まり一気にリスク回避相場となった。ドル円は週高値115円台半ばから2円以上103円台前半まで下落し、主要国の株価も大幅調整反落した。
週前半はFRB次期議長人事でパウエル議長続投となったことから市場は既定路線の早期利上げシナリオを確信しドル高が進行した(ドル円は115円台半ばまで)。
新規失業保険申請件数が20万人台を割るなど、堅調な米指標もドル高を支援しドルインデックスは96.94まで年初来の高値を更新した。
前週のオーストリアでのロックダウンに続いて独仏でのコロナ感染悪化からユーロ安となり(一時1.11台まで下落)、ポンドもハスケルBOE委員の慎重姿勢がポンドの下げを助長して一時1.32台まで下落した。
また週中トルコ・リラが13.51台まで史上安値を更新するなどドル全面高となった。
しかし金曜日にWHOが南アで検出された変異株(オミクロン株)を懸念される変異種(VOC)に指定するに至り一気にリスク回避相場となり、ドル円は113円台まで急落し、この流れにドルが全般的に軟化する動きとなった。
米国のコロナ新規感染者数に収束の目途が立っていないこともドルの反落につながった。
週末も世界のトップニュースはオミクロン株であり、10ヵ国以上でオミクロン変異株が検出され、世界経済に対して新たな脅威となりつつある。
今週はこのオミクロン株の動向を中心にリスク回避相場がどこまで進行し、主要国の株価が調整反落するかがポイント。
またコロナ・物価高・党内対立の三重苦によりバイデン政権の支持率は40%台前半まで低下しており、これは同期におけるトランプ前大統領の37%に次ぐ歴代ワースト2位である。同大統領の支持率挽回のための対中や対インフレ対策にも注目したい。またパウエル議長の議会証言が予定されるが、オミクロン株の懸念が強まるなか再度ハト派的証言を行って米金利先高観に水を掛ける可能性があるだろう。
今週は早くも11月の米雇用統計が発表されるが、予想のnfpr+53万人(先月は+53.8万人)、失業率5%(同4.9%)の“そこそこ強い数字”が維持されるか?
手前味噌になるが、今月の「マーケットビュー」で述べた如く、“ドル高による円安”は115円台がtoppishであり、週末に向けて大幅に調整された。
ただオミクロン騒動に歯止めが掛る目途が立てば、やや針が振れ過ぎたリスクオフの動きが巻き戻される可能性もあるだろう。
◎<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再び売り圧力受けて、対ドルでは8月の年初来安値(71セント台前半)に並び、対円でも先月の安値79円台を窺う動き
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7112-0.7273 AUDYEN 80.48-83.25
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7350 AUDYEN 80.00-84.00
先週豪ドルは、週前半はドル高を反映して軟調推移し、週末にかけてはオミクロン株懸念による大幅リスクオフ相場の影響を受けて、対ドルで71セント台前半と8月の年間安値に並ぶ格好に。対円でも10月の安値79円台を窺い、週中高値83円台前半から80円台半ばまで大幅下落した。
南アに端を発したオミクロン懸念が直接の原因だが、トルコ・リラの史上安値更新、NZ準備銀行利上げ後のNZドルの大幅下落、そして南アランドの大幅下落など、いわゆる新興国通貨安・エキゾチック通貨安・資源通貨安の流れが豪ドルにも及んでいる。ここまで豪ドル安が進めば、むしろリーズ・アンド・ラグズにより、資源輸出会社も様子見に回り、12月の最後の最後まで輸出予約の豪ドル買いを手控えることが考えられる。
今週水曜日にはQ3GDPが発表されるが、予想はロックダウンの影響を受けて前期比-2.5%(前回は+0.7%)となっており、加えてオミクロン株はまだ検出されていないものの一日の感染者数は1,000人以上の日が続いて日本を大きく上回っていることも懸念材料だ。豪州においてもオミクロン株感染が確認されれば政府は再びロックダウンを含む規制強化に乗り出す可能性があるだろう。
12月となるが、このままリスクオフ相場が続いて例年になく豪ドル軟調地合で終わるのか、あるいはオミクロン懸念が和らいで豪ドルがリバウンドするのか?
予断を許さない状況だ。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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