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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)9 March 2022

9 Mach 2022

◎<主なイベント>

7日(月)中国貿易収支(2月)、エネルギー国際会議(CERAウイーク)(ヒューストン、11日まで)
8日(火)日本景気動向指数(1月)、日本景気ウォッチャー調査(2月)
ポーランド中銀政策金利、米アップル、新製品発表イベント開催
9日(水)中国消費者物価指数・生産者物価指数(2月)
10日(木)ECB政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、米消費者物価指数(2月)、U首脳会議
11日(金)カナダ雇用統計(2月)、ミシガン大学消費者信頼感指数(3月)
13日(日)米国市場は夏時間へ移行

◎<マーケットの焦点>――天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず、、、
ちょっとサボりまくっている間に(爆笑)世の中、劇変――――ン。
原油価格→暴騰、金価格→急騰、株価→大幅下落、ユーロ→暴落、豪ドル→上昇、ドル(円)→上昇、、、、「リスク回避相場」。
先月2/21のセントラル短資FXさんの“マーケットビュー”で、奇しくも「対コロナの国際協調から再び分裂へ」と題したが、1ヵ月も経たずに世の中=相場、ここまで変わるか、、、(汗)
マーケットビューで“各国の金融政策やエネルギー価格動向への影響”に言及したが、その“読みだけは(笑)”当たりつつある。

  年初 直近高値・安値 騰落率(%)
原油 75ドル 130ドル +73
1800ドル 2065ドル +15
CRB Index 247 328 +33
NYダウ 36,585 32,632 -11
VIX Index 16 38 +138
10年債利回り 1.730 (現レベル)1.872 +8
ユーロ 1.13 1.08 -4
豪ドル 0.72 0.74 +3
豪ドル/ユーロ 0.63 0.68 +8
ドル円 115 115
ドルインデックス 96 99 +3


要はリスク許容度が激減する中、原油、商品相場が暴騰し、株価が大幅下落し、為替ではユーロが暴落し、ドルや資源通貨が上昇したということだ。
通常“大規模なリスク回避の動き”となれば株価や商品相場などのアセット全体が暴落するが、今回はコロナ禍以来の商品相場高にウクライナ危機に関わるエネルギー価格の大幅上昇が加わり、「株安・原油高」という変則的だが非常に経済理論に合致した市場展開となっている→スタグフレーション懸念↑!!
コロナ禍を“100年に一度のデザスター”と申し上げたが、足元局地戦だが大戦への危機をはらむウクライナ紛争が加わり、金融市場か正に混迷の度合いを深めていると言えるだろう。従来から「東西紛争(イデオロギーの違い米ソなど)は収まっても何北戦争(貧富差・宗教の違いなどを原因とする)は永遠に収まらない」という歴史学者の説に自分も賛同してきたが、ここに来て再びサイコロを振り直すような米ロの対立という米ソの蒸し返しか??!!
コロナからの脱却を目の前にして米欧の出口戦略ムード高揚する最中、ジャストタイミングでの大きな地政学的懸念の勃発、、、
本年の1st Quarterにあって、我々は次から次へと歴史的事象に翻弄されていると言って過言ではない。
上記表を見て今更ながらに思うのは、「絶対値相場」の恐ろしさ。つまり商品相場や株価など、相対資産に結びつかない単独アセットには“天井も底もない”という事実。もちろん株価や商品相場もドル相場や債券相場とのある程度のリンクはあるだろうが、係る激変相場においてリンクは絶たれ、恐怖心に先導された損切が先行するのだ。
対して、多くの相対通貨に「がんじがらめ」の為替相場の動きは“かわいい”ものだ。ドル円が10円になることも1000円になることもないのである。
<今後の展開>
確実なこと―コロナはいずれ収束し、ウクライナ紛争も終わる→第三次世界大戦(核戦争)には発展しないだろう。
つまり買われ過ぎた原油は下がるし、売られ過ぎたユーロは反発するだろう。
ただ、コロナが第二のインフルエンザ化して永遠に存続する可能性はあるし、ウクライナ紛争がベトナム戦争化して(約20年間続いた)、更なる世界各地の紛争に飛び火していく可能性はあるだろう。
“青天井でも底なし沼でもない”為替相場の動きは長い目で見れば“レンジ取引”の一言に済まされるであろうが、日銭稼ぎの我々は日々、その日の「天井とボトム」を探りながらいくしか道はない。
ロシアから原油(ロシア輸出の3.1%)・天然ガス(11.1%)を輸入している日本は米の対ロ禁輸に苦慮している模様、、、(いつも苦慮する日本外交)
1
月の日本の経常収支は▲1.1兆円の“赤字”に転落(もちろん貿易収支も▲1.6兆円)。
いよいよ「安全通貨“円”」の化けの皮が剥がれる時が近づいてきた、、、



―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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