「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
14 February 2022
◎<主なイベント>
14日(月)ラガルドECB総裁、講演、ショルツ独首相、ゼレンスキー・ウクライナ大統領、会談
15日(火)日本GDP速報値(第4四半期)、豪中銀議事録(2月1日開催分)、ドイツZEW景況感指数(2月)、ユーロ圏ZEW景況感指数(2月)
米生産者物価指数(1月)、ショルツ独首相、プーチン露大統領、会談
米上院銀行委員会、パウエルFRB議長再任承認巡り投票
16日(水)中国消費者物価指数・生産者物価指数(1月)、英消費者物価指数・生産者物価指数(1月)、米小売売上高(1月)、カナダ消費者物価指数(1月)、ドイツ10年債入札、米FOMC議事録(1月25日-26日開催分)
17日(木)豪雇用統計(1月)、NZ生産者物価指数(第4四半期)、トルコ中銀政策金利、米フィラデルフィア連銀景況指数(2月)、セントルイス連銀総裁講演、ECB経済報告、G20財務相中銀総裁会議(インドネシア、18日まで)
18日(金)日本消費者物価指数(1月)、英小売売上高(1月)、ウォラーFRB理事・クリーブランド連銀総裁・シカゴ連銀総裁講演
◎<マーケットの焦点>――先週の米1月CPIで米金利先高観更に強まる→ウクライナ情勢のリスクオフでドル高・円高
先週は木曜日発表の1月の米CPIが7.5%と約40年ぶりの高水準となったことから、米利上げ観測が一段と強まった。10年債利回りは2%台へと上昇し、3月のFOMCでの50bp利上げを完全に織り込む形となった。更に市場では3月を含めて年内7回の利上げ(つまり全てのFOMCにおける利上げ)予想が強まっている。
この動きを受けて水曜日まで上伸したNYダウは木曜日、金曜日と連日500ptsを超す下落を見せ、前週比マイナスに沈んだ。
またCPI発表直後は急激な利上げ観測を背景に一時ドルが急伸した。ドル円は116円台前半と1月の高値に並び、ユーロは1.13台前半、ポンドは1.35台前半、豪ドルは71セント台前半まで反落した。
ただ週末に向けては米株続落に加えてウクライナ情勢を巡る緊張もありリスクオフの動きが広まりドル円は115円近辺まで反落するなど、リスクオフの「ドル高・円高」地合となっている。
今週も引き続きウクライナ情勢、そして3月のFOMC、BOE及びECB理事会にむけた主要国の金融政策の行方が焦点となる。
現状ではFOMCでの50bpの利上げとBOEの25bpの追加利上げがほぼ確実視されるが、ECBの政策スタンスも徐々にタカ派に傾くことが予想される。
つまり欧米共に金利先高観が前提となるが、やはり年間7回の利上げ観測がある米国の上げ幅が最大となるのであろう。
主要国の引き締め観測が高まる中、一人日銀は蚊帳の外であり、先週も無制限で10年債0.25%の指値オペの実施を発表しており、緩和姿勢の継続が示された。
火曜日に発表される日本のQ4GDPは前回の-3.6%から+6.0%(年率換算)に拡大予想だが、一方金曜日に発表予定の1月CPIは前年比+0.6%と主要国のインフレ上昇率とは大きな開きがある。
ただこの金融政策格差がドル円を一気に押し上げる可能性は低い。つまり今後の地政学的懸念やコロナリスクなど依然リスク要因が多い中、主要国の金利が上昇するほどリスク許容度低下に伴う金利反落の可能性は強くなる。一方「低金利通貨円=金利のアンカー(碇)」となって相対的な金利差縮小から「避難通貨円」が買われるという、従来の「安全通貨円神話」が復活する可能性もあるということだ。
ドル対欧州通貨(ユーロやポンド)の力関係は依然として綱引き状態であり、明確なトレンドは出ないであろう。
◎<豪ドル相場>
久しぶりの乱高下だが下値は押し目買いサポート
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7065-0.7248 AUDYEN 81.41-83.99
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7250 AUDYEN 81.00-84.00
先週豪ドルは、週初は前週からの買戻し先行し72セント台半ば、83円台後半まで上昇したが、木曜日の米CPIを受けて一時71セント台前半、82円割れまで反落した。
世界的なオミクロン株ピークアウト観測を背景に商品相場(CRB Index)は279台まで続伸しており豪ドルのサポート要因であるが、金融政策面ではタカ派色を増すFRBに対して、先週もRBAロウ総裁は「インフレ高進は一時的」との見方を崩しておらず、金融政策格差は豪ドルの重石となっている。
またウクライナ情勢が更に緊迫化すればロシアからの天然ガス供給停止などにより欧州経済に影を落とし、欧州を最大の貿易相手とする中国経済にも景況を及ぼすこととなり、豪ドル悪材料となるだろう。
足元リスク要因も多いが、1月末に見られた70セント割れでの押し目買いは非常に強く、引き続き同レベルは強くサポートされるであろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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