「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
6 June 2022
◎<主なイベント>
6/6(月)休場(NZ、スイス、仏、独)、中国5月財新サービス業PMI
7(火)RBA理事会、日本4月景気先行指数、4月米貿易収支
8(水)日本4月国際収支、日本Q1GDP(改定値)、日本5月景気ウオッチャー調査、ユーロ圏Q1GDP(確定値)
9(木)中国5月貿易収支、ECB理事会
10(金)中国5月CPI/PPI、米5月CPI、米6月ミシガン大学長飛車信頼感
◎<マーケットの焦点>―2度目の131円トライ
先週は前週反発した米国はじめ主要国の株価はやや反落。引き続き市場のリスク回避ムードが強かったが、ドル円が再び130円台に上昇し、金曜日の米雇用統計後には一時131円に迫るなど、大きな動きが見られた。
つまりリスクオン/オフによるドル円の動きというよりは、むしろ日本と米欧の金融政策格差が再びフォーカスされた形だ。
ドル円の一週間の動きとしては、米指標に連動してアップダウンしたとも言える。
水曜日の強い米5月ISMの数字でドル円は再び130円台を付け、木曜日の弱いADP雇用者数で129円半ばに反落し、結局金曜日の強い5月nfprの数字を受けて131円の手前まで上伸した。
その間FRBのブレイナード副議長やウオラー理事は“9月の利上げ休止観測”に否定的なタカ派的コメントを述べた。
一方ECB当局者の一部からも最近のユーロ圏のインフレデータから「50bpの大幅利上げ」を示唆する発言が聞かれ、ユーロが1.07台半ばまで反発する局面もあった。
これに対して日銀筋からは引き続き「強力な金融緩和継続を支持する発言」が相次ぎ、金曜日の強い米雇用統計の結果ももちろんあるが、係る米欧と日本との金融政策格差が再びドル円を押し上げた形だ。
カナダ中銀は50bpの利上げを実施するとともに更なる追加利上げを示唆した。
またOPECプラスはロシアの原油減産への対抗措置として7月以降の増産を決定したが、市場の原油不足懸念が強く原油価格は一時120ドル超えまで上昇し、豪ドルやカナダドルなどの資源通貨をサポートした。
今週はRBA理事会、ECB理事会、米国5月CPIなど注目のイベントが相次ぐ。
RBAでは0.4%の大幅利上げの可能性があるし、一方ECBの利上げ開始は7月がコンセンサスだが、焦点はその上げ幅であり、また今週の理事会では量的緩和の即時終了を明言する見込みだ。
また米5月CPIは予想が前年比+8.3%(前回+8.3%)、前月比+0.7%(前回+0.3%)と、大幅続伸は避けられるものの高水準を維持する見通しだ。
市場は6月、7月の50bp利上げを既に織り込み、むしろその先の景気減速懸念が最近台頭している。一方ECBやRBAなど米国に遅れて利上げ実施される国(地域)の通貨が買われる展開だが、いずれ係る国(地域)においても景気減速懸念が超目されるだろう。
その中で一人蚊帳の外の“円”にはなかなか買い手がつかない状況が継続しそうだ。
今回130円を再び上回り、いよいよ市場は126-127円をボトムとして意識するだろう。ただ再度の130円台に対して日本の政府・金融当局の円安けん制も想定されるため130円台定着も容易ではない。急激な円ショートの積み上がりとその巻き戻しにより、荒い展開となることを覚悟すべきであろう。
◎<豪ドル相場>
RBA理事会を控えて豪ドルは堅調地合維持か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7141-0.7283 AUDYEN 90.95-94.57
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7100-0.7400 AUDYEN 92.00-96.00
先週豪ドルはユーロの上昇(ドルの軟調)にフォローする形で72セント台後半、94円台半ばまで上昇したが、対ドルでは金曜日の強い米雇用統計を受けて72セント台前半に反落。一方対円ではドル円の上昇もあり94円台の高値圏を維持した。
発表されたQ1GDPは前期比+0.8%(予想+0.5%、前回+3.4%)、前年比+3.3%(予想+2.9%、前回+4.2%)と前回からは減速したが、市場は織り込み済で、むしろ下げ幅が予想より小さかったことも豪ドルを底堅くした。また原油はじめ天然ガスや燃料炭などエネルギー価格全般の上昇も豪ドルサポート材料となった。
前週NZ準備銀行は50bpの大幅利上げを実施し追加利上げを示唆したが、今週のRBA理事会においても25bpの利上げはミニマムであり、むしろ40bp利上げして切りのいい0.75%にするとの観測が強まっており、これも豪ドル堅調の要因となっている。
足元豪州のコロナ感染者は依然日々2万人~4万人程度と、人口比で見て非常に多いが、死者トータルは8千人程度(日本は3万人超え)で留まり、むしろ人口24百万人の集団免疫を獲得するとの見方もある。したがって今後ロックダウンの可能性が少ないこともRBAの積極的利上げを支持している。
中国の景気減速懸念や国内景気失速の可能性も排除できないが、それはまだ先の話であり、足元は大幅利上げ観測により豪ドルが上方ターゲット75セント台、そして対円ではドル円の急上昇もあり前回の高値95円台後半を上抜く可能性もあるだろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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