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今週の相場のポイントby Joe Tsuda(津田 穣)9 January 2023

9 January 2023

<ポイント>年初はドル反発から→反落

・先週は年初のリスクオフ観測(数年前に見られたフラッシュ・クラッシュ期待?)も一部あったが、年初の相場に大きな混乱はなかった。
・米国はじめ主要国の株価は(日本を除いて)堅調で、昨年末の終値からややアップしている。
・年初の円高期待を裏切る形でドル円は米雇用統計前に一時134円台まで反発。
しかし、ドルの買い戻しが一巡した後金曜日は反落した。
12月雇用統計は失業率3.5%(予想3.7%、前回3.7%)、nfpr+21.3万人(予想+20.0万人、前回+26.3万人)と強い数字。しかし市場はむしろ“平均時給の軟調”に反応して、債券利回り低下→ドル反落へ。
この流れは、その後発表された12月のISM非非製造業景気指数の予想を下回る50割れ(49.6―予想55.1、前回56.5―がダメ押しとなり、ドル円は134円台から一時132円割れまで下落し、ユーロは1.06台に反発した。
・今年は世界経済は減速予想が一般的で、中でも利上げで世界をリードした米国の景気後退懸念が強いのは確か。
・昨年のドル円の高値151円台から既に20円落ちたが、むしろ依然として下値警戒感が強く、足元はまだドル円のボトムを見たとは思えない。
・ただこのまま昨年まで天井であった130円を割り込み“元の木阿弥”になるとも思えない。130円をやや割るレベルで底入れするのであれば、「ドル円相場は完全にトレンド転換した」との証左となるだろう。
130円が重要ポイントで、今後の「天井となるか?ボトムとなるか?」

◎<豪ドル相場>

中国事情好転で年末の堅調地合を維持

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6688-0.6886  AUDYEN  87.41-90.98
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6900  AUDYEN  89.00-93.00

年明け豪ドルは、リスク回避的な相場展開の中、66セント台、87円台まで下落したが、水曜日に中国が「豪州産の石炭の輸入禁止を巡り部分的終了を検討している」との報道があり、68セント台後半、90円台後半に急反発した。
一方中国国内でのコロナ感染再拡大の動きは、特にイタリア、独などで中国からの到着便のコロナ検査の厳格化が伝えられて不安材料に。久しぶりに豪ドル相場は中国材料で活発に動いた。
中国の禁輸項目は多岐にわたっており、簡単に全面解禁とは考え難いが、中国当局の姿勢が年初の習主席の“国際社会との連携強化の一環”であるのであれば、今年は予想以上に豪州関係が改善し、しれは豪ドルにとっても朗報となるだろう。
今月はRBA理事会は開催されないが、今週は毎月初恒例の“豪ドル週間”で11月CPI、貿易収支、住宅建設許可件数などが発表される。
特に11月CPIは予想値が+7.3%と他の主要国とは逆に前月の6.9%から上昇となっている。
ただ注目はやはり中国関連材料やウクライナ情勢だが、昨年末の資源会社の豪ドル買い需要が一巡したにもかかわらず、大きく反落する気配もない所から、案外市場に豪ドル買いポジションがしこっていないのかもしれない。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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