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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)23 May 2022

23 May 2022

◎<主なイベント>
23日(月)日米首脳会談、ベイリー英中銀総裁講演、ユーロ圏財務相会合、世界ガス会議(27日まで)
24日(火)NZ小売売上高(第1四半期)、英国製造業PMI速報値(5月)、ドイツ製造業PMI速報値(5月)、ユーロ圏製造業PMI速報値(5月)、米国製造業PMI速報値(5月)、日米豪印の4カ国による「クアッド」首脳会合、EU財務相理事会
25日(水)黒田日銀総裁「2022年国際コンファランス」で講演、NZ中銀政策金利、ドイツGFK消費者信頼感指数(6月)、米耐久財受注(4月)、ECB金融安定報告、FOMC議事録(5月3日-4日開催分)、米ツイッター年次株主総会
26日(木)韓国中銀政策金利、トルコ中銀政策金利、カナダ小売売上高(3月)、米下院金融委員会、デジタル資産と今後の金融に関する公聴会開催
27日(金)豪州小売売上高(4月)、中国工業利益 (4月)、米個人所得支出(4月)、バイデン米大統領演説、北大西洋条約機構加盟国国会議員会議(NATO-PA)春季大会(30日まで)


◎<マーケットの焦点>―ドル高もかなり調整済か

先週は市場のリスク回避ムード強まり、米国はじめ主要国の株価は前週に続き続落し、前週までのドル高の流れに調整が入った。
高インフレや金融引き締めに伴う主要国の景気減速懸念が株式市場の重石となっている。またウオルマートなど米小売り関連企業の先行き悲観的な見方が報道されたことも景気減速懸念の一因。
リスク回避ムードが広がり株価が不安定な動きをする中、米債利回りが一時週中高値3%超えから2.77%まで低下したこともドル売り材料視された。
ドル円は一時127円台low、ユーロは1.06台に接近し、ポンドも1.25台に上昇した。
ただドル円についてはメジャーサポート127.00を割らずに再度128円台に反発するなど、ドル安地合にあって方向性がはっきりしていない。
先週発表された日本の4CPIはコアが2.1%2015年以来の高水準で日銀目標を超えてきたが、引き続き日銀の見方は需要拡大によるCPI上昇というよりはサプライサイドの問題が大きいため、安定的なターゲット内への定着には程遠いという判断だ。
引き続きウクライナ情勢への不透明感から原油はじめエネルギー価格の高止まりが続き、世界経済への大きなリスク要因となっている。一方訪日中のバイデン大統領は本日の日米首脳会談でも中国の軍備拡大やアジアにおける領土戦略を協議する予定であり、地政学的懸念はウクライナに留まらない。
今週も引き続き株価やリスク要因に対する警戒感が強いが、米経済への懸念が高まれば「リスク回避のドル買い」にもなかなか積極的になれない状態。
ただ一時105台まで上昇したドルインデックスも102台まで反落しており、ある程度調整は進んでいる。ドル円についても従来の円ブルマーケットであれば一気に125円割れまで下攻めしてもおかしくないが、127円台lowで突っ込み警戒感が出ること自体、円に対する市場のセンチメントは明らかに変化している。
今週もドル円調整売りと新たな買戻しの交錯する展開となりそうだが、調整が終わればいずれ130円の上に戻ると考えている。

◎<豪ドル相場>

豪ドルは上値テストか?

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6872-0.7073  AUDYEN  88.46-91.17
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7200  AUDYEN  89.00-92.00

豪ドルは5/11に68セント台low、87円台lowで底を打って以来買戻しが続いており先週は70セント台後半、91円台前半まで反発した。
週末の豪州総選挙で労働党が9年ぶり政権を奪還したが、予想通りに金融市場への影響は限定的で、むしろあく抜け感から週初は70セント台後半、90円台半ばまで反発している。
ただ先週発表されたQ1の賃金コスト指数は前年比で+0.7%(予想+0.9%、前回+0.7%)で期待ほどの上昇を見せず、RBAも今後積極的に追加利上げをするには躊躇するだろう。
政権交代したアルバジー二政権は選挙演説でも対中強固姿勢を踏襲する旨発言しているが、モリソン前政権下で大幅に悪化した豪中関係の修復となるか?注視したい。ある程度懸案事項であった総選挙も通過し、豪ドルは底堅い展開が予想される。


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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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