「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
26 September 2022
◎<主なイベント>
26日(月)黒田日銀総裁経済4団体共催懇談会で挨拶、鈴木財務相と雨宮日銀副総裁全国証券大会に出席、ラガルドECB総裁欧州議会経済金融委員会に出席、ボストン連銀総裁講演、アトランタ連銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演、OECD経済見通し、アジア開発銀行(ADB)年次総会
27日(火)故安倍元首相の国葬、米消費者信頼感指数(9月)、パウエルFRB議長討論会参加、シカゴ連銀総裁講演
28日(水)豪州小売売上高(8月)、日銀議事録(7月20日-21日開催分)、ラガルドECB総裁講演、シカゴ連銀総裁講演、アトランタ総裁質疑応答
29日(木)、豪州消費者物価指数(7月-8月分)、ドイツ消費者物価指数(9月)、米GDP確報値(第2四半期)、サンフランシスコ連銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演
30日(金)日銀10-12月の国債買い入れ予定、月例経済報告(9月)、日本雇用統計(8月)、中国製造業PMI・非製造業PMI(9月)、フランス消費者物価指数(9月)、ユーロ圏消費者物価指数(9月)、米個人所得支出(9月)、EUエネルギー担当相臨時会合、ブレイナードFRB副議長会議開会挨拶、NY連銀総裁会議閉会挨拶
2日(日)ブラジル大統領選、英保守党大会(バーミンガム)
◎<マーケットの焦点>―今週も日銀介入による乱高下の余韻が残る。しかし介入では根本的な円安を阻止できないだろう
先週は大荒れの展開となった。
主要国は高インフレを抑制すべく大幅利上げを続行した。
FOMCで75bp、英MPCで50bp、スイス中銀は75bpの利上げを行いマイナス金利から脱却した。
一方日銀は超緩和政策の継続姿勢を一段と鮮明化し当面利上げは行わないと言明。
日米の金融政策格差を受けて日銀政策会合後ドル円は従来の壁145.00を一気に乗り越えて146円手前まで急伸。
ここでカウンターパンチとして日銀が24年ぶりに円買い介入を実施し、ドル円は一気に5円以上急落して140円台前半に下落。
しかしその後ECBやFRBは協調介入を否定し、日銀の単独介入であったことが判明すると、今度はショートカバーが一気に入り143円台まで反発するなど荒い展開となった。
また先週はリスク回避の動きが鮮明化しドル全面高地合となった。米国はじめ主要国の大幅利上げ継続が世界経済の景気後退(リセッション)につながるとの懸念が更に強まり米国はじめ主要国の株価は続落。加えてロシアが予備役の部分動員とウクライナ4州の併合に向けた投票実施を発表し、地政学的懸念が一気に高まった。ロシア国営メディアは早くも編入支持が90~100%近くに上ると報道している。
ユーロは0.96台に、ポンドは新政権の減税策が財政を更に悪化させるとして1.08台に下落し、ドルインデックスは2002年5月以来の112台まで続伸した。
日銀単独介入はある程度想定内であったが、市場全体ではかなり意外感もありドル円は5円以上急落した。しかし元々円売り需給やファンダメンタルズ的な円売り材料多い中での流れに逆行した介入(しかも単独介入)の効果には懐疑的であった。結局ドル円は半値戻し以上反発と、今後の日銀の介入姿勢が問われる結果になったが、初回のインパクトは徐々に薄れるだろう。
むしろ景気の好不況やインフレ状況に応じて金融調整の基本である金利の上げ下げが全く機能しない(できない)国に対する不信感は、中長期的に新たな円売り材料となるだろう(金融調整機能の不全)。
今週も追加介入がある場合には市場は反応するだろうが、徐々に効果は減退し、むしろ政府・日銀の手詰まり感が深まるリスクがある。
先週木曜日の介入日当日はさすがに「ショートカバーで上がったところは売り」が機能したが、徐々に「介入で下がったところは買い場」となるのではないか。
年内150円の予想は変えていない。
◎<豪ドル相場>
ドル堅調が続く限り豪ドルの軟調推移が継続しそう
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6511-0.6745 AUDYEN 93.99-96.543
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6700 AUDYEN 93.00-97.00
先週豪ドルは2020年のパンデミック以来の65セント台に、対円でもドル円の乱高下を横目で見ながら1カ月ぶりの安値94円台まで下落した。
米FOMC後のドル全面高の影響が大きいが、世界経済の減速懸念が一気に強まり商品相場(CRB Index)が288台まで下落したことも嫌気されている。
原油価格が78ドル台まで続落しているのは世界経済にとって好材料ではあるが、むしろ景気減速懸念の表れとしてネガティブに作用している。
またロシアが予備役の部分動員を発表したことから戦火の拡大懸念が高まった。
更には先々週RBAロウ総裁が議会証言で「通常の金利状況に近づいている」と指摘したことも米豪間の金利差拡大観測を呼んだ。
ただドルインデックスが20年ぶりの高値212台に達するなど、「ドルの独歩高」が際立っており、これに対してそろそろ米国含めた主要国から「ドル高けん制発言」が出てもおかしくはない。
豪ドルも65セント以下、90円以下では割安感による押し目買いが入る可能性には留意したい。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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