「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
5 September 2022
◎<主なイベント>
3日(土)欧州向け主要パイプライン「ノルドストリーム1」再開予定
5日(月)英保守党党首選決選投票結果発表、EUウクライナ会合、OPECプラス閣僚級会合、米国市場はレーバーデー祝日のため休場
6日(火)RBA理事会、豪州Q2経常収支、米ISM非製造業景気指数(8月)、英新首相就任、ブレイナードFRB副議長講演、米中間選挙予備選(マサチューセッツ州)
7日(水)豪州Q2GDP、日本景気動向指数(7月)、中国貿易統計(8月)、カナダ中銀政策金利、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、ベイリー英中銀総裁議会証言、バーFRB副議長講演
8日(木)豪州7月貿易収支、日本景気ウォッチャー調査(8月)、ECB政策金利、ラガルドECB総裁 記者会見、パウエルFRB議長金融政策に関する会議に参加
9日(金)中国消費者物価指数・生産者物価指数(8月)、カナダ雇用統計(8月)
EU財務相理事会、ユーロ圏財務相会合、EUエネルギー担当相臨時会合、バイデン米大統領演説、シカゴ連銀総裁講演
◎<マーケットの焦点>―「ドル高/円安」→140円台を付ける
先週は前週のジャクソンホール・シンポジウムにおけるパウエル議長のタカ派発言と対照的な黒田総裁の緩和政策堅持姿勢の際立った“差”を象徴するかのように、ドル円は今年の高値140円台まで上昇した。
米10年債利回りは木曜日には3.25%台まで上昇し、今週予定されるRBA、ECB、BOC(カナダ中銀)の大幅利上げ観測(ECBとBOCは75bp利上げ予想)を控えて、米国はじめ主要国の株価は前週に続いて続落した。
ECBの75bp利上げ観測が有力視される中、ユーロは一時1.00台後半まで戻すも、結局エネルギー危機の懸念を払しょくできずに0.99台半ばに押し戻され、ポンドは英国がQ4からリセッション入りするとの観測から新安値1.15割れをテストするなど、金曜日の米8月nfpr+31.5万人を受けて、結局はドル全面高で越週した。
ドル円は前週のジャクソンホール・シンポジウムでのパウエル議長のタカ派発言で137円乗せとなり、先週はこの137円台を底値に、一気に7月高値139円台前半を抜け、金曜日の米雇用統計後には一時140円台後半まで続伸した。
金曜日の東京市場では初の140円台乗せということで政府・日銀からの強い“口先介入”が予想され相場は神経質に動いたが、結局は鈴木財務相の「緊張感を持って相場を注視」の発言のみ。金曜日の140円台のプライスアクションを見ると、円安地合にドル全面高のフォロースルーが加わった形で、政府日銀としても「今は何を言っても焼け石に水」との判断であり、それは正しい判断だと思う。
実需の円売り需要に加えて、経済・財政・政治的ファンダメンタルズからの円売り圧力、、、正に「円の反発は円売りポジションの調整のみ」という状態である。
ここ数年「円安とすべき」を持論としてきた筆者としては願ったりの展開だが、この「ドル円はみんなで買えば怖くない」状態を不快に感じることは確か。自らに問うのは「このまま長年のターゲットである150円台に行くのか?(最近150円台を口にするコメンテーターも珍しくない)」、「150円台で止まるのか?」。
先読みを身上とする自分としては、次に大きく円高に転換するための材料を日々模索しているが、“安全通貨円神話”が崩壊した今、円の大幅反騰をサポートする材料は見つからない。
たとえ今週ECBやBOCが75bp利上げを行おうが、「消去法的ドル高」が暫く続くと考えられ、真っ先に消去される通貨が円であることに変わりはない。
ただしポジション調整はいつでも入りうるし、円の売りっ放しは宜しくない―ポジションを常に回転させることが重要だ→結果として根っ子のドル円ロングが残ればGood!
◎<豪ドル相場>
対ドル軟調、対円堅調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6771-0.6956 AUDYEN 94.64-96.20
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.7000 AUDYEN 94.50-97.50
先週豪ドルはドルが全面高となる中、対ドルでは7月半ば以来となる68セント割れまで下落。一方対円ではドル円の140円台への上昇を受けて一時6月上旬以来となる96円台前半まで上昇した。
発表された7月小売売上高は+1.3%(予想-0.1%、前回+0.2%)と予想を上回ったものの、7月住宅建設許可件数は-17.2%(予想-3.0%、前回-0.7%)と予想を大きく上回る悪化を見せ、大幅利上げの影響と景況感の悪化を浮き彫りにした。
また発表された8月の中国PMIがいずれも不冴えであったことも嫌気された。
今週のRBA理事会では4カ月連続となる50bpの利上げが予想されるが、足元のドル全面高の波が収まらない内は、RBAの利上げが豪ドル買い要因となることはないだろう。むしろ今後の景気後退懸念が再燃する可能性があろう。
長期ビューとして豪ドルの反発を予想するが、豪ドルの反転はまだ遠い先の話と言わざるを得ない。
暫くは対ドル軟調―対円堅調の「違った顔」が続きそうだ。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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