9 January 2023

◎＜ポイント＞年初はドル反発から→反落

・ドル円は昨年10月の高値151円台から足元127円台まで15%以上反落。
・市場の焦点は米国のインフレピークアウトと米金利動向にあり、その間↑151円台→↓127円台と、“実体のない投機の動きが市場を支配”。
・今週18日の日銀政策会合でイールドカーブ・コントロール（YCC）の12月に続く再調整や撤廃が行われるとの思惑がドル円を押し下げ。
・本日アップされるセントラル短資FX社の“マーケットビュー”にも書いたが、今回日銀が海外勢の債券売り攻勢に屈してYCCを撤廃するとすれば、2016年に安定的に物価目標2%を目指して導入されたYCCは、「予期せぬコロナ禍」で金融緩和のツールとなり（副作用として日銀の巨額国債残高生み）、これまた「予期せぬインフレ急騰」を受けて歴史的任務を終えるという「ダブル予期せぬ事態」に翻弄された金融政策であり、そこには市場との対話も実体経済の先読みもなかったと言えるだろう。
・「忘れる文化」の日本人―が忘れたのは昨日の151円であり、ふるさとの100円以下が恋しくなったか？
・今後円買い需要が発生するとすれば、輸出の回復、海外勢の日本国内投資、天災や地政学的懸念勃発で400兆円海外純資産の取り崩しとリパトリ。
・輸出の復活や日本投資の活発化は想定しにくく、可能性があるのはリパトリの円買いだが→それが最後の円買いとなるだろう。
どっちむち円は外に出ていかざるを得ないというのが結論。
・「空の円買い」はいずれ地下深くを流れる「円売り需要のマグマ」にぶち当たるだろう。

◎＜豪ドル相場＞

豪州関係国改善期待で豪ドル70セント台へ

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6859-0.6994  AUDYEN  88.65-91.82
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7100  AUDYEN  88.00-92.00

先週豪ドルは米ドル軟調地合の中、70セント手前まで急上昇し、本日は70セント乗せに続伸している。中国が豪州産石炭の一部解禁を示唆したことで豪中関係改善期待が高まったこと、及び発表された月次の11月CPIが7.4%と前月の6.9%から大幅続伸したことから、一時高まっていた利上げ休止観測が後退したことが豪ドルをサポートした。足元米ドル調整反落が継続する可能性があり、対ドル堅調・対円軟調地合が続きそうだ。
ただ中国の年末年始におけるコロナ被害急拡大が報道されており、コロナ起源の責任をすり抜けた中国が、コロナ情勢の開示を巡って新たな国際世論の非難を受ける可能性は否定できない。そうなれば対外友好ムードも一変する可能性があり今後の成り行きに注目したい。

―読者各位―
◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか？？
アドレスは@joetsudaFX　です－相場の話など意見交換しましょう！！
◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」（https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121）に15年近く投稿しています。
月報（毎月第三月曜日にアップ）ですが斬新な相場観をご披露します！！