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今週の相場のポイントby Joe Tsuda(津田 穣)26 December 2022

26 December 2022

◎<主なイベント>
26日(月)日本経団連審議員会―岸田首相と鈴木財務相挨拶、黒田日銀総裁講演、クリスマスに伴い米国・英国・欧州・香港・オセアニア市場は休場
27
日(火)日本雇用統計(11月)、日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」公表、中国工業企業利益(11月)、クリスマスに伴い英国・香港・オセアニア市場は休場
28
日(水)日銀主な意見(12月19日-20日開催分)
29
日(木)ECB経済報告
30
日(金)東証大納会、日本取引所グループ清田CEO挨拶、米シカゴ購買部協会景気指数(12月)、米債券市場は短縮取引
31
日(土)大晦日、中国製造業PMI・非製造業PMI(12月)
1
日(日)新年
クロアチア、通貨ユーロ導入
スウェーデン、2023年上期のEU議長国に就任
スウェーデン中銀総裁にエリック・テデーン氏が就任


◎<マーケットの焦点>―先週の日銀会合は最後の波乱、、、
一年間お疲れさまでした!

<ポイント>
・今年は為替相場が歴史的に大きく動いた年だった。
ドル円レンジ: 113.46-151.94       3,848pts
ユーロ: 0.9535-1.1495    1,960pts
ポンド: 1.0328-1.3749    3,421pts
豪ドル: 0.6170-0.7661    1,491pts
因みにドル円レンジはリーマンショックの2008年が2,543pts(87.14-112.57)、今年のレンジ幅はプラザ合意後1987年の3,897pts(120.19-159.16)以来の大きな変動幅。
プラザ合意の年1985年のレンジは6,429pts(199.28-263.57)だった。
・先週のビックサプライズは日銀会合において長期金利の変動幅をそれまでの0.25%から0.50%に拡大したこと。ドル円はその日137円台から一時130円台に急落した。黒田総裁は「利上げではない」と強調したが、従来のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作YCC)のゼロ程度に誘導していた長期金利の上限が0.5%となるのであるから“事実上の金融引き締め”に当たることは間違いない。
・日銀は今回の措置で「金融緩和の持続性を高め2%の物価安定目標の実現を目指す」とした。何度も指摘しているように、日銀も今回のインフレ急騰(日本にとっては3%台は急騰!)をテイクチャンスして、スイス中銀同様に“公明正大”に段階的に政策金利を1%程度まで上げるべきであった。
・今回の日銀の実質“金融引き締め”の背景はさすがに物価高騰の2022年を「手ぶらで過ごすこと」への罪悪感であろう。
・しかし過去の日銀政策を振り返れば、速水総裁は1999年のゼロ金利政策導入後2000年にはゼロ金利政策解除、続く福井総裁も20063月のゼロ金利政策導入を同7月に解除したが、金利引き上げを実施した後は短期間で景気減速→再び利下げを繰り返してきた歴史がある。
・しかし金融政策は「それでいいのだ」と考える。今回も願わくば公明正大な金利引き上げを約20年ぶりに実施し、従来の硬直的な金融政策から柔軟性を取り戻す歴史的な一助としてほしかったが。果たして来年は新総裁に期待していいのだろうか?
・ドル円は151円台ヒット後、先週は日銀の政策変更を受けて130円台まで一時下落した。ただ需給バランスはじめ環境の激変や安全通貨円神話の崩壊の事実を鑑みれば、足元の“円買いゾンビの復活”はドル円ショートの新規造成であり、年初にはドルの回復に従って、ドル円ショートの買い戻しが活発化すると考える。

◎<豪ドル相場>

日銀政策変更のサプライズで豪ドル円は急落―豪ドル自体は年末に向け堅調推移か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6629-0.6767  AUDYEN  87.02-92.02
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6850  AUDYEN  88.50-90.50

先週豪ドルは対ドルでは67セントを挟んだ揉み合いとなったが、対円では日銀の政策変更を受けて一時87円台に急落した。
対円以外ではドル高調整も一巡した感があるが、対円での急落は意外であると同時に、改めて「相場の急変」を自ら招いている日銀の有言不実行には疑問を感じざるを得ない。
今年も余すところ僅か。対ドルでは年末最後の資源会社の豪ドル買い需要もあり堅調推移となろう。
対円でもドル円の投機的なショートポジションが俄かに積み上がっており、むしろ年初にかけて90円台への反発も予想される。
いずれにしても今年の相場はそろそろ“エンディング”に向かうだろう。

1年間お疲れ様でした!
年初は1/9より始動します!

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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