「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
16 May 2022
◎<主なイベント>
16日(月)中国小売売上高・鉱工業生産(4月)、NY連銀製造業景況指数(5月)、欧州委員会春季経済予測公表、EU外相理事会、NY連銀総裁講演、米ギリシャ首脳会談
17日(火)米小売売上高(4月)、ラガルドECB総裁講演、パウエルFRB議長講演、米下院情報委員会小委員会、過去50年以上で初となる未確認飛行物体(UFO)に関する公聴会を開催
18日(水)日本GDP速報値(第1四半期)、中国住宅価格指数(4月)、英国消費者物価指数・生産者物価指数(4月)、カナダ消費者物価指数(4月)、ロシアGDP速報値(第1四半期)、G7財務相・中央銀行総裁会議(20日まで)
19日(木)NZ生産者物価指数(第1四半期)、豪州雇用統計(4月)、ECB議事録
米景気先行指数(4月)
20日(金)日本消費者物価指数(4月)、中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート 1年・5年)、バイデン米大統領訪日
21日(土)豪州総選挙、APEC貿易相会合(22日まで)
22日(日)世界保健機関(WHO)第75回世界保健総会(28日まで)、世界経済フォーラム年次総会(ダボス、26日まで)
◎<マーケットの焦点>―市場センチメントは徐々に円安に傾く
先週は市場のリスク回避ムード強まり、主要国の株価下落、そしてリスク回避の「ドル高・円高」地合となった。
月曜日の2002年4月以来に高値131.35から木曜日には127.51まで下落したが、これは正に「新円ベア派VS旧円ブル派の攻防」で、リスク回避の高まりに反撃に出た円ブル派の円買戻しにより市場に蓄積された円売りポジションが炙り出されたということだろう。ただ、市場は既に「リスク回避の円買い」に対して懐疑的になっているのではないか?
一昔前の円高時代-日本の貿易黒字が華やかなりし頃-には円売りポジションの造成(円キャリートレードなど)はスペキュレーションであったが、昨今では円買いポジションの造成がむしろスペキュレーションではないのか?
であれば「買われた円はいずれ売り戻される」→これ即ちセンチメントの変化ではないだろうか?
日本の貿易黒字の減少、あるいは赤字化だけで円安を説明するのも無理がある。
そうであるならば、昨年1兆ドル(!)を超えた米国の貿易赤字下でドルインデックスが105台まで上昇していることが説明できないだろう。
つまりGDP22兆ドルの米経済の6割以上は個人消費であり、旺盛な個人消費が輸入で賄われる一方、昨今のドル高ゆえ、米国製品の価格競争力は低下。これでは貿易赤字が膨れ上がるのは当然だが、一方米ドル資産はその他地域、欧州や日本の資産をオーバーパーフォームしており、加えて地政学的リスクや準備通貨としてドルへのニーズは世界的に高い。つまり貿易赤字をはじめとする巨額の米国の経常赤字により海外に蓄積されたドル余剰は、米国への投資ニーズ、つまり資本収支の黒字によって米国に還元されている。これが巨大貿易赤字国にもかかわらず米ドルの暴落が起きない理由であろう。
翻って日本の現状を考えると、円資産は貿易黒字の減少や赤字を補填するだけの投資魅力に欠けていると言わざるを得ない―円上昇圧力の不在。
とはいっても今週も“旧円ブル派”の最後の抵抗は続くであろうし、簡単に130円台以上を回復するとは言い切れないであろう。
徐々に2歩前進―1歩後退――――で十分である。
◎<豪ドル相場>
豪ドルは徐々に70セント以下で押し目買いが強まる展開か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6828-0.7053 AUDYEN 87.30-92.20
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7150 AUDYEN 89.00-92.00
4月のRBA理事会声明でややサプライズの利上げの前倒し“が示唆され76セント台まで反発した豪ドルも、5月の実際の利上げ(0.1%→0.35%)にもかかわらず上値は72セントまでと限定的で、先週は世界経済先行き不安が強まって2020年のパンデミック以来の68セント台前半まで反落した。対円では4月にドル円の131円台への大幅上昇を受けて95円台の大台を付けたが、こちらも豪ドルの反落プラスドル円の調整の相乗効果で先週は一時87円台まで下落した。
目下商品相場はエネルギー価格の高止まりもあり高値圏を維持しているが、むしろ高インフレ・景気後退懸念が勝って商品相場高も豪ドルのサポート要因となっていないのが現状だ。
豪ドルの70セント割れは基本的に割安感があるし、特にドル円が再び130円を回復する地合となれば、クロス円も豪ドルをサポートするだろう。
ただしリスクはやはりウクライナ情勢が更に悪化して世界経済への懸念が高まる状況であり、サブシナリオ(あまり実現性がなり)とは言うものの、頭の片隅には置いておきたい。今週5/18にはQ1の賃金コスト指数が発表になるが、賃金上昇率の弱さはRBAが利上げを継続する上での最大のネックであり、その結果を注視したい。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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