「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
29 August 2022
◎<主なイベント>
29日(月)豪州7月小売売上高、米ダラス連銀製造業活動(8月)、EU防衛相会合(30日まで)、
サマー・バンク・ホリデー祝日のため英国市場は休場
30日(火)豪州7月住宅建設許可件数,日本雇用統計(7月)、ドイツ消費者物価指数(8月)、米消費者信頼感指数(8月)、EU外相会合(31日まで)、NY連銀総裁講演、
ロシア軍事演習「ボストーク2022」、中国軍も参加(5日まで)
31日(水)中国製造業PMI・非製造業PMI(8月)、フランス消費者物価指数(8月)、ユーロ圏消費者物価指数(8月)、米ADP雇用者数(8月)、アトランタ連銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演、G20環境気候変動担当相会合、ロシア国営ガス会社ガスプロムー欧州向け天然ガス・パイプライン「ノルドストリーム1」一時停止(2日まで)
1日(木)豪州Q2民間設備投資、中国財新製造業PMI(8月)、米自動車販売(8月)、米ISM製造業景気指数(8月)、アトランタ連銀総裁講演
2日(金)米雇用統計(8月)、英保守党党首選党員投票締め切り(結果は5日)
◎<マーケットの焦点>―ドル円は往って来い
前週ドルは、金曜日のジャクソンホール・シンポジウムにおけるパウエルFRB議長の講演を控えてボラタイルに推移したが、結局堅調を維持して越週した。
週を通して株価は軟調推移し、金曜日のパウエル議長の講演後はFRBの引き締め姿勢継続が確認されたとして、ダウはその日一日で1,000ポイントを超えて下落した。
パウエル講演を控えて思惑が錯綜。つまりFRBの引き締め堅持を市場は既に織り込み、むしろ景気に配慮した発言がされるとの思惑と、引き締め堅持の思惑が錯綜した。ドル円は135円台と137円台の間でアップダウンして、結局引けは137円台半ばの高値引け。
一方ユーロはパリティー(1.00)を挟んでアップダウンしたが、0.99台半ばで引け、ポンドも1.17台半ばで安値引けとなった。
前週は消去法的にドル全面高となったが、先週はジャクソンホール前に欧州通貨の買戻しも入った。ユーロ圏の8月PMIや独ifo景況感指数が予想をやや上回り、逆に米8月サービス業PMIが44.1と驚きの弱い数字となったこともドルの売り戻しを誘った。金曜日はパウエル議長の講演を挟んでドル円が乱高下したが、今後の動向を占う展開となった。講演前に発表された米7月のPCEデフレータが予想を下回ったことからドル円は136円台前半に下落→その後パウエル議長講演が始まるや、引き締め堅持との解釈から一旦137円台前半に急伸→直後米景気懸念や引き締め調整の思惑から136円台前半に急落→しかし今度はショートカバーで再び137円台半ばまで買い戻され→結局137円台半ばで越週した。
8/24のウクライナ建国記念日を前にロシア軍が大規模攻撃に出るとの思惑や、再びロシアからの天然ガス供給停止の可能性、ユーロ圏や英国の景気減速懸念などの不安要因が常に付きまとい、結局ユーロやポンドの上値を重くした。
早いもので今週はQ3最後の月である9月となり、米国の8月ISM景気指数や雇用統計が発表される。また中国8月の各種PMIも発表されるが、弱い数字が出れば先週発表された中国の景気刺激策や金融緩和もむしろ不安材料視される可能性がある。
係る中、パウエル議長の言を借りれば「米経済は明らかに減速しているが、今は立ち止まっている場合ではない」訳で、講演の中でかなり長時間にわたってインフレファイターとしてFRBの歴史的名議長とされるボルカ―元議長を引き合いに出したのは、景気減速への批判をかわし、引き締め堅持の正当性を訴える狙いもあったのであろう。(ボルカ―の威を借る、、、?)
パウエル議長は元々共和党員であるがトランプ前大統領とソリが悪く、その点超党派で自身をサポートしてくれるバイデン大統領への忠誠心は強いと思われる。
インフレ抑制を経済政策の最大目標とするバイデン政権との“見えざる連携感”は強く、11月の大統領選、そして年内は引き締め堅持されるであろう。
現在2.5%のFF金利であるが、インフレ抑制的な金利水準は3.5-3.75%とボスティック・アトランタ連銀総裁も述べている。年内残り3回のFOMC(9、11、12月)で50bpずつ上げて年内で一応FF金利のターゲットを達成するのか?あるいは手前に75bpを持ってきて前倒しするのか?今後はFOMC毎の上げ幅よりも、むしろ最終的なターゲットをどの水準に設定するかが重要であろう。
先週金曜日一日の動きを見ても、市場にはドル円買いポジションが溜まりやすく、そのS/L(ストップ・ロス=取り崩し)も素早い。第一段階としてドル円が140円レベルを窺うにしても、簡単なOne Wayではなく、調整反落を交えながらの凸凹道であると考えた方がよさそうだ。 ―山高ければ谷深し―
金曜日一日でもドル円は延の走行距離が7-8円程度動いている!
ポジションをずっと保有し続けるよりもこの“走行距離”内でのbuy/sellで稼ぎたい。
◎<豪ドル相場>
やはり71セント台は分不相応だった→68セント台に反落
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6856-0.7009 AUDYEN 94.10-95.77
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.7050 AUDYEN 93.00-97.00
先週豪ドルはドルが乱高下する中、ユーロの動きに連れてアップダウンしたが、先週指摘したように、71セント台はおろか70セント台でも売り圧力強く、結局最近の安値圏68セント台まで反落した。対円ではドル円の137円台への上昇を受けて95円台まで上昇した。中国政府が種々の景気刺激策を発表したことが好感されて週末に向けて69セント台を回復し、パウエル発言中は一時70セント台まで反発した。
しかし「FRBの引き締め堅持姿勢変わらず」が確認されたとして、引けにかけて週中安値圏である68セント台前反落して越週した。
今週は月末月初の“豪ドル週間”で7月小売売上高、住宅建設許可件数、Q2民間設備投資などが発表されるが、同時に中国の8月PMIにも注意を払いたい。
現在堅調推移しているドルが再び軟調に転じれば豪ドルの下値もサポートされるであろう(豪ドルは米ドルの裏返し)。ただ基本的にはウクライナ紛争や世界経済後退懸念が重石となり豪ドルの上値(70セント超え)は限定的とみる。
自身の<長期的ビュー>としては、現在の金利水準はいかにも“低すぎるし”、有限資源の保有国豪州の通貨は行く行くは上昇に転じると見ている―資源ブームの頃のパリティー(1AUD=1USD)超えとは言わないが―
しかし、少なくとも“世界経済が巡航速度での拡大局面を取り戻すこと”が、その前提条件となる。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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