「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
18 July 2022
◎<主なイベント>
7/18日(月)海の日祝日のため東京市場は休場、NZ消費者物価指数(第2四半期)、EU外相会合
19日(火)日米コロナ閣僚会議開催―ブリンケン米国務長官出席、ベイリー英中銀総裁講演、イエレン米財務長官講演、米中間選挙予備選(メリーランド州)、
ブルームバーグ暗号資産サミット、プーチン露大統領、エルドアン・トルコ大統領、ライシ・イラン大統領 会談
20日(水)中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート 1年・5年)、英消費者物価指数・生産者物価指数(6月)
21日(木)日銀金融政策決定会合・展望リポート公表・黒田日銀総裁 記者会見、ECB政策金利・ラガルドECB総裁 記者会見、トルコ中銀政策金利、ウクライナ中銀政策金利、「ノルドストリーム」パイプライン定期保守点検終了、再開予定
22日(金)日本消費者物価指数(6月)、英製造業PMI速報値(7月)、ドイツ製造業PMI速報値(7月)、ユーロ圏製造業PMI速報値(7月)、米製造業PMI速報値(7月)、ECB専門家予測調査、ロシア中銀政策金利
◎<マーケットの焦点>―徐々にドル高警戒感が高まる展開か?
一方ドル円の天井はまだ先であろう
先週はドル高が進行した。ドルインデックスは109台と2002年9月以来の高値を付け、ドル円は1998年9月以来の139円台に上昇した。
ユーロは一時パリティーを下回って0.99台半ばに下落し、ポンドも1.17台をつけた。
主要国の株価は前週の反発地合から再び上値の重い展開となった。また米債利回りは2年債と10年債イールドの逆転(逆イールド)状態が続いているのは、足元の大幅利上げ観測もあるが、市場が景気の後退局面を先取りしている面もあるだろう。
米6月CPIが9.1%と予想を上回って1981年以来の高い伸びを示し、市場は来週のFOMCにおける1%利上げを織り込んだ形となった。
しかしタカ派のボスティック・アトランタ連銀総裁から75bp利上げを支持する発言も聞かれ、週末にかけては市場の行き過ぎ感が修正されて、1%利上げ確率は週初の80%超えから30%台に急速に低下した。
バリG20ではインフレや食糧危機など世界経済が直面する課題が議論されたが、日米など西側諸国はウクライナ侵攻を巡ってロシアを激しく非難し、それに反発する国との分断が表面化して、前回4月のワシントンG20に続いて今回も共同声明が見送られるという異例の事態となった。
一方鈴木財務相は「為替の過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与える」というG20の合意を改めて確認したとも述べている。
今週は木曜日の日銀政策会合で金利据え置きとなることが確実視される一方、同日のECB理事会において、ECBも遅ればせなから25bpの利上げを行うと予想される。
一方来週27日のFOMCでは75bpの利上げが予想されるが、引き続き1%利上げの可能性が完全に消滅したわけではない。
こと金利差“という点では引き続き米ドル有利な状況であり、ドル高地合を支援するものである。ただ6月の米雇用統計の強い数字も「失業率やnfprは遅効系列に属する指標」であり、市場の焦点は徐々に米景気先行き不安に移るであろう。
また今年3月時点でウクライナ紛争の長期化・ドル沼化の可能性を指摘したが、先週の100ドルを割った原油価格を見ても、エネルギー危機もいずれ去ると考える。
米FF金利は利上げ前倒しで、来週のFOMCではFRBのニュートラルゾーン2.5%近辺に到達見込みであり、その後は景気動向次第では利上げ圧力が後退し、ドル相場の調整反落につながる可能性があるだろう。
一方130円台→135円台→先週の140円一歩手前の139円台と上昇トレンドを築いてきたドル円は、2015年6月の125円時のような”一過性“で終わる可能性は少ないと考える。ただ一気に140円台というよりは、むしろ足元ドルが反落地合となれば、ドル円にも調整が入ってもおかしくない。しかしその場合も135円台は既に「強固なサポートライン」となっていると考える。
足元ドル全面高地合であるが、中期的には「ドル安・円安」地合に移行すると考えている。
◎<豪ドル相場>
なかなか67セント台から浮上のきっかけが見えないが、一方豪ドル円は堅調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6681-0.6853 AUDYEN 91.96-94.27
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.7000 AUDYEN 92.00-96.00
先週の豪ドルはドル全面高地合の中軟調推移した。
発表された7月のWESTPAC消費者信頼感が8カ月連続下落の83.4(-3.0%)となり上値が重い展開に。また中国上海の再ロックダウン懸念も悪材料視された。
CRB Indexが300、そして原油価格が100ドルを割り込んだことも豪ドルを軟調にした。
一方6月雇用統計は失業率3.5%(前回3.9%)、就業者数+8.84万人(前回+6.06万人)と非常に強い数字であったが、反発も短時間でむしろその後一時66セント台後半まで下落した。
今月のRBA理事会における50bp利上げも、強い雇用統計も豪ドルサポートにはならず、主要国の不安定な株価や景気先行き不安に豪ドルは敏感に反応した。
ただ豪ドル独歩安というよりは、ユーロのパリティー割れに見られるように、むしろ“ドル全面高地合”であり、今後ドルが調整反落すれば豪ドルも底入れする可能性はあるだろう。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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