「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
7 February 2022
◎<主なイベント>
7日(月)
日本景気動向指数(12月)、中国財新サービス業PMI(1月)、米独首脳会談
8日(火)
日本景気ウォッチャー調査(1月)、米貿易収支(12月)
9日(水)
インド中銀政策金利、クリーブランド連銀総裁講演
10日(木)
日本国内企業物価指数(1月)、米消費者物価指数(1月)、メキシコ中銀政策金利、欧州委員会経済見通し公表、ベイリー英中銀総裁講演、OPEC月報
11日(金)
建国記念日祝日のため東京市場は休場、英GDP速報値(第4四半期)
13日(日)
ドイツ大統領選
◎<マーケットの焦点>――原油高、米1月CPIなど今週もインフレ懸念が主要テーマか
先週の予測(リスク回避や米金利先高観でドル高)は一旦ハズレた形だが(汗)、結局ドル相場はアップダウンして週末には再びドル高地合いとなった。
週初は米地区連銀総裁などから「3月50bp利上げ観測」の独り歩きをけん制する発言が相次ぎ、加えて発表された1月のADP雇用者数がまさかの“-30.1万人”となったことで、前週のドル上昇(ドルインデックスは97.44まで)に対する調整売りが活発化した。また翌日のBOE、ECB両理事会におけるタカ派的な結果も欧州通貨買戻し/ドル売りを誘った。
BOE理事会では予想通り25bpの利上げが実施されたが、9人中4人の委員が50bpの利上げを主張したことが判明して、金利先高観から市場はポンド買戻しを先行。
またECB理事会は慎重姿勢を維持したが、ラガルド総裁会見で、同総裁がインフレ警戒感を強めて「3月あるいは6月会合における政策変更(利上げ)」を示唆したことで、ポンドに続いてユーロ買戻しも活発化。
しかし、金曜日の米雇用統計でnfprが予想を大きく上回る+46.7万人(予想+18万人、前回は+19.9万人から+51.0万人に上昇修正!)となり、失業率こそ4.0%(予想、前回ともに3.9%)に若干悪化したが、労働参加率が62.2%に上昇しているので単純に悪化とは言えない。また平均時給は前年比で前回の+4.7%から5.7%にジャンプアップ。
米債利回り上昇(10年債利回りは1.928%!)とともにドル買戻しが活発化して越週した。
また週末に向けて原油は92ドル台まで続伸しているが、米国はじめ主要国ではオミクロン株が近々ピークアウトするとの専門家分析が出始めていることも反映している。実際に一時1日100万人に上った米国の感染者はこのところ10万人台まで減少している。また今週発表される米1月CPIは予想値が前回の7.0%から7.3%に上昇予想であり、原油はじめとしたエネルギー価格の高騰が続く限り、インフレ懸念=金利先高観は払しょくされそうにない。
係る中BOEやECBもインフレ懸念を共有しており、オミクロン株のピークアウトがより鮮明になれば、各国の金融政策は更にテーパリングに傾斜するだろう。
米国、欧州・英国ともに非常事態の解除という方向性は同じであり、その時々にどちらのテーパリング度が高いか?により通貨がアップダウンする状況であり、ドル、ユーロの方向性は定かではない。
ポンドは足元追加利上げ観測もあり、堅調地合が基本となるが、先週のMPCにおけるBOEの経済見通しでもGDPは2021年の7.25%→2022年2.75%→2023年1.25%→2024年1.0%まで低下見通しであり、いずれBREXITの影響が顕現化することを思えば、足元の堅調地合にも早晩終焉が訪れることは忘れてはなるまい。
利上げレースの枠外にある円は下落してもおかしくないし、日本の経済・財政、中でも対外純資産3兆ドルの価値保全のためにも円安が必要であるが、得体の知れない「安全通貨円」信奉は簡単にはなくならない。
◎<豪ドル相場>
売り・買い交錯
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6992-0.7168 AUDYEN 80.56-82.28
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6950-0.7150 AUDYEN 80.00-83.00
先週豪ドルは、木曜日まではドルの反落地合と原油はじめ商品相場の上昇にサポートされて71セント台後半、82円台前半まで反発したが、金曜日の強い米雇用統計後は70セント台半ば、81円台半ばまで反落した。
豪州のコロナ感染者数はオミクロン株感染の急拡大により、一時日本の感染者数を上回ったが、足元は日本の感染者数の再急増もあり、日本の3.2百万人をやや下回る2.7百万人程度であるが、人口比で考えれば異常な感染率の高さといえるだろう。
しかしモリソン政権は国民に不人気なロックダウンを強行できず、コロナとの共存策に転換したのは、明らかに欧米主要国の路線をフォローしていると言わざるを得ない。
豪州でも足元やや感染拡大に収束の兆しが見えており、収束に向かえば豪ドルもいよいよ底放れすることになるだろう。
ただ依然コロナの先行きには依然紆余曲折が予想され、まだまだ豪ドル底離れとは言い難い。
天気予想で言えば中期的には天候も安定しようが、足元はまだ局地的豪雨も予想され、ぬかるみ状態が続くと言わざるを得ない。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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